敵わない人
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次の日からは京谷君は遅刻することなく挨拶運動に参加してくれた。
もちろん、自転車整理にも。
「今日も寝坊せずに来れて偉いぞ!」
「……」
子供扱いしたのが気に入らなかったのか、私を睨みつけてくる京谷君。
「ごめんごめん!謝るからそんなに睨まないでよ!」
「ちっ」
「ところで京谷君。最初は委員会の仕事をしないって言っていたのに、何か心境の変化でもあった?」
京谷君と同じエリアの自転車を整頓しながら尋ねた。
「部活、ダルくて行っていないだけっす」
「でも、当番は今週いっぱいだから、来週からは行けるね!」
「いや、そう言うことじゃなくて……」
「?」
歯切れの悪い京谷君を見ると、なんだか苦しそうな表情をしていた。
ここは先輩としてなんとかしたい。
「力になれるか分からないけど、困ったことがあったら何でも頼ってね!」
「……ぅすっ」
最初はただのガラが悪い子だと思っていたけれど、案外素直で良い子なのかもしれない。
これがギャップってやつか。
京谷君の意外な一面を知れて嬉しくなった。
上機嫌で自転車の整頓を続けていると、倒れている自転車を見つけた。
それを起こそうとしたら、隣の自転車と絡まっていて中々動かない。
「んっ!」
力いっぱい引き抜くと勢い余って転けてしまった。
「きゃっ」
派手に尻もちをつく。
恥ずかしかったけれど、整えた自転車にぶつかってドミノ倒しにならなくてよかった。
「おい、なにやってんだよ。ドジだな」
「あはは……」
それを見兼ねた京谷君は悪態をつきつつも、手を貸してくれた。
「ありがとう」
手を掴むとひょいと軽々しく立たされる。
京谷君の男の部分が垣間見れた。
「ほら、こっちは終わったから。そっちもさっさと終わらせるぞ」
「うん!」
元々怪しかった敬語がいつの間にか外れていて、生意気だけれど、不思議と悪い気はしない。
私は京谷君に握られた手を数回グーパーしてから、自転車の整頓作業に戻った。
もちろん、自転車整理にも。
「今日も寝坊せずに来れて偉いぞ!」
「……」
子供扱いしたのが気に入らなかったのか、私を睨みつけてくる京谷君。
「ごめんごめん!謝るからそんなに睨まないでよ!」
「ちっ」
「ところで京谷君。最初は委員会の仕事をしないって言っていたのに、何か心境の変化でもあった?」
京谷君と同じエリアの自転車を整頓しながら尋ねた。
「部活、ダルくて行っていないだけっす」
「でも、当番は今週いっぱいだから、来週からは行けるね!」
「いや、そう言うことじゃなくて……」
「?」
歯切れの悪い京谷君を見ると、なんだか苦しそうな表情をしていた。
ここは先輩としてなんとかしたい。
「力になれるか分からないけど、困ったことがあったら何でも頼ってね!」
「……ぅすっ」
最初はただのガラが悪い子だと思っていたけれど、案外素直で良い子なのかもしれない。
これがギャップってやつか。
京谷君の意外な一面を知れて嬉しくなった。
上機嫌で自転車の整頓を続けていると、倒れている自転車を見つけた。
それを起こそうとしたら、隣の自転車と絡まっていて中々動かない。
「んっ!」
力いっぱい引き抜くと勢い余って転けてしまった。
「きゃっ」
派手に尻もちをつく。
恥ずかしかったけれど、整えた自転車にぶつかってドミノ倒しにならなくてよかった。
「おい、なにやってんだよ。ドジだな」
「あはは……」
それを見兼ねた京谷君は悪態をつきつつも、手を貸してくれた。
「ありがとう」
手を掴むとひょいと軽々しく立たされる。
京谷君の男の部分が垣間見れた。
「ほら、こっちは終わったから。そっちもさっさと終わらせるぞ」
「うん!」
元々怪しかった敬語がいつの間にか外れていて、生意気だけれど、不思議と悪い気はしない。
私は京谷君に握られた手を数回グーパーしてから、自転車の整頓作業に戻った。