敵わない人
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やってきた初仕事の日。
京谷君は宣言通りいなかった。
「あいつ……先輩方すみません!」
京谷君と同じクラスの1年生の子が謝ってきた。
「京谷君って何部?私が見てくるよ」
3年生の私が行ったところで説得できるか分からないけれど、1年生の彼が行くよりマシだと思った。
「えっと、バレー部です」
「分かった、ありがとう。遠藤さんごめんなさい、10分以内には戻るから」
「おっけー。その代わりに引きずってでも連れてきてね」
「ははは、善処します」
京谷君って確か背が高くて、がたいも良かったよね。
引きずるのは物理的に無理だよ。
そう思いながら体育館へと向かった。
体育館からはボールの音と人の話声が聞こえてきた。
「京谷君いる?!」
扉を開けると同時に名前を呼んだ。
中では京谷君が3年生に怖い顔をして怒鳴っていた。
ひょっとしてタイミングが悪かった?
「◯◯じゃん。どうした」
同じクラスの西尾君が話しかけてきた。
そう言えば西尾君もバレー部だったっけ。
私は京谷君を横目に、西尾君に説明した。
「そういうワケで京谷君を連れていきたいんだけど」
「いいぞ。コイツがいても練習にならないから」
委員会の顔わせの時は部活で忙しいと言っていたから、てっきりスタメンなんだとばかり思っていたのに、あっさりと承諾されてしまった。
本当に大丈夫なの?と心配になりつつも、連れて行かないとこっちも困るから、私は京谷君の腕を掴んだ。
「ほら、行くよ」
だけど、くいっと引っ張っても動いてくれない。
「京谷君?」
「こんな練習、こっちから願い下げだ」
京谷君はボソッと毒を吐いてから、逆に私を引っ張る形で体育館の出口へと向かった。
「お、お邪魔しました!西尾君またね!」
私は慌てて挨拶をしてから、京谷君に連れられて体育館を出た。
ーーーー
いつまで腕を掴んでいるつもりだろう。
さすがにこの状態でみんなの元へは戻りたくない。
そのことを言おうとしたら、
「◯◯先輩は……」
「ん?」
意外だった。
私の名前を覚えていたんだ。
いや、ついさっき西尾君が私の名前を呼んでいたからか。
「あの西尾と付き合ってるんすか?」
「え?」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「ないない、付き合っていないよ。ただのクラスメイト」
「それならいいです」
どういう意図で聞いてきたか分からないけれど、みんなの元へ戻る頃にはいつの間にか掴まれていた手は離されていた。
「先輩、連れて来れたんですね!」
「◯◯さん、やるじゃん」
ただ連れてきただけの私に称賛の声が上げられた。
大袈裟だな。
京谷君は宣言通りいなかった。
「あいつ……先輩方すみません!」
京谷君と同じクラスの1年生の子が謝ってきた。
「京谷君って何部?私が見てくるよ」
3年生の私が行ったところで説得できるか分からないけれど、1年生の彼が行くよりマシだと思った。
「えっと、バレー部です」
「分かった、ありがとう。遠藤さんごめんなさい、10分以内には戻るから」
「おっけー。その代わりに引きずってでも連れてきてね」
「ははは、善処します」
京谷君って確か背が高くて、がたいも良かったよね。
引きずるのは物理的に無理だよ。
そう思いながら体育館へと向かった。
体育館からはボールの音と人の話声が聞こえてきた。
「京谷君いる?!」
扉を開けると同時に名前を呼んだ。
中では京谷君が3年生に怖い顔をして怒鳴っていた。
ひょっとしてタイミングが悪かった?
「◯◯じゃん。どうした」
同じクラスの西尾君が話しかけてきた。
そう言えば西尾君もバレー部だったっけ。
私は京谷君を横目に、西尾君に説明した。
「そういうワケで京谷君を連れていきたいんだけど」
「いいぞ。コイツがいても練習にならないから」
委員会の顔わせの時は部活で忙しいと言っていたから、てっきりスタメンなんだとばかり思っていたのに、あっさりと承諾されてしまった。
本当に大丈夫なの?と心配になりつつも、連れて行かないとこっちも困るから、私は京谷君の腕を掴んだ。
「ほら、行くよ」
だけど、くいっと引っ張っても動いてくれない。
「京谷君?」
「こんな練習、こっちから願い下げだ」
京谷君はボソッと毒を吐いてから、逆に私を引っ張る形で体育館の出口へと向かった。
「お、お邪魔しました!西尾君またね!」
私は慌てて挨拶をしてから、京谷君に連れられて体育館を出た。
ーーーー
いつまで腕を掴んでいるつもりだろう。
さすがにこの状態でみんなの元へは戻りたくない。
そのことを言おうとしたら、
「◯◯先輩は……」
「ん?」
意外だった。
私の名前を覚えていたんだ。
いや、ついさっき西尾君が私の名前を呼んでいたからか。
「あの西尾と付き合ってるんすか?」
「え?」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「ないない、付き合っていないよ。ただのクラスメイト」
「それならいいです」
どういう意図で聞いてきたか分からないけれど、みんなの元へ戻る頃にはいつの間にか掴まれていた手は離されていた。
「先輩、連れて来れたんですね!」
「◯◯さん、やるじゃん」
ただ連れてきただけの私に称賛の声が上げられた。
大袈裟だな。