真面目ちゃんと不良君
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授業終了のチャイムが鳴っても、スマホの画面は静かなままだった。
部活が始まる前に連絡をくれると思っていたのに。
私は今日二度目となる1組の教室を覗きに行ったけれど、そこにあの金髪の後頭部は見当たらなかった。
先生に呼び出されたのか、それとも委員会の仕事?
まさか、もう体育館に……?
廊下で考え込んでいると、お昼休みに話しかけてくれた男子生徒、佐藤君だか鈴木君だかが、またしてもひょっこりと顔を出した。
「あれ、また京谷に用?」
「うん、そうなの」
「アイツなら、もう帰ったぜ?」
「えっ、そうなの!?」
心臓がチクリと痛む。
もしかして、約束をすっぽかされた?
お弁当をあんなに喜んで食べてくれたのに。
仲良くなれたと思ったのは、私の独りよがりだったんだろうか。
落胆に肩を落としていると、ポケットの中のスマホが短く震えた。
「ちょっとごめんね」
一言断って画面を確認すると、そこには昼間登録したばかりの“京谷賢太郎”の名前。
急いで開いたメッセージには、たった一行、彼らしい無骨な言葉だけが並んでいた。
“18時45分 駅前 集合”
「……え?」
思わず眉間にシワが寄る。
この時間に駅前?なぜ?
困惑する私を見て、名前の定かではない男子生徒が心配そうに覗き込んできた。
「大丈夫?京谷からか?」
「あ、うん。連絡来たから大丈夫、ありがとう!」
私は彼にお礼を言うと、教室を後にした。
ーーーー
なぜ駅前なのか。
理由を尋ねるメッセージを送ったけれど、既読がつく気配はない。
結局、何も分からないまま約束の時間が近付き、私は駅のロータリーへと急いだ。
街灯が灯り始めた駅前。
家路を急ぐ人波の中で、彼はすぐに分かった。
制服ではなく、動きやすそうなジャージ姿。
背中には大きなスポーツバッグを背負っている。
「おー、来たか」
「来たか、じゃなくて!あの連絡は何だったの?理由くらい教えてよ」
詰め寄る私に、彼は事も無げに答えた。
「社会人チームの練習場所が、この近くの体育館なんだよ」
「……え?社会人チーム?」
耳を疑った。
私はてっきり、彼が学校の部活に戻るものだと思っていた。
だけど彼は、学校以外の場所で腕を磨いていたのだ。
「俺がバレーしてんの、見てぇんだろ?」
「あ……うん」
「それなら、行くぞ」
「ちょっと、待ってよ!」
歩き出した彼の足取りは、学校で見せるものよりずっと軽やかだった。
よっぽど、バレーがしたくてたまらないんだ。
朝から降っていた雨は、嘘のように上がっている。
街灯に照らされた彼の背中を追いかけながら、私は期待で胸を躍らせた。
部活が始まる前に連絡をくれると思っていたのに。
私は今日二度目となる1組の教室を覗きに行ったけれど、そこにあの金髪の後頭部は見当たらなかった。
先生に呼び出されたのか、それとも委員会の仕事?
まさか、もう体育館に……?
廊下で考え込んでいると、お昼休みに話しかけてくれた男子生徒、佐藤君だか鈴木君だかが、またしてもひょっこりと顔を出した。
「あれ、また京谷に用?」
「うん、そうなの」
「アイツなら、もう帰ったぜ?」
「えっ、そうなの!?」
心臓がチクリと痛む。
もしかして、約束をすっぽかされた?
お弁当をあんなに喜んで食べてくれたのに。
仲良くなれたと思ったのは、私の独りよがりだったんだろうか。
落胆に肩を落としていると、ポケットの中のスマホが短く震えた。
「ちょっとごめんね」
一言断って画面を確認すると、そこには昼間登録したばかりの“京谷賢太郎”の名前。
急いで開いたメッセージには、たった一行、彼らしい無骨な言葉だけが並んでいた。
“18時45分 駅前 集合”
「……え?」
思わず眉間にシワが寄る。
この時間に駅前?なぜ?
困惑する私を見て、名前の定かではない男子生徒が心配そうに覗き込んできた。
「大丈夫?京谷からか?」
「あ、うん。連絡来たから大丈夫、ありがとう!」
私は彼にお礼を言うと、教室を後にした。
ーーーー
なぜ駅前なのか。
理由を尋ねるメッセージを送ったけれど、既読がつく気配はない。
結局、何も分からないまま約束の時間が近付き、私は駅のロータリーへと急いだ。
街灯が灯り始めた駅前。
家路を急ぐ人波の中で、彼はすぐに分かった。
制服ではなく、動きやすそうなジャージ姿。
背中には大きなスポーツバッグを背負っている。
「おー、来たか」
「来たか、じゃなくて!あの連絡は何だったの?理由くらい教えてよ」
詰め寄る私に、彼は事も無げに答えた。
「社会人チームの練習場所が、この近くの体育館なんだよ」
「……え?社会人チーム?」
耳を疑った。
私はてっきり、彼が学校の部活に戻るものだと思っていた。
だけど彼は、学校以外の場所で腕を磨いていたのだ。
「俺がバレーしてんの、見てぇんだろ?」
「あ……うん」
「それなら、行くぞ」
「ちょっと、待ってよ!」
歩き出した彼の足取りは、学校で見せるものよりずっと軽やかだった。
よっぽど、バレーがしたくてたまらないんだ。
朝から降っていた雨は、嘘のように上がっている。
街灯に照らされた彼の背中を追いかけながら、私は期待で胸を躍らせた。
