終わらない物語を終わらせよう
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迷いの森を抜けた先には教会が建っていた。
今は使われていない、くたびれた教会。
中へ入ると女神の像が出迎えてくれた。
その女神の像の両腕にはニつの光り輝く残留思念が。
クルトガはニつのうち、より強い光を放っている方から手をかざした。
『昔々一際は麗しい青年がおりました。その美貌のため中々結婚しない青年の両親は、美人と名高い娘との結婚を取り付けました。────』
『昔々美人と名高い娘がおりました。娘には愛している人がニ人おりました。一人は麗しい青年、もう一人は自分を理解してくれる青年。────』
物語はここで終わっている。
「ここで結婚式を挙げた2人の物語ですか」
クルトガは教会に設置されていたパイプオルガンをポロンポロンと弾き始めた。
〜〜♪ 〜〜♪
ワーグナーの“結婚行進曲“。
しかし、長年調律されていなかったピアノは音がずれており、まさに不協和音である。
そのせいか、途中で指を止めたクルトガ。
「この先は忘れてしまいました。さて、茶番もほどほどに物語を書きましょうか」
筆を取り出し、空に物語を紡いだ。
『昔々一際は麗しい青年がおりました。その美貌のため中々結婚しない青年の両親は、美人と名高い娘との結婚を取り付けました。しかし青年はその娘を愛そうとはしませんでした。彼が愛したのは自分だけだったからです。めでたしめでたし。』
『昔々美人と名高い娘がおりました。娘には愛している人がニ人おりました。一人は麗しい青年、もう一人は自分を理解してくれる青年。二人の間で迷った挙句、娘は自分が本当はどちらを愛しているのかすら解らなくなってしまいました。めでたしめでたし。』
ニつの残留思念はパイプオルガンで続きを弾き始めた。
〜〜♪ 〜〜♪
演奏が終わると、嘘のように静かに消え散った。
「素晴らしい演奏でした。こんなにも息が合うのに、結婚となれば話は別なのですね」
クルトガは鍵盤の蓋をそっと下ろして、協会を後にした。
今は使われていない、くたびれた教会。
中へ入ると女神の像が出迎えてくれた。
その女神の像の両腕にはニつの光り輝く残留思念が。
クルトガはニつのうち、より強い光を放っている方から手をかざした。
『昔々一際は麗しい青年がおりました。その美貌のため中々結婚しない青年の両親は、美人と名高い娘との結婚を取り付けました。────』
『昔々美人と名高い娘がおりました。娘には愛している人がニ人おりました。一人は麗しい青年、もう一人は自分を理解してくれる青年。────』
物語はここで終わっている。
「ここで結婚式を挙げた2人の物語ですか」
クルトガは教会に設置されていたパイプオルガンをポロンポロンと弾き始めた。
〜〜♪ 〜〜♪
ワーグナーの“結婚行進曲“。
しかし、長年調律されていなかったピアノは音がずれており、まさに不協和音である。
そのせいか、途中で指を止めたクルトガ。
「この先は忘れてしまいました。さて、茶番もほどほどに物語を書きましょうか」
筆を取り出し、空に物語を紡いだ。
『昔々一際は麗しい青年がおりました。その美貌のため中々結婚しない青年の両親は、美人と名高い娘との結婚を取り付けました。しかし青年はその娘を愛そうとはしませんでした。彼が愛したのは自分だけだったからです。めでたしめでたし。』
『昔々美人と名高い娘がおりました。娘には愛している人がニ人おりました。一人は麗しい青年、もう一人は自分を理解してくれる青年。二人の間で迷った挙句、娘は自分が本当はどちらを愛しているのかすら解らなくなってしまいました。めでたしめでたし。』
ニつの残留思念はパイプオルガンで続きを弾き始めた。
〜〜♪ 〜〜♪
演奏が終わると、嘘のように静かに消え散った。
「素晴らしい演奏でした。こんなにも息が合うのに、結婚となれば話は別なのですね」
クルトガは鍵盤の蓋をそっと下ろして、協会を後にした。