終わらない物語を終わらせよう
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「私が、作られた存在……」
絶望の表情を浮かべるクルトガ。
「いかにも。気付かなかったのかね?キミが書く物語の結末がどれもバッドエンドだと言うことに。あれは私の意思だ」
「そんな」
「実に愉快愉快」
Dr.グリップは満足気に拍手をした。
「今までご苦労様。キミはもう用済みなんだよ」
「……」
「キミも他の物語同様、光となって消えてゆく定め。そう、それが私の書いたシナリオ」
「そんなことはさせない。消してやる……」
「私を殺そうというのかね」
「いや、この消しゴムで!」
「なんだと!」
クルトガは胸ポケットから白くて丸い塊を取り出した。
これは岸辺で物語を紡いだときに拾った物。
「ホワイトアウト!」
クルトガがそう叫ぶと、今まで紡いできた物語の結末が次々と消えていく。
物語だけでなく、玉座も、歪んだ空間も、Dr.グリップ自身も。
「これは面白い。私の意志に背くというのか」
口だけしか残っていないDr.グリップは、思いがけない展開になっていると言うのにも関わらず、どこか嬉しそうだった。
「ハッピーエンドを返してもらう」
口元も消されたDr.グリップは完全に消滅した。
残されたのは一本の筆。
「ここからは私の物語だ」
『昔々一人の老人がおりました。彼は自分の生み出した主人公にお話の続きを書かせていました。そしてお話の最後はとびきりの悲劇になるはずでした。だけどそのお話は、思わぬ展開に。そのきっかけは、老人自身が気まぐれで持たせた消しゴムによって変わったのです。
そして一人の男がお話を書き始めました。次こそは自分の意志で物語を書きたい、と。希望に溢れたお話を。男の物語はまだまだ始まったばかりです。』
ーーFinーー
絶望の表情を浮かべるクルトガ。
「いかにも。気付かなかったのかね?キミが書く物語の結末がどれもバッドエンドだと言うことに。あれは私の意思だ」
「そんな」
「実に愉快愉快」
Dr.グリップは満足気に拍手をした。
「今までご苦労様。キミはもう用済みなんだよ」
「……」
「キミも他の物語同様、光となって消えてゆく定め。そう、それが私の書いたシナリオ」
「そんなことはさせない。消してやる……」
「私を殺そうというのかね」
「いや、この消しゴムで!」
「なんだと!」
クルトガは胸ポケットから白くて丸い塊を取り出した。
これは岸辺で物語を紡いだときに拾った物。
「ホワイトアウト!」
クルトガがそう叫ぶと、今まで紡いできた物語の結末が次々と消えていく。
物語だけでなく、玉座も、歪んだ空間も、Dr.グリップ自身も。
「これは面白い。私の意志に背くというのか」
口だけしか残っていないDr.グリップは、思いがけない展開になっていると言うのにも関わらず、どこか嬉しそうだった。
「ハッピーエンドを返してもらう」
口元も消されたDr.グリップは完全に消滅した。
残されたのは一本の筆。
「ここからは私の物語だ」
『昔々一人の老人がおりました。彼は自分の生み出した主人公にお話の続きを書かせていました。そしてお話の最後はとびきりの悲劇になるはずでした。だけどそのお話は、思わぬ展開に。そのきっかけは、老人自身が気まぐれで持たせた消しゴムによって変わったのです。
そして一人の男がお話を書き始めました。次こそは自分の意志で物語を書きたい、と。希望に溢れたお話を。男の物語はまだまだ始まったばかりです。』
ーーFinーー
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