手のかかる後輩
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〜手のかかる後輩〜
2年生になり、桜がすっかり散ってゆき、クラスにも馴染み始めた頃。
初めて同じクラスになった飯綱掌とは席が隣同士と言うこともあって直ぐに仲良くなった。
「飯綱、おっはよー!なんか朝からお疲れだね」
朝練を終えて教室に入ると、これまた朝練を終えた飯綱が自分の席で机に突っ伏していた。
「おー◯◯か。いやな、手のかかる後輩が入ってきて、この通りだよ」
両手を上にあげてお手上げポーズ。
「手のかかる後輩?」
「ああ。去年、中学生だったその後輩に声をかけられたことがあるけど、まさか同じ高校に来るとは……。これから同じチームだと思うと、この先が思いやられる」
中学でJOCベストセッター賞に選出され、高校では次期主将と言われている飯綱がこんなにも疲弊するなんて、一体どんな後輩なのか。
「その後輩ってどんな子なの?」
「聞いてどうするんだよ」
ただの話題の延長線だ。
だけど、あわよくば、そんな後輩を参考にしたら私にもこんなクタクタで面白い飯綱を見ることが出来るかもしれない。
そんないたずら心もあって聞いてみた。
「いいから、いいから」
「まーそうだな……」
飯綱は目を瞑り、顎に指を添えた。
きっと、飯綱の脳裏は例の後輩を思い浮かべているに違いない。
「背は高くて……」
そこまで聞いたところで、担任の先生が教室に入ってきた。
「おーい、席に着け」
いつもより早くないか。
まだまともな特徴を聞き出せていないのに。
「ほら、◯◯もいつまでも喋っていないで」
「やば、まだ荷物しまってないや。飯綱、また後で話聞かせて」
そうは言ったものの、結局聞くタイミングがないまま今日の授業は終わった。
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