不器用ちゃんと世話焼き君
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放課後の体育館には、部員たちの威勢のいい声が反響している。
そんな練習の合間の短い休憩時間。
私は同じクラスの親友であるナオちゃんと、壁際に座り込んでスポーツドリンクを口にしていた。
ふとした拍子に、最近気になっている彼の話題を口にする。
「古森君って、困っているとすぐに助けてくれるんだ。本当に親切で……」
私の言葉に、ナオちゃんはペットボトルから口を離し、どこか呆れたような視線を向けてきた。
「私からしたら、●●のどん臭いところを見ても、あー、またいつものねってなるけど。古森からしたら、見ていてもどかしくて堪らなかったんじゃない?」
「……う。それは、否定できないかも」
確かにそうだ。
席が前後になってからというもの、私の不器用な失態は嫌でも彼の目に入ってしまう。
プリントを破り、指を切り、おにぎりの海苔を袋に残す。
そのたびに彼は、笑いながら手を貸してくれた。
「それか、世話を焼くことで、頼られてる!っていう承認欲求を満たしたい、とか?」
「うーん……。古森君、そんなタイプじゃないと思うんだけどな」
もっと自然で、もっとさりげない。
彼の優しさは、見返りを求めているようには見えなかった。
考え込む私に、ナオちゃんはニヤリとイタズラっぽい笑みを浮かべて顔を近付けた。
「なら、●●に気があるんだよ!それ以外にないって」
「えっ……っ!そ、れはないよ。だって私、ドジだし……」
慌てて否定した。
だけど、ナオちゃんに言われたからか、一瞬でも「そうだったらいいな」と思ってしまった。
そんな淡い期待が、私の顔を熱くさせる。
「休憩終わり!練習再開するよー!」
先輩の掛け声が響き、私たちは慌てて立ち上がった。
だけど、一度意識してしまった気持ちは、そう簡単に消えてはくれない。
練習に戻ったものの、ナオちゃんの言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡り、足元がおぼつかなくなってしまう。
「●●ちゃん、足止まってる!集中!」
「すみません!!」
「そっちじゃない!」
「はいっ!」
自分でも呆れるほどのミスの連発。
「今日も不器用っぷりが絶好調だね、●●ちゃん」
チームメイトが苦笑いしながら声をかけてくれる。
普通なら落ち込む場面だけれど、チームメイトにとって、私の不器用はもはや平常運転だ。
そのおかげか、誰も本気で怒ったりはしなかった。
……こういう時だけは、不器用で良かった。
私はこっそり息を吐いた。
そんな練習の合間の短い休憩時間。
私は同じクラスの親友であるナオちゃんと、壁際に座り込んでスポーツドリンクを口にしていた。
ふとした拍子に、最近気になっている彼の話題を口にする。
「古森君って、困っているとすぐに助けてくれるんだ。本当に親切で……」
私の言葉に、ナオちゃんはペットボトルから口を離し、どこか呆れたような視線を向けてきた。
「私からしたら、●●のどん臭いところを見ても、あー、またいつものねってなるけど。古森からしたら、見ていてもどかしくて堪らなかったんじゃない?」
「……う。それは、否定できないかも」
確かにそうだ。
席が前後になってからというもの、私の不器用な失態は嫌でも彼の目に入ってしまう。
プリントを破り、指を切り、おにぎりの海苔を袋に残す。
そのたびに彼は、笑いながら手を貸してくれた。
「それか、世話を焼くことで、頼られてる!っていう承認欲求を満たしたい、とか?」
「うーん……。古森君、そんなタイプじゃないと思うんだけどな」
もっと自然で、もっとさりげない。
彼の優しさは、見返りを求めているようには見えなかった。
考え込む私に、ナオちゃんはニヤリとイタズラっぽい笑みを浮かべて顔を近付けた。
「なら、●●に気があるんだよ!それ以外にないって」
「えっ……っ!そ、れはないよ。だって私、ドジだし……」
慌てて否定した。
だけど、ナオちゃんに言われたからか、一瞬でも「そうだったらいいな」と思ってしまった。
そんな淡い期待が、私の顔を熱くさせる。
「休憩終わり!練習再開するよー!」
先輩の掛け声が響き、私たちは慌てて立ち上がった。
だけど、一度意識してしまった気持ちは、そう簡単に消えてはくれない。
練習に戻ったものの、ナオちゃんの言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡り、足元がおぼつかなくなってしまう。
「●●ちゃん、足止まってる!集中!」
「すみません!!」
「そっちじゃない!」
「はいっ!」
自分でも呆れるほどのミスの連発。
「今日も不器用っぷりが絶好調だね、●●ちゃん」
チームメイトが苦笑いしながら声をかけてくれる。
普通なら落ち込む場面だけれど、チームメイトにとって、私の不器用はもはや平常運転だ。
そのおかげか、誰も本気で怒ったりはしなかった。
……こういう時だけは、不器用で良かった。
私はこっそり息を吐いた。
