手のかかる後輩
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ある日のお昼休みの時間。
飲み物を買いに自販機へと向かっていると、見覚えのある後ろ姿の男子生徒が前を歩いていた。
長身に癖のある黒髪。
あれは……。
「聖臣君!」
マスクをしていたけれど、振り向いて立ち止まってくれたってことは合っていたみたい。
「今日は元也君と一緒じゃないんだね」
「まあ……はい」
元也君がいると直ぐに去るのに、今日はいないからか珍しく留まっている。
だけど、視線は明後日の方を向いており、おそらく今すぐにでもこの場を離れたい、そんなオーラが出ているのが分かる。
「……」
「……」
聖臣君もジュースを買いに?だとか、最近暑くなってきたね、みたいな雑談すら許されない雰囲気。
気まずい。
用がないのに反射的に呼び止めてしまった私が悪いんだけども。
元也君ならこんなに気まずくならないのに。
無言で立ち止まっていると、痺れを切らしたのか、聖臣君の方から沈黙を破った。
「あの……もう行っていいですか」
「あ、うん。引き止めてごめんね。元也君にもよろしく」
「はい」
聖臣君は軽く会釈すると直ぐ様翻して去っていってしまった。
「……」
私もさっさとジュースを買って教室に戻ろう。
ーーーー
パックジュースを抱えて教室に戻ると、お昼ご飯を食べ終えた飯綱が自席に座っていた。
「ご飯食べるの早いね」
私はこれからなのに。
「そうかー?普通だよ、普通」
「ふーん」
適当に返事を返しながらお昼の準備をする。
「あ、そう言えばさっき聖臣君に会ったよ」
特に実りのある会話はしていないけれど。
「おー佐久早か。アイツ、バレーは上手いんだけど、取っつきにくいだろ」
「そうだね」
バレーが上手いかどうかは知らないけれど、確かに取っつきにくい。
元也君はあれがデフォルトだって言っていたけれど、本当に嫌われているんじゃないかって思うくらいだ。
「手のかかる後輩がいるって話を前にしたよな?」
「あ、うん元也君だよね」
おにぎりを頬張りながら答えた。
「は?違う違う、古森じゃなくて佐久早。佐久早聖臣」
「ん?!」
思わず食べていたおにぎりを吹き出しそうになった。
元也君じゃなくて聖臣君の方?
あの大人しそうな子?
薄々そうなんじゃないかとは思っていたけれど。
「その佐久早がさ───」
飯綱の話が全く頭に入ってこない。
元也君に対しての申し訳ない気持ちが膨らんでいく。
なんで尋ねたときに否定しなかったんだろう。
次に会ったときに謝らないと。
飲み物を買いに自販機へと向かっていると、見覚えのある後ろ姿の男子生徒が前を歩いていた。
長身に癖のある黒髪。
あれは……。
「聖臣君!」
マスクをしていたけれど、振り向いて立ち止まってくれたってことは合っていたみたい。
「今日は元也君と一緒じゃないんだね」
「まあ……はい」
元也君がいると直ぐに去るのに、今日はいないからか珍しく留まっている。
だけど、視線は明後日の方を向いており、おそらく今すぐにでもこの場を離れたい、そんなオーラが出ているのが分かる。
「……」
「……」
聖臣君もジュースを買いに?だとか、最近暑くなってきたね、みたいな雑談すら許されない雰囲気。
気まずい。
用がないのに反射的に呼び止めてしまった私が悪いんだけども。
元也君ならこんなに気まずくならないのに。
無言で立ち止まっていると、痺れを切らしたのか、聖臣君の方から沈黙を破った。
「あの……もう行っていいですか」
「あ、うん。引き止めてごめんね。元也君にもよろしく」
「はい」
聖臣君は軽く会釈すると直ぐ様翻して去っていってしまった。
「……」
私もさっさとジュースを買って教室に戻ろう。
ーーーー
パックジュースを抱えて教室に戻ると、お昼ご飯を食べ終えた飯綱が自席に座っていた。
「ご飯食べるの早いね」
私はこれからなのに。
「そうかー?普通だよ、普通」
「ふーん」
適当に返事を返しながらお昼の準備をする。
「あ、そう言えばさっき聖臣君に会ったよ」
特に実りのある会話はしていないけれど。
「おー佐久早か。アイツ、バレーは上手いんだけど、取っつきにくいだろ」
「そうだね」
バレーが上手いかどうかは知らないけれど、確かに取っつきにくい。
元也君はあれがデフォルトだって言っていたけれど、本当に嫌われているんじゃないかって思うくらいだ。
「手のかかる後輩がいるって話を前にしたよな?」
「あ、うん元也君だよね」
おにぎりを頬張りながら答えた。
「は?違う違う、古森じゃなくて佐久早。佐久早聖臣」
「ん?!」
思わず食べていたおにぎりを吹き出しそうになった。
元也君じゃなくて聖臣君の方?
あの大人しそうな子?
薄々そうなんじゃないかとは思っていたけれど。
「その佐久早がさ───」
飯綱の話が全く頭に入ってこない。
元也君に対しての申し訳ない気持ちが膨らんでいく。
なんで尋ねたときに否定しなかったんだろう。
次に会ったときに謝らないと。
