辛くて甘い
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それからというもの、授業後は爆豪君と鬼の特訓の日々が始まった。
特訓後のご飯は親が作ってくれているし、お金もかかるから、と言い訳して断ることに成功した。
そんなことが1週間続いた。
大分動けるようになったし、爆豪君に認めてもらえる日も近いかもしれない。
それなのに、
「モブ、最近顔色悪くないか」
特訓終わりに爆豪君に言われた。
「気のせいじゃないかな?ちゃんと寝てるし、ご飯も食べてるし……」
なにより、あんなに億劫だった特訓も前より意欲的だし。
胃はまだキリキリするけども。
「……」
何よ、その疑う目は。
「それなら、ちゃんとしてるって証明するから、家に来てよ。ご飯作る」
「分かった」
「その前にスーパーに寄って良い?食材買いたい」
爆豪君は家に着くまで終始無言で私の後ろを付いて来た。
なんだかスーパーと爆豪君の組み合わせが異質に感じて、思わず笑いそうになった。
「ここが私の家」
何の変哲もない一軒家。
まさか爆豪君を招待する日が来るとは。
「どうぞ」
「お邪魔します」
礼儀正しく挨拶をしてから、靴を綺麗に揃えた爆豪君。
意外だった。
てっきり挨拶もしなければ、靴も脱ぎ散らかすものかと思っていた。
そう言えば、一度だけご飯を食べに行ったとき、綺麗に食べていた気がする。
人は見かけによらないとはこのこと。
「親は?」
「今日は帰りが遅いから私が夜ご飯を作る日なの。すぐできるから適当にリビングで寛いでいて」
制服の上からエプロンを身に着けてキッチンに立った。
今日の献立は麻婆豆腐。
爆豪君が好きだと言っていたから作ることにしたけれど、正直辛ければ何でもよかった。
パパっと作り、テーブルに麻婆豆腐とご飯を並べた。
「はい、どうぞ」
「いただきます」
両手を合わせて、ちゃんと挨拶をする爆豪君。
家に上げたときもだけど、やっぱり礼儀はちゃんとしている。
麻婆豆腐をレンゲですくい口に運ぶ。
「どうかな」
「うん、意外と旨い」
意外と、は余計だと思ったけれど、口に合ったようで良かった。
じゃあ、私も食べようかな。
いつもの調子で麻婆豆腐に唐辛子パウダーを追加した。
「かけ過ぎだろ」
「いつもこのくらいかけてるよ」
「お前、もうやめろよ。胃がイカれるぞ」
「これくらいかけないと辛いと思わないんだよね」
「だとしてもそれは異常」
唐辛子をかける私の手を無理やり掴んで制してきた。
「手、離してよ」
「……」
睨みつけても離してくれない。
「いつからだ」
「え?」
「いつからそんなに辛い物食うようになった」
「雄英に入ってすぐかな……」
それと何が関係あるのか。
爆豪君は少し考える素振りをしたかと思えば、直ぐに口を開いた。
「ストレスで辛い物食べてるって自覚してんのか」
「ストレス?そんなまさ……か……」
いや、そう言えば胃がキリキリと痛むようになったのも、同じ時期だ。
「その顔は自覚あんだな」
コクリと頷いた。
私は辛い物が好きなんじゃなくて、ストレスで辛い物が食べたくなっていたんだ。
「ストレス発散させてやろうか」
「爆豪君?」
そう言うと、爆豪君は私の唇を塞いだ。
キスの味はピリピリ辛いはずなのに、甘く感じた。
身体の力が抜ける。
「効果あるみてェだな」
「まだ……」
「あ゛あ?」
「まだ足りない」
「どうなっても知らねェからな」
爆豪君はほくそ笑んだ。
特訓後のご飯は親が作ってくれているし、お金もかかるから、と言い訳して断ることに成功した。
そんなことが1週間続いた。
大分動けるようになったし、爆豪君に認めてもらえる日も近いかもしれない。
それなのに、
「モブ、最近顔色悪くないか」
特訓終わりに爆豪君に言われた。
「気のせいじゃないかな?ちゃんと寝てるし、ご飯も食べてるし……」
なにより、あんなに億劫だった特訓も前より意欲的だし。
胃はまだキリキリするけども。
「……」
何よ、その疑う目は。
「それなら、ちゃんとしてるって証明するから、家に来てよ。ご飯作る」
「分かった」
「その前にスーパーに寄って良い?食材買いたい」
爆豪君は家に着くまで終始無言で私の後ろを付いて来た。
なんだかスーパーと爆豪君の組み合わせが異質に感じて、思わず笑いそうになった。
「ここが私の家」
何の変哲もない一軒家。
まさか爆豪君を招待する日が来るとは。
「どうぞ」
「お邪魔します」
礼儀正しく挨拶をしてから、靴を綺麗に揃えた爆豪君。
意外だった。
てっきり挨拶もしなければ、靴も脱ぎ散らかすものかと思っていた。
そう言えば、一度だけご飯を食べに行ったとき、綺麗に食べていた気がする。
人は見かけによらないとはこのこと。
「親は?」
「今日は帰りが遅いから私が夜ご飯を作る日なの。すぐできるから適当にリビングで寛いでいて」
制服の上からエプロンを身に着けてキッチンに立った。
今日の献立は麻婆豆腐。
爆豪君が好きだと言っていたから作ることにしたけれど、正直辛ければ何でもよかった。
パパっと作り、テーブルに麻婆豆腐とご飯を並べた。
「はい、どうぞ」
「いただきます」
両手を合わせて、ちゃんと挨拶をする爆豪君。
家に上げたときもだけど、やっぱり礼儀はちゃんとしている。
麻婆豆腐をレンゲですくい口に運ぶ。
「どうかな」
「うん、意外と旨い」
意外と、は余計だと思ったけれど、口に合ったようで良かった。
じゃあ、私も食べようかな。
いつもの調子で麻婆豆腐に唐辛子パウダーを追加した。
「かけ過ぎだろ」
「いつもこのくらいかけてるよ」
「お前、もうやめろよ。胃がイカれるぞ」
「これくらいかけないと辛いと思わないんだよね」
「だとしてもそれは異常」
唐辛子をかける私の手を無理やり掴んで制してきた。
「手、離してよ」
「……」
睨みつけても離してくれない。
「いつからだ」
「え?」
「いつからそんなに辛い物食うようになった」
「雄英に入ってすぐかな……」
それと何が関係あるのか。
爆豪君は少し考える素振りをしたかと思えば、直ぐに口を開いた。
「ストレスで辛い物食べてるって自覚してんのか」
「ストレス?そんなまさ……か……」
いや、そう言えば胃がキリキリと痛むようになったのも、同じ時期だ。
「その顔は自覚あんだな」
コクリと頷いた。
私は辛い物が好きなんじゃなくて、ストレスで辛い物が食べたくなっていたんだ。
「ストレス発散させてやろうか」
「爆豪君?」
そう言うと、爆豪君は私の唇を塞いだ。
キスの味はピリピリ辛いはずなのに、甘く感じた。
身体の力が抜ける。
「効果あるみてェだな」
「まだ……」
「あ゛あ?」
「まだ足りない」
「どうなっても知らねェからな」
爆豪君はほくそ笑んだ。