辛くて甘い
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〜辛くて甘い〜
私には強個性と言われている同級生がいる。
そんな彼と私は個性が似ていた。
「隣のクラスの……名前は忘れたけど怖い顔の男の子、●●と個性が似ているよね!」
「そうなんだ」
中学を入学して早々、まだクラスメイトの名前を覚えきれていないときに、よく言われた。
興味本位で覗きにも行った。
「見てみて、あの男の子」
友達が指差した彼は今まさに個性を使っているところだった。
だけど、私には分かる。
なんだ、全然違うじゃん。
それなのに友達は、
「ね!似ているでしょ!彼、雄英のヒーロー科志望らしいんだけど、似た個性の●●も目指すの?」
なんて、勝手にプレッシャーをかけてくる。
だから、似た個性なのに●●の方は弱いねって言われたくなくて、必死に個性練習をした。
そんな公園で一人個性練習をしていたとき。
「テメェか、俺と似た個性を持っているって言うモブは」
例の彼だ。
同じ学校だけど、クラスは同じになったことはないし、男子と元々話さない私は、そのとき初めて会話した。
「せっかくだから、色々と教えてやろうか」
自信満々な彼。
「いい。私は私のやり方で強くなるから」
だって、私とアナタの個性は似て非なるものだから。
「へッ!そうかよ!」
その答えが気に食わなかったのか、彼は唾を吐いて去っていった。
まともに話したのはこれっきり。
そして、私は念願の雄英高校に入学した。
だけど、私はC組で彼はA組。
やっぱり実力が違うんだね。
分かっていたけれど悔しいや。
それでもC組とは言え、あの雄英高校に入学できたんだ。
底辺でもいいから上を目指して頑張ろう。
最初はそんな気持ちで自分を鼓舞していたけれど、現実はそんなに甘くなく。
ヒーロー科どころか一部の普通科もヒーローを目指して頑張っている。
いつしか退学になるかも、そんな恐怖に怯えながら日々を過ごすようになった。
※本来1-Cは普通科ですが、この話に限ってはヒーロー科設定でお願いします。
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