4年越しの片思い
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〜4年越しの片思い〜
就活に失敗して始めた居酒屋バイトも今年で6年目。
履歴書を書いては送っているけれど、中々面接までこぎつけず、ダラダラとフリーターを続けている。
「おはようございます」
「おはようございまーす」
眠そうな目をこすりながらタイムカードを切る彼は、私が2年目のときに初めて教育担当をした川西太一君。
大学1年生だった彼も今年で4年生。
就職のため、今年いっぱいで辞めるって言うから、時の流れは早いものだ。
「太一君、お客様の前ではそんな顔しないでよね」
学校が終わりの足でそのまま来たのだろうけど、そんな事情をお客様は知らない。
疲れているだろうけど、ここは先輩としてビシッと言わないと。
「はーい」
本当に分かっているのか。
「ところで●●さん。付き合って欲しいって話、考えてくれましたか?」
そう、私はこの太一君に先日告白をされた。
だけど6歳も離れているし、アラサーだし、定職に就いていないし……。
「今は仕事に集中!」
返事を誤魔化したくて、あたかもそれっぽい言い訳をした。
「分かりましたよ」
チェッと不貞腐れた太一君は、何か閃いたのか、いきなりアッと声を出した。
「じゃあ今日一緒に帰りましょうよ」
「えっ!?」
でも、私と太一君って家の方向違うはずじゃあ……。
そのことを言おうとしたところで、
「あ、客来た。……しゃあせーっ!!何名様ですか?」
今度は私の方が逃げられてしまった。
でも、まあ、自分でも言ったけれど、今は仕事に集中しないと。
「いらっしゃいませ〜」
私はお絞りと水の入ったコップをお盆に乗せて、お客様の元へと向かった。
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