4年越しの片思い
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ーーおまけ②(川西side)ーー
今から4年前。居酒屋バイト初出勤の日。
「新人の川西太一です。よろしくお願いします」
俺はガチガチに緊張しながら挨拶をした。
「◯◯●●です。よろしくね、川西君」
俺の教育担当をすることになった◯◯さんは、どこか疲れているような人だった。
そんなんで大丈夫かよ。
新人なのに一丁前にそんなことを思ってしまった。
「最初は慣れないことが多いかもしれないけど、分からないことは何でも聞いてね」
「はい」
「声出しも私が最初に先導するから、川西君は後から付いてきてね」
か細い声で言われても説得力がない。
運動部だった俺の方がよっぽどハキハキ喋れるぞ。
だけど客が来た途端、
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
驚くほどハキハキと喋り、とびきり笑顔、丁寧な接客を始めた。
心なしか疲れた顔も色気に思える。
そのギャップに俺は心を奪われた。
ーーーー
「初出勤はどうだった?」
着替え終わり、帰ろうとしたところを◯◯さんに呼び止められた。
「疲れましたね」
「最初はそんなものよ」
俺の指導とフォローをしながら仕事をしていた◯◯さんの方が疲れているはずなのに、労いもしてくれるなんて……好き。
もっと彼女のことが知りたい。
「◯◯さんってここでのバイト長いんですか?凄く落ち着いて見えたので」
「2年目だよ。落ち着いて見えるのは、私が川西君よりそこそこ年上だからかな?」
「え、いくつですか?」
「……今年24歳になるよ」
◯◯さんは気まずそうに答えた。
俺の6つ上。だけど、
「全然見えないっす!」
「あはは、ありがとう。嘘でも嬉しいよ」
気を遣っているように思われたけど、冗談ではなく、本当にそう思った。
「そうだ、◯◯さん。下の名前で呼んでもいいですか?ほら、もう一人同じ苗字の人がいるじゃないっすか」
「うーん、まあそうね。私を呼ぶときだけならいいよ」
「やり〜!じゃあ俺のことも名前で呼んでくださいよ」
「え、私はいいよ」
遠慮なんてしなくてもいいのに。
でも初日はこのくらいでいいか。
これから距離を縮めていけば。
しかし、このときの俺は思いもしなかった。
この片思いが4年も続くなんて。
今から4年前。居酒屋バイト初出勤の日。
「新人の川西太一です。よろしくお願いします」
俺はガチガチに緊張しながら挨拶をした。
「◯◯●●です。よろしくね、川西君」
俺の教育担当をすることになった◯◯さんは、どこか疲れているような人だった。
そんなんで大丈夫かよ。
新人なのに一丁前にそんなことを思ってしまった。
「最初は慣れないことが多いかもしれないけど、分からないことは何でも聞いてね」
「はい」
「声出しも私が最初に先導するから、川西君は後から付いてきてね」
か細い声で言われても説得力がない。
運動部だった俺の方がよっぽどハキハキ喋れるぞ。
だけど客が来た途端、
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
驚くほどハキハキと喋り、とびきり笑顔、丁寧な接客を始めた。
心なしか疲れた顔も色気に思える。
そのギャップに俺は心を奪われた。
ーーーー
「初出勤はどうだった?」
着替え終わり、帰ろうとしたところを◯◯さんに呼び止められた。
「疲れましたね」
「最初はそんなものよ」
俺の指導とフォローをしながら仕事をしていた◯◯さんの方が疲れているはずなのに、労いもしてくれるなんて……好き。
もっと彼女のことが知りたい。
「◯◯さんってここでのバイト長いんですか?凄く落ち着いて見えたので」
「2年目だよ。落ち着いて見えるのは、私が川西君よりそこそこ年上だからかな?」
「え、いくつですか?」
「……今年24歳になるよ」
◯◯さんは気まずそうに答えた。
俺の6つ上。だけど、
「全然見えないっす!」
「あはは、ありがとう。嘘でも嬉しいよ」
気を遣っているように思われたけど、冗談ではなく、本当にそう思った。
「そうだ、◯◯さん。下の名前で呼んでもいいですか?ほら、もう一人同じ苗字の人がいるじゃないっすか」
「うーん、まあそうね。私を呼ぶときだけならいいよ」
「やり〜!じゃあ俺のことも名前で呼んでくださいよ」
「え、私はいいよ」
遠慮なんてしなくてもいいのに。
でも初日はこのくらいでいいか。
これから距離を縮めていけば。
しかし、このときの俺は思いもしなかった。
この片思いが4年も続くなんて。
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