主役を喰らうヒロイン
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ーーおまけ(物間side)ーー
“コピー単体では意味がない、一人では何もできない”
昔からよく言われてきた。
幼い頃から英雄にはなれない、脇役の個性と言われてきた俺の気持ちが●●に分かるか。
最初はキラキラした憧れた夢だったはずが段々自分の現実が見えてきて憧れとは似つかなくなっていく己の姿。
それなのに、●●の個性をコピーして披露する度に凄いねって、格好良いって言ってくれる●●がいたから俺はヒーローを諦めきれなかった。
自分の人生を肯定し努力し夢を掴み取ってやる。
それで、●●が笑顔になってくれるのなら。
だけど、やっぱり俺一人では限界があるわけで、目の前で助けを求めてきた同級生を助けるには実力不足。
●●の個性をコピーしたって5分以内には倒しきれない。
●●を危険な目に合わせられないから、ストレス発散のときのように常に手を握っているなんて荒技はできない。
それなのに、
「私がアナタのバディになる。ヒーローが一般人に助けられたっていいじゃない」
なんて手を差し伸べながら言うから参ってしまう。
「……ったく……」
「ふふ」
「僕に付いてこいよ!」
期待に応えないとな!
●●の“力”を貰ったよ!!
「ハーッハハハハッ!!フィーークサァァ!!」
ーーーー
途中までは上手くいっていた。
個性持ちの脳無の攻撃によって●●の手を離すまでは。
生きた心地がしなかった。
●●を見ると、なんでそんな諦めたわけ顔をするんだよ。
なんで穏やかな顔をするんだよ。
まるで一生のお別れを彷彿させるような。
俺はまだ●●に気持ちを伝えていないのに。
そんなことさせない。
俺は残りの脳無に見向きもせず、●●の名前を叫びながら風に飛び乗った。
「●●!!僕を置いていくな!」
僕の思いが伝わったのか、手を伸ばしてくれた●●。
「掴まえた。今度は離さないから」
さあ、ここから反撃だ。
足手まといでも役立たずでも、最後まで2人で戦うぞ。
ーーーー
●●のへなちょこ個性によってよろけた脳無の隙をついて、なんとか倒すことが出来た。
「ハァ……ハァ……」
「やった、の?」
「ああ」
裂かれた脳無から人質になっていた同級生に目をやると、
「物間……あ゛り゛か゛と゛う゛!!」
「俺ら、お前に酷いことしたのに……」
顔が涙でぐちゃぐちゃになりながら謝ってきた。
俺はこんなやつらに弄られていたのか。
「もういいよ」
●●には一言言い返せばいいのにと言われてしまったけれど、もうどうでもよかった。
「ヒーローはどこまでも嫉妬される対象だからね、仕方ないのさ」
それこそ弱い者イジメになってしまう。
そんなことを考えていると、
「ふふっ、寧人らしいね。そんな寧人が好きだよ」
唐突に●●の口から出た爆弾発言。
“私のことをなんて、何でもお見通しでしょ”
と言われたときは意味が分からなかったけれど、もしかしてコレのことだったのか?!
「…………」
「あれ?寧人?もしもーし」
嬉しすぎて放心状態に陥った僕は●●の呼びかけによってようやく現実世界に引き戻された。
「●●が俺を好き?」
「え、気付いていたんじゃないの?」
「いや、全く……」
「わー!今の無し!」
慌てふためく●●。
だけど、
「無しになんてさせない!僕だって●●のこと……好き……だし」
「本当?!」
「僕だって可愛いと思う女の子を可愛いと思う感情くらいちゃんとある」
「私だって寧人のゲス顔は残念だと思っているけどね!」
●●の気持ちが分かった今ではそれも好きの裏返しだと理解できる。
だから僕は、
「そんな●●も好きだよ」
と言ってやった。
それに対して顔を真赤にさせる●●。
その顔に僕の心は釘付けなんだよ。
本当に君ってやつは主役を喰らうヒロインなんだから。
“コピー単体では意味がない、一人では何もできない”
昔からよく言われてきた。
幼い頃から英雄にはなれない、脇役の個性と言われてきた俺の気持ちが●●に分かるか。
最初はキラキラした憧れた夢だったはずが段々自分の現実が見えてきて憧れとは似つかなくなっていく己の姿。
それなのに、●●の個性をコピーして披露する度に凄いねって、格好良いって言ってくれる●●がいたから俺はヒーローを諦めきれなかった。
自分の人生を肯定し努力し夢を掴み取ってやる。
それで、●●が笑顔になってくれるのなら。
だけど、やっぱり俺一人では限界があるわけで、目の前で助けを求めてきた同級生を助けるには実力不足。
●●の個性をコピーしたって5分以内には倒しきれない。
●●を危険な目に合わせられないから、ストレス発散のときのように常に手を握っているなんて荒技はできない。
それなのに、
「私がアナタのバディになる。ヒーローが一般人に助けられたっていいじゃない」
なんて手を差し伸べながら言うから参ってしまう。
「……ったく……」
「ふふ」
「僕に付いてこいよ!」
期待に応えないとな!
●●の“力”を貰ったよ!!
「ハーッハハハハッ!!フィーークサァァ!!」
ーーーー
途中までは上手くいっていた。
個性持ちの脳無の攻撃によって●●の手を離すまでは。
生きた心地がしなかった。
●●を見ると、なんでそんな諦めたわけ顔をするんだよ。
なんで穏やかな顔をするんだよ。
まるで一生のお別れを彷彿させるような。
俺はまだ●●に気持ちを伝えていないのに。
そんなことさせない。
俺は残りの脳無に見向きもせず、●●の名前を叫びながら風に飛び乗った。
「●●!!僕を置いていくな!」
僕の思いが伝わったのか、手を伸ばしてくれた●●。
「掴まえた。今度は離さないから」
さあ、ここから反撃だ。
足手まといでも役立たずでも、最後まで2人で戦うぞ。
ーーーー
●●のへなちょこ個性によってよろけた脳無の隙をついて、なんとか倒すことが出来た。
「ハァ……ハァ……」
「やった、の?」
「ああ」
裂かれた脳無から人質になっていた同級生に目をやると、
「物間……あ゛り゛か゛と゛う゛!!」
「俺ら、お前に酷いことしたのに……」
顔が涙でぐちゃぐちゃになりながら謝ってきた。
俺はこんなやつらに弄られていたのか。
「もういいよ」
●●には一言言い返せばいいのにと言われてしまったけれど、もうどうでもよかった。
「ヒーローはどこまでも嫉妬される対象だからね、仕方ないのさ」
それこそ弱い者イジメになってしまう。
そんなことを考えていると、
「ふふっ、寧人らしいね。そんな寧人が好きだよ」
唐突に●●の口から出た爆弾発言。
“私のことをなんて、何でもお見通しでしょ”
と言われたときは意味が分からなかったけれど、もしかしてコレのことだったのか?!
「…………」
「あれ?寧人?もしもーし」
嬉しすぎて放心状態に陥った僕は●●の呼びかけによってようやく現実世界に引き戻された。
「●●が俺を好き?」
「え、気付いていたんじゃないの?」
「いや、全く……」
「わー!今の無し!」
慌てふためく●●。
だけど、
「無しになんてさせない!僕だって●●のこと……好き……だし」
「本当?!」
「僕だって可愛いと思う女の子を可愛いと思う感情くらいちゃんとある」
「私だって寧人のゲス顔は残念だと思っているけどね!」
●●の気持ちが分かった今ではそれも好きの裏返しだと理解できる。
だから僕は、
「そんな●●も好きだよ」
と言ってやった。
それに対して顔を真赤にさせる●●。
その顔に僕の心は釘付けなんだよ。
本当に君ってやつは主役を喰らうヒロインなんだから。
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