主役を喰らうヒロイン
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寧人に託したのに、
「うわぁっ!ちょっと…!」
おもむろに私をおんぶする寧人。
「●●は僕のバディなんだろ?最後まで付いてこいよ!」
「私、重たいから!」
「そう思うなら痩せろよな!」
「うぐっ……」
そこは軽いとか大丈夫とか言ってほしかった。
「行くぞ」
そんな私の乙女心を無視して、寧人は脳無に向かって再度駆け出した。
残す敵は風の個性を放った脳無と、両手で人質を握っている大型脳無の2体。
私を抱えている寧人は腕が塞がっているせいで、思うように歪みを出せないでいる。
私も何か役に立ちたい!……何か。
そうだ!
私は自分が出せる最大の力で歪みを発生させた。
「うがっ!?」
脳無の足元に発生した数センチの歪みによって、脳無は躓いてよろめいた。
「コケさせるくらいはできるんだからね!」
「●●、でかした!ここまで近付ければ、小さな振りでも良いダメージ入るだろ!」
寧人がスッと腕を振ると、たちまち脳無たちは真っ二つに裂けた。
「ヒ……ロォ…め……ぐおおぉ!」
脳無は悲痛の叫びを上げ、息絶えた。
「ハァ……ハァ……」
「やった、の?」
「ああ」
大型脳無が倒れたときに手から解放された人質、もといいじめっ子2人は片隅でガタガタ震えていた。
そいつらに目をやると、
「物間……あ゛り゛か゛と゛う゛!!」
「俺ら、お前に酷いことしたのに……」
顔が涙でぐちゃぐちゃになりながら謝ってきた。
これがアンタたちが馬鹿にした寧人の実力。
「もういいよ」
それから2人は再度謝った後、遅れてやってきた救急車によって病院へと運ばれた。
「よかったの?あれで。これに懲りたら僕を馬鹿にするな!くらいは言ってもいいと思うけど」
「ヒーローはどこまでも嫉妬される対象だからね、仕方ないのさ」
「ふふっ、寧人らしいね。そんな寧人が好きだよ」
さっきまでは告白は今じゃないと思ったけれど、今回の件で死を覚悟してしまった私は、寧人に初めて好きだと伝えた。
死んだら元も子もない。後悔したくないから。
そもそも私の気持ちはもうバレているだろうけどね。
それなのに、
「…………」
「あれ?寧人?もしもーし」
動かない寧人の顔の前で手を上下に振ると、ようやくハッと我に返った寧人。
「●●が俺を好き?」
「え、気付いていたんじゃないの?」
「いや、全く……」
私、もしかして早とちりをした?
「わー!今の無し!」
「無しになんてさせない!僕だって●●のこと……好き……だし」
「本当?!」
だって、寧人って私のことを幼馴染の兼コピー要因としか見ていないと思っていたから。
「僕だって可愛いと思う女の子を可愛いと思う感情くらいちゃんとある」
初めて寧人に“可愛い”と言われた。
だけど、素直に“ありがとう”とは言えず、
「私だって寧人のゲス顔は残念だと思っているけどね!」
ゲス顔含めて好きなのに、いつものノリで返してしまった。
それなのに、
「そんな●●も好きだよ」
「……っ!」
なんて、飛びっきりの笑顔で返してくるんだもん。
そんなのズルいよ。
ああ、本当に寧人は私にとってはヒロインを喰らう主人公なんだから。
ーーFinーー
「うわぁっ!ちょっと…!」
おもむろに私をおんぶする寧人。
「●●は僕のバディなんだろ?最後まで付いてこいよ!」
「私、重たいから!」
「そう思うなら痩せろよな!」
「うぐっ……」
そこは軽いとか大丈夫とか言ってほしかった。
「行くぞ」
そんな私の乙女心を無視して、寧人は脳無に向かって再度駆け出した。
残す敵は風の個性を放った脳無と、両手で人質を握っている大型脳無の2体。
私を抱えている寧人は腕が塞がっているせいで、思うように歪みを出せないでいる。
私も何か役に立ちたい!……何か。
そうだ!
私は自分が出せる最大の力で歪みを発生させた。
「うがっ!?」
脳無の足元に発生した数センチの歪みによって、脳無は躓いてよろめいた。
「コケさせるくらいはできるんだからね!」
「●●、でかした!ここまで近付ければ、小さな振りでも良いダメージ入るだろ!」
寧人がスッと腕を振ると、たちまち脳無たちは真っ二つに裂けた。
「ヒ……ロォ…め……ぐおおぉ!」
脳無は悲痛の叫びを上げ、息絶えた。
「ハァ……ハァ……」
「やった、の?」
「ああ」
大型脳無が倒れたときに手から解放された人質、もといいじめっ子2人は片隅でガタガタ震えていた。
そいつらに目をやると、
「物間……あ゛り゛か゛と゛う゛!!」
「俺ら、お前に酷いことしたのに……」
顔が涙でぐちゃぐちゃになりながら謝ってきた。
これがアンタたちが馬鹿にした寧人の実力。
「もういいよ」
それから2人は再度謝った後、遅れてやってきた救急車によって病院へと運ばれた。
「よかったの?あれで。これに懲りたら僕を馬鹿にするな!くらいは言ってもいいと思うけど」
「ヒーローはどこまでも嫉妬される対象だからね、仕方ないのさ」
「ふふっ、寧人らしいね。そんな寧人が好きだよ」
さっきまでは告白は今じゃないと思ったけれど、今回の件で死を覚悟してしまった私は、寧人に初めて好きだと伝えた。
死んだら元も子もない。後悔したくないから。
そもそも私の気持ちはもうバレているだろうけどね。
それなのに、
「…………」
「あれ?寧人?もしもーし」
動かない寧人の顔の前で手を上下に振ると、ようやくハッと我に返った寧人。
「●●が俺を好き?」
「え、気付いていたんじゃないの?」
「いや、全く……」
私、もしかして早とちりをした?
「わー!今の無し!」
「無しになんてさせない!僕だって●●のこと……好き……だし」
「本当?!」
だって、寧人って私のことを幼馴染の兼コピー要因としか見ていないと思っていたから。
「僕だって可愛いと思う女の子を可愛いと思う感情くらいちゃんとある」
初めて寧人に“可愛い”と言われた。
だけど、素直に“ありがとう”とは言えず、
「私だって寧人のゲス顔は残念だと思っているけどね!」
ゲス顔含めて好きなのに、いつものノリで返してしまった。
それなのに、
「そんな●●も好きだよ」
「……っ!」
なんて、飛びっきりの笑顔で返してくるんだもん。
そんなのズルいよ。
ああ、本当に寧人は私にとってはヒロインを喰らう主人公なんだから。
ーーFinーー