主役を喰らうヒロイン
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寧人は空いている手で歪みを作り出し、脳無を切り裂いて行く。
戦闘素人の私だけど、先導するように寧人が手を引っ張ってくれるおかげで、今のところかすり傷一つ負わずに脳無にダメージを与えることができている。
案外、本当に私たちならいいバディになれるかも?
自分が強いのでは、と錯覚させられる。
そう思った矢先、脳無の中でも個性を使ってくるやつの風攻撃で吹き飛ばされた私は寧人の手を離してしまった。
「あっ……」
離れた瞬間、寧人と目があった。
空高く舞い上がる私。
この高さなら風が止んだら落下死するだろう。
手が離れた今、寧人は5分間しか私の個性を使えないけれど、それだけあれば残っている脳無を倒せるよね?
あとはよろしく。
最後くらいは格好つけたかった私は微笑んだ。
しかし、寧人は残りの脳無に見向きもせず、風に乗り私の方へと飛んできた。
「●●!!」
馬鹿だな。
寧人はあの同級生2人を助けるために戦っているのに。
1人よりも2人を、2人よりも大勢を助けないと。
だから、私なんかを優先しちゃダメだよ。
「僕を置いていくな!」
「寧人……」
寧人の嘆きに私は思わず諦めた手をまた伸ばしてしまった。
「掴まえた。今度は離さないから」
風が止み落下する私たち。
このままだと2人とも死んでしまう。
「寧人、落ちるー!!」
「口開くな、舌噛むぞ!!」
私は言われた通り急いで口を閉じた。
「っでい!!」
寧人は着地寸前に歪みを作り出し、その反動でなんとか私たちはぺちゃんこにならずに済んだ。
助かったのは良いけれど、先程まで食べていたものが上から出てきそう。
「吐きそう……」
「我慢しろ」
「無茶言わないでよ……」
バディになるなんて大見得を切ったのに、使い物にならない自分にうんざりした。
「ちっ」
そりゃあ寧人だって舌打ちくらいするわ。
これは許す。
「ごめん、もう付いて行けないから私を置いていって……」
これ以上フラフラな状態で手を繋ぎながら付いていくと、確実に足手まといになる。
せっかく“僕を置いていくな”って言ってくれたのに、ごめんね。
戦闘素人の私だけど、先導するように寧人が手を引っ張ってくれるおかげで、今のところかすり傷一つ負わずに脳無にダメージを与えることができている。
案外、本当に私たちならいいバディになれるかも?
自分が強いのでは、と錯覚させられる。
そう思った矢先、脳無の中でも個性を使ってくるやつの風攻撃で吹き飛ばされた私は寧人の手を離してしまった。
「あっ……」
離れた瞬間、寧人と目があった。
空高く舞い上がる私。
この高さなら風が止んだら落下死するだろう。
手が離れた今、寧人は5分間しか私の個性を使えないけれど、それだけあれば残っている脳無を倒せるよね?
あとはよろしく。
最後くらいは格好つけたかった私は微笑んだ。
しかし、寧人は残りの脳無に見向きもせず、風に乗り私の方へと飛んできた。
「●●!!」
馬鹿だな。
寧人はあの同級生2人を助けるために戦っているのに。
1人よりも2人を、2人よりも大勢を助けないと。
だから、私なんかを優先しちゃダメだよ。
「僕を置いていくな!」
「寧人……」
寧人の嘆きに私は思わず諦めた手をまた伸ばしてしまった。
「掴まえた。今度は離さないから」
風が止み落下する私たち。
このままだと2人とも死んでしまう。
「寧人、落ちるー!!」
「口開くな、舌噛むぞ!!」
私は言われた通り急いで口を閉じた。
「っでい!!」
寧人は着地寸前に歪みを作り出し、その反動でなんとか私たちはぺちゃんこにならずに済んだ。
助かったのは良いけれど、先程まで食べていたものが上から出てきそう。
「吐きそう……」
「我慢しろ」
「無茶言わないでよ……」
バディになるなんて大見得を切ったのに、使い物にならない自分にうんざりした。
「ちっ」
そりゃあ寧人だって舌打ちくらいするわ。
これは許す。
「ごめん、もう付いて行けないから私を置いていって……」
これ以上フラフラな状態で手を繋ぎながら付いていくと、確実に足手まといになる。
せっかく“僕を置いていくな”って言ってくれたのに、ごめんね。