意地っ張りちゃんと見栄っ張り君
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入学式後、物間君と連絡が取れなくなった。
きっと勉強が忙しいんだよね。
なにせ、あの雄英高校だから。
ようやく会えたのは入学式から1ヶ月後だった。
物間君の家にお邪魔すると、出迎えてくれた彼はどことなく疲れた様子だった。
「お邪魔します」
「適当に寛いでいて」
そう言って物間君は部屋を出ていった。
待っている間、部屋を見渡すと勉強机の上に開きっぱなしにされた教材が目に入った。
それを手に取りパラパラと捲る。
教科書には赤色のマーカーでたくさん印がつけてあった。
大事な箇所なんだろうけど、何が書いてあるのか、どういう意味なのか難しくて分からない。
受験勉強を一緒にしているときから思っていたけれど、やっぱり雄英高校ってレベルが高いんだ。
更にページを捲っていると、教材の間から1枚のプリントが落ちた。
「?」
それを拾い上げようとしたところで部屋の扉が開いた。
飲み物を持っていた物間君が戻ってきたんだ。
「●●ちゃん何見て……あ、待って!それ拾わなくていいから!」
物間君は飲み物を机に置くと、慌ててプリントを拾い上げた。
そして、白い裏面が外側に来るように折りたたむと、ポケットにしまい込んだ。
「中身見た?」
「え?見てないけど」
「それならいい」
隠されると気になるのが人の性。
「何のプリントだったの?」
「あー……ほら、アレだよアレ」
「アレ?」
「うん……えっと……あ、そう、体育祭!」
「体育祭?」
「体育祭のお知らせのプリント。来週にあるからね」
怪しい。
あまりにも目が泳いでいるから。
それに、赤色でマルバツが付いていた気もする。
でも、毎年このくらいの時期になると雄英高校で体育祭が開催されることを知っている。
だって、テレビ局が来たり、生徒や保護者以外に有名なヒーロー事務所の人たちも見に行くから。
取り敢えずプリントの中身の真偽は置いといて、
「私も体育祭行こうかな」
「えっ……」
チラリと物間君を見ると、嫌そうな顔をしていた。
何の気なしに言っただけなのに、そんなに来てほしくないの?
「駄目なの?」
「駄目って言うか……ほら、体育祭って煩いだろ?●●ちゃんの個性だと大変かなーって」
最もらしい理由を並べる物間君。
確かに昔の私なら煩い場所を避けていた。
だけど、今の私は個性のコントロールくらいできる。
そのため、個性を発動させなければ普通の人と同じくらいの聴力しかない。
そのことを説明してもいいけど、きっとまた何かしらの理由を言って越させないようにするに違いない。
ひとまずここは聞き分けの良い子のフリでもするか。
「……分かった。体育祭は諦める」
「うん!それがいい!」
あからさまに嬉しそうにしちゃって。
「そうだ、●●ちゃんの高校生活のことを教えてよ」
物間君は唐突に話題を変えてきた。
「高校生活って言っても、普通の学校だから、特に話すことはないよ。それより物間君は?最近忙しそうにしていたから」
「まあ、僕くらいになれば忙しさの中にやり甲斐を見つけているって言うか……。つまりは順調ってこと!」
若干歯切れが悪そうに答えた。
「へぇ〜、やっぱり物間君は凄いね!」
「なんて言ったってA組の中でもトップだからね!このくらい造作もないよ」
「昔から器用で何でも卒なくこなして強かったもんね!あーあ、やっぱり体育祭見たかったな」
「あはは……」
苦笑いをする物間君。
いつもなら、こんなふうに褒めるとあっさり調子に乗るのに。
今日は、どこか歯切れが悪い。
その不自然さに、少しだけ胸の奥がざわついたけれど、それ以上は追及しないことにした。
きっと勉強が忙しいんだよね。
なにせ、あの雄英高校だから。
ようやく会えたのは入学式から1ヶ月後だった。
物間君の家にお邪魔すると、出迎えてくれた彼はどことなく疲れた様子だった。
「お邪魔します」
「適当に寛いでいて」
そう言って物間君は部屋を出ていった。
待っている間、部屋を見渡すと勉強机の上に開きっぱなしにされた教材が目に入った。
それを手に取りパラパラと捲る。
教科書には赤色のマーカーでたくさん印がつけてあった。
大事な箇所なんだろうけど、何が書いてあるのか、どういう意味なのか難しくて分からない。
受験勉強を一緒にしているときから思っていたけれど、やっぱり雄英高校ってレベルが高いんだ。
更にページを捲っていると、教材の間から1枚のプリントが落ちた。
「?」
それを拾い上げようとしたところで部屋の扉が開いた。
飲み物を持っていた物間君が戻ってきたんだ。
「●●ちゃん何見て……あ、待って!それ拾わなくていいから!」
物間君は飲み物を机に置くと、慌ててプリントを拾い上げた。
そして、白い裏面が外側に来るように折りたたむと、ポケットにしまい込んだ。
「中身見た?」
「え?見てないけど」
「それならいい」
隠されると気になるのが人の性。
「何のプリントだったの?」
「あー……ほら、アレだよアレ」
「アレ?」
「うん……えっと……あ、そう、体育祭!」
「体育祭?」
「体育祭のお知らせのプリント。来週にあるからね」
怪しい。
あまりにも目が泳いでいるから。
それに、赤色でマルバツが付いていた気もする。
でも、毎年このくらいの時期になると雄英高校で体育祭が開催されることを知っている。
だって、テレビ局が来たり、生徒や保護者以外に有名なヒーロー事務所の人たちも見に行くから。
取り敢えずプリントの中身の真偽は置いといて、
「私も体育祭行こうかな」
「えっ……」
チラリと物間君を見ると、嫌そうな顔をしていた。
何の気なしに言っただけなのに、そんなに来てほしくないの?
「駄目なの?」
「駄目って言うか……ほら、体育祭って煩いだろ?●●ちゃんの個性だと大変かなーって」
最もらしい理由を並べる物間君。
確かに昔の私なら煩い場所を避けていた。
だけど、今の私は個性のコントロールくらいできる。
そのため、個性を発動させなければ普通の人と同じくらいの聴力しかない。
そのことを説明してもいいけど、きっとまた何かしらの理由を言って越させないようにするに違いない。
ひとまずここは聞き分けの良い子のフリでもするか。
「……分かった。体育祭は諦める」
「うん!それがいい!」
あからさまに嬉しそうにしちゃって。
「そうだ、●●ちゃんの高校生活のことを教えてよ」
物間君は唐突に話題を変えてきた。
「高校生活って言っても、普通の学校だから、特に話すことはないよ。それより物間君は?最近忙しそうにしていたから」
「まあ、僕くらいになれば忙しさの中にやり甲斐を見つけているって言うか……。つまりは順調ってこと!」
若干歯切れが悪そうに答えた。
「へぇ〜、やっぱり物間君は凄いね!」
「なんて言ったってA組の中でもトップだからね!このくらい造作もないよ」
「昔から器用で何でも卒なくこなして強かったもんね!あーあ、やっぱり体育祭見たかったな」
「あはは……」
苦笑いをする物間君。
いつもなら、こんなふうに褒めるとあっさり調子に乗るのに。
今日は、どこか歯切れが悪い。
その不自然さに、少しだけ胸の奥がざわついたけれど、それ以上は追及しないことにした。
