意地っ張りちゃんと見栄っ張り君
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あの日から10年。
私は個性のコントロールもできるようになった。
盗み聞きしているだなんて噂も出なくなり、学校で孤立することもない。
だけど、一番の友達はやっぱり物間君。
そんな彼とは一度も同じ学校にならないままお互い中学3年生になった。
ただ、学校は違えど、たまに会っては遊び、付かず離れずの関係を続けている。
そして今年は受験生ということもあって、一緒に受験勉強もした。
ーーーー
私の部屋で物間君と2人で勉強中。
「あー!受験勉強嫌だー!」
「まだ始めてそんなに時間経っていないだろ」
机に突っ伏して、すっかり集中力の切れた私を横目に、物間君は黙々とテキストの問題を解いていく。
その問題をチラリと覗き見したけれど、難し過ぎてサッパリ分からなかった。
「物間君はどこ受けるんだっけ?」
「雄英のヒーロー科」
ヒーロー科を目指していない私でも知っている学校。
偏差値が高い上、実技試験もある。
その学校に物間君が受ける……。
「物間君がヒーロー……。なんかぴったりだね!頭も良いし、色んな個性を使いこなせるくらい器用だし、絶対向いてると思う!」
私がそう言うと、物間君は一瞬だけ驚いて、すぐにおどけたように笑った。
「まあね。見ててよ、俺、ヒーローみたいに格好良くなるから」
「物間君はいつだって格好良いよ」
「ははは……」
物間君はあっけらかんと笑ってみせるけど、その笑顔の奥にどこか疲れた影が見えた気がした。
勉強が大変だからかな?
それならば……。
「もし受かったら教えてね。お祝いしたいから」
糧になるかは分からないけれど、頑張れるきっかけの一つになればいい。
そんな思いから安易に言った。
すると物間君は、
「ああ。それなら、尚更格好良いところを見せないとね」
冗談みたいに肩をすくめ、軽口でその場を和ませる。
だけど、私が目を離した一瞬、物間君のまつ毛がふっと伏せられ、微かに眉が動いた。
私の心からの励ましが、もしかして重荷になっているのかもしれない。
ふとそんな考えがよぎったけれど、彼はすぐに普段通りの声に戻った。
「ほら、応援の前に●●ちゃんも勉強頑張らないと、だろ?」
「あ……うん……」
だからこそ私は、気付かないフリをして頑張る彼の背中を、そっと見守ることしかできなかった。
私は個性のコントロールもできるようになった。
盗み聞きしているだなんて噂も出なくなり、学校で孤立することもない。
だけど、一番の友達はやっぱり物間君。
そんな彼とは一度も同じ学校にならないままお互い中学3年生になった。
ただ、学校は違えど、たまに会っては遊び、付かず離れずの関係を続けている。
そして今年は受験生ということもあって、一緒に受験勉強もした。
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私の部屋で物間君と2人で勉強中。
「あー!受験勉強嫌だー!」
「まだ始めてそんなに時間経っていないだろ」
机に突っ伏して、すっかり集中力の切れた私を横目に、物間君は黙々とテキストの問題を解いていく。
その問題をチラリと覗き見したけれど、難し過ぎてサッパリ分からなかった。
「物間君はどこ受けるんだっけ?」
「雄英のヒーロー科」
ヒーロー科を目指していない私でも知っている学校。
偏差値が高い上、実技試験もある。
その学校に物間君が受ける……。
「物間君がヒーロー……。なんかぴったりだね!頭も良いし、色んな個性を使いこなせるくらい器用だし、絶対向いてると思う!」
私がそう言うと、物間君は一瞬だけ驚いて、すぐにおどけたように笑った。
「まあね。見ててよ、俺、ヒーローみたいに格好良くなるから」
「物間君はいつだって格好良いよ」
「ははは……」
物間君はあっけらかんと笑ってみせるけど、その笑顔の奥にどこか疲れた影が見えた気がした。
勉強が大変だからかな?
それならば……。
「もし受かったら教えてね。お祝いしたいから」
糧になるかは分からないけれど、頑張れるきっかけの一つになればいい。
そんな思いから安易に言った。
すると物間君は、
「ああ。それなら、尚更格好良いところを見せないとね」
冗談みたいに肩をすくめ、軽口でその場を和ませる。
だけど、私が目を離した一瞬、物間君のまつ毛がふっと伏せられ、微かに眉が動いた。
私の心からの励ましが、もしかして重荷になっているのかもしれない。
ふとそんな考えがよぎったけれど、彼はすぐに普段通りの声に戻った。
「ほら、応援の前に●●ちゃんも勉強頑張らないと、だろ?」
「あ……うん……」
だからこそ私は、気付かないフリをして頑張る彼の背中を、そっと見守ることしかできなかった。
