意地っ張りちゃんと見栄っ張り君
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翌朝。
予定通りお母さんに連れられて託児施設へと向かった。
「じゃあ、●●ちゃん。良い子にしているのよ。夕方頃には迎えに来れるから」
「はーい!」
お母さんと別れ、早速遊び場へと向かう。
この託児施設には遊び道具が豊富にある。
室内だけでも積み木、絵本、お絵かきスペース、おままごとセットなどなど。
だけど、私はそれらには目もくれず、とある子を探した。
……あれ、いない。
今日は来ていないのかな。
諦めかけたとき、
“なるほど……この個性は……あの子はどうかな……”
この声は……あの子だ!
その声を頼りに探すと一箇所だけ不自然に膨らんだカーテンを見つけた。
それを捲ると、
「あ、物間君いた!」
探していた物間寧人君はカーテンの裏に隠れるように座っていた。
「何してるの?」
「シーッ!」
物間君は指を口に当てて静かにするように促すと、私の手を引っ張りカーテンの裏へと連れ込んだ。
「秘密基地で実験してた」
「秘密基地?実験?」
「そう、ここなら誰にも見つからないから」
「私は見つけちゃったよ」
個性を使ったけれど。
「●●ちゃんは特別」
「!」
何故だかその“特別”と言う言葉に心が躍った。
そっか、私は物間君にとって特別なんだ……。
嬉しいな。
「ところで実験って何してたの?」
確か、個性で聞こえてきちゃった独り言では……。
「個性の実験。僕、色んな人の個性を真似することができるんだ」
「えー!凄い!」
「だから声が大きいって」
「ごめん……」
慌てて手で口を塞ぐ。
呆れながらも物間君は話を続けた。
「大っぴらに個性使えないから、ここで出してたんだよ」
先ほどの独り言に納得した。
「●●ちゃんはもう個性出てる?」
「出てるけど……あまり良いものじゃないよ?」
聞きたくないものは聞こえるし。
嫌な思いだってたくさんしてきた。
それなのに、
「良いものじゃなくてもいいから、真似させてよ!」
そんなキラキラした目で見られては断れない。
「分かった……。どうすれば良い?」
「少しだけ手を貸して」
言われた通り手を差し出すと、物間君の温かい手が私の手を包んだ。
お母さんやお父さんとは違う手。
私よりも少し大きくて、柔らかくて、綺麗に切り揃えられた爪。
初めて家族以外の男の子と触れ合ったかも。
その事実に気付いたら、急に恥ずかしくなってきた。
「……」
「……」
手、まだ離さないのかな。
もう個性発動しているのかな。
何が聞こえているのかな。
すると、物間君は意外なことを口にした。
「●●ちゃんの心臓の音が凄く聞こえる……」
「!?」
違う意味で聞かせたくない音を聞かせてしまった。
「もういいでしょ!」
それが恥ずかしくて、私は無理やり手を離した。
この日から私にとって物間君は悪口を言わないお友達から、気になる男の子に変わった気がした。
予定通りお母さんに連れられて託児施設へと向かった。
「じゃあ、●●ちゃん。良い子にしているのよ。夕方頃には迎えに来れるから」
「はーい!」
お母さんと別れ、早速遊び場へと向かう。
この託児施設には遊び道具が豊富にある。
室内だけでも積み木、絵本、お絵かきスペース、おままごとセットなどなど。
だけど、私はそれらには目もくれず、とある子を探した。
……あれ、いない。
今日は来ていないのかな。
諦めかけたとき、
“なるほど……この個性は……あの子はどうかな……”
この声は……あの子だ!
その声を頼りに探すと一箇所だけ不自然に膨らんだカーテンを見つけた。
それを捲ると、
「あ、物間君いた!」
探していた物間寧人君はカーテンの裏に隠れるように座っていた。
「何してるの?」
「シーッ!」
物間君は指を口に当てて静かにするように促すと、私の手を引っ張りカーテンの裏へと連れ込んだ。
「秘密基地で実験してた」
「秘密基地?実験?」
「そう、ここなら誰にも見つからないから」
「私は見つけちゃったよ」
個性を使ったけれど。
「●●ちゃんは特別」
「!」
何故だかその“特別”と言う言葉に心が躍った。
そっか、私は物間君にとって特別なんだ……。
嬉しいな。
「ところで実験って何してたの?」
確か、個性で聞こえてきちゃった独り言では……。
「個性の実験。僕、色んな人の個性を真似することができるんだ」
「えー!凄い!」
「だから声が大きいって」
「ごめん……」
慌てて手で口を塞ぐ。
呆れながらも物間君は話を続けた。
「大っぴらに個性使えないから、ここで出してたんだよ」
先ほどの独り言に納得した。
「●●ちゃんはもう個性出てる?」
「出てるけど……あまり良いものじゃないよ?」
聞きたくないものは聞こえるし。
嫌な思いだってたくさんしてきた。
それなのに、
「良いものじゃなくてもいいから、真似させてよ!」
そんなキラキラした目で見られては断れない。
「分かった……。どうすれば良い?」
「少しだけ手を貸して」
言われた通り手を差し出すと、物間君の温かい手が私の手を包んだ。
お母さんやお父さんとは違う手。
私よりも少し大きくて、柔らかくて、綺麗に切り揃えられた爪。
初めて家族以外の男の子と触れ合ったかも。
その事実に気付いたら、急に恥ずかしくなってきた。
「……」
「……」
手、まだ離さないのかな。
もう個性発動しているのかな。
何が聞こえているのかな。
すると、物間君は意外なことを口にした。
「●●ちゃんの心臓の音が凄く聞こえる……」
「!?」
違う意味で聞かせたくない音を聞かせてしまった。
「もういいでしょ!」
それが恥ずかしくて、私は無理やり手を離した。
この日から私にとって物間君は悪口を言わないお友達から、気になる男の子に変わった気がした。
