主役を喰らうヒロイン
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〜主役を喰らうヒロイン〜
「お互いの雄英高校入学を祝して、かんぱーい!」
今朝、幼馴染の物間寧人と共に雄英の合格通知が届いた。
せっかくだから一緒に祝おう、とよく利用している近所の公園のジャングルジムの上で乾杯の音頭を取った。
しかし、ジュースを片手に動かない寧人。
どこか不服そう。
そんな彼をお構いなしに、私は自分の缶を寧人の缶にカシャンとぶつけた。
「かー!炭酸が染み渡る!ほら、寧人も飲んだら?」
「……何故だ」
「?」
「何故僕がB組なんだ!あんなに頑張ったのに!」
ようやく口を開いたかと思えば不満の嵐。
「B組でも入れただけいいんじゃないの?AでもBでもCでも授業内容は変わらないだろうし」
「でも……!」
「大切なのはそこで何を学び、何を身につけるか、だよ」
知らないけど。
ヒーロー科のことはよく分からないけれと、単純な寧人にそれっぽいことを言ってみた。
だけど、今回ばかりは相当納得がいっていないのか、八つ当たりをされた。
「●●には分からないよ。そんな強個性持っているくせに普通科なんて」
「普通科なんてって……」
私の個性は『歪み』。
空間のひび割れを認識して、それを広げることで様々な物を切断させることができる。
使い方によっては寧人の言う通り強個性に分類される。
だけど、私は雄英でもヒーロー科ではなく普通科に合格した。
それは決してヒーロー科に落ちて滑り止めの普通科に受かったわけではない。
最初から普通科希望。
だって、
「私は自分の命をかけてまでして他人を助けたくないから。普通科がいいの!寧人こそ私の気持ちは分からないよ」
「ぐっ……」
「ほらほら、性格はクズだけと顔はイケメンなんだし、いつまでもイジイジしていると、顔までブスになるよ」
「性格だってイケメンだろ!」
「それはない」
まあ、私はそんな寧人が好きなんだけどね。
「なんだってー!」
「あはは!」
なんだかんだ元気が出たようで良かった。
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