結局どんなアナタも好き
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〜結局どんなアナタも好き〜
音駒高校に入学してしばらく経った頃。
それなりに友達もできて、授業もなんとかついて行けて、好きな人だってできた。
そんな何の変哲もない日常の中。
教室で次の授業の準備をしていると、廊下から気になる話声が聞こえてきた。
「夜久はショートカットが好きなのか?」
この声は5組の海君……かな?
そんな彼から出た私の好きな人の名前、同じクラスの夜久衛輔ことやっくん。
「好き!!」
やっくんは海君の質問に元気よく答えた。
顔を見なくても笑顔なのが容易に想像できる。
「黒尾は?」
黒尾君も側にいるのか。
海君も黒尾君もクラスは違うけれど、やっくん繋がりで知った。
「ロング」
やっくんとは対象的に黒尾君は高圧的に答えた。
盗み聞きするつもりはなかったけれど、たまたま知ってしまった好きな人の好みの髪の長さ。
黒尾君の好みはどうでもいいけど。
そっか、やっくんはショートヘアが好きなんだ……。
自分の長い髪の毛先をくるくると指先に絡ませた。
私の顔の輪郭だとショートは似合わない、と美容師さんに言われてから伸ばすようにした髪。
これを機に思いっきって切ってみようかな……。
授業の準備を終えた後、鞄からスケジュール帳を取り出して確認した。
平日は学校と部活で帰りが遅くなるから、行くなら休日になる。
彼氏のいない私にとって休日の予定は半日部活があるのみで、後は真っ白。
側近だと次の土曜日だけど……。
うーん、と悩んでいると、
「●●ちゃん!」
友達のミサちゃんに呼ばれて、急いでスケジュール帳を閉じた。
「なに、ミサちゃん?」
「体育祭のことで女子に聞いて回っていることがあるんだけど……」
結局、美容院は後回しにしてしまって、予約は取らなかった。
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