コートの中と外
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季節が巡り、鮮やかな桜の花びらが舞う中、私は3年生に進級した。
学校の昇降口に貼り出されたクラス分けの紙を見上げ、自分のクラスを探しだす。
5組か……。
次にミチコの名前を見つけて安堵の息を漏した。
「よかった……」
同じクラスだ。
これで、今年1年間も退屈せずに済むだろう。
クラス替えの瞬間の緊張感が一気に解けていく。
軽い足取りで新しい教室に入り、座席表を確認するために室内を見渡した、その時。
彼の姿が目に飛び込んできた。
あの時、ミチコと一度だけ応援に行った試合で、私の記憶に強く刻み込まれたリベロの人。
夜久衛輔君。
教室で改めて見る彼は、あの時の印象と違った。
制服を着て、当たり前の光景の中に立っている彼は、あの熱狂的なコートの上にいた“守りの要”の姿とはあまりにかけ離れていた。
コートから一歩外へ出ると、まるで魔法が解けたようにクラスメイトの男子から低身長をからかわれている。
「夜久ー!同じクラスだな!今年こそ背が伸びるといいな!」
大声でからかうのは、少し図体の大きな男子生徒だ。
その声からは悪意よりも親しみが混ざっているように聞こえたけれど、夜久君はムッとした顔で振り返る。
「うるせェ!あっという間に追い抜かしてやるから、今に見てろよ」
「ハハッ、言ってろ言ってろ!」
笑い飛ばす男子生徒に、夜久君はさらに顔を赤くする。
あんなにも存在感を放ち、輝いていた彼も、教室内では年相応のただの男子生徒。
その様子をぼんやりと眺めていると、ガラリと扉が開き、ミチコが入ってきた。
「あー!●●ー!なに入り口でボサッとしてるの?それより、クラス一緒だね、やったー!……って、ちょっと待って!夜久君も同じクラスじゃん!?」
会って早々、マシンガンの様に話し始めたミチコは、夜久君の姿を見つけると、一気に熱量を上げた。
「ほら、覚えてる?あのリベロ!まさか一緒になるとはね!ラッキーじゃん!」
ミチコの大きな声に、夜久君がチラリとこちらを見たような気がした。
「え、あ、うん。そうだね」
私は慌てて視線を逸らした。
まともに話したことがないのに、彼に対して意識していると思われたくなかったから。
学校の昇降口に貼り出されたクラス分けの紙を見上げ、自分のクラスを探しだす。
5組か……。
次にミチコの名前を見つけて安堵の息を漏した。
「よかった……」
同じクラスだ。
これで、今年1年間も退屈せずに済むだろう。
クラス替えの瞬間の緊張感が一気に解けていく。
軽い足取りで新しい教室に入り、座席表を確認するために室内を見渡した、その時。
彼の姿が目に飛び込んできた。
あの時、ミチコと一度だけ応援に行った試合で、私の記憶に強く刻み込まれたリベロの人。
夜久衛輔君。
教室で改めて見る彼は、あの時の印象と違った。
制服を着て、当たり前の光景の中に立っている彼は、あの熱狂的なコートの上にいた“守りの要”の姿とはあまりにかけ離れていた。
コートから一歩外へ出ると、まるで魔法が解けたようにクラスメイトの男子から低身長をからかわれている。
「夜久ー!同じクラスだな!今年こそ背が伸びるといいな!」
大声でからかうのは、少し図体の大きな男子生徒だ。
その声からは悪意よりも親しみが混ざっているように聞こえたけれど、夜久君はムッとした顔で振り返る。
「うるせェ!あっという間に追い抜かしてやるから、今に見てろよ」
「ハハッ、言ってろ言ってろ!」
笑い飛ばす男子生徒に、夜久君はさらに顔を赤くする。
あんなにも存在感を放ち、輝いていた彼も、教室内では年相応のただの男子生徒。
その様子をぼんやりと眺めていると、ガラリと扉が開き、ミチコが入ってきた。
「あー!●●ー!なに入り口でボサッとしてるの?それより、クラス一緒だね、やったー!……って、ちょっと待って!夜久君も同じクラスじゃん!?」
会って早々、マシンガンの様に話し始めたミチコは、夜久君の姿を見つけると、一気に熱量を上げた。
「ほら、覚えてる?あのリベロ!まさか一緒になるとはね!ラッキーじゃん!」
ミチコの大きな声に、夜久君がチラリとこちらを見たような気がした。
「え、あ、うん。そうだね」
私は慌てて視線を逸らした。
まともに話したことがないのに、彼に対して意識していると思われたくなかったから。
