頑固ちゃんと不真面目君
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ーーおまけ(矢巾side)ーー
昨日は散々な日だった。
マコちゃんにはデートを秒で断られ、あろうことか隣の席の「頑固ちゃん」こと◯◯さんには、2階の窓から「バッカじゃないの!」と罵倒される始末。
それでも、朝練のために早めに登校した俺は、昇降口でたまたまサヤカちゃんを見つけて、いつもの調子で話しかけた。
「サヤカちゃん、おはよう!朝から会えるなんて、運命感じちゃうね」
「あはは。おはよう、秀。私も運命感じる〜!」
サヤカちゃんはやっぱり可愛い。
愛想もいいし、ノリもいい。
隣の席であんなに眉間に皺を寄せている◯◯さんも、彼女みたいに素直に笑えばいいのに。
なんて、一瞬だけ◯◯さんの顔が脳裏をよぎる。
これだけ笑いかけてくれるんだ、サヤカちゃんならイケるはず。
俺は懲りずに、軽いトーンで誘いをかけた。
「運命ついでに、今度デートしない?相性が良ければ、付き合うのも俺的には大歓迎だよ!」
「え〜?秀と喋るのは楽しいけどさ、付き合うかどうかは別だよ」
「……そ、そんなぁ〜」
昨日に引き続き、連敗記録更新。
おかしい。
俺の何がダメなんだ?
顔か?
それともトークか?
ショックを受ける俺に、サヤカちゃんはどこか見透かしたような、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「てか、私気が付いちゃったんだけどさ。秀って、本当は隣の席の子のことが好きなんじゃない?」
「……は?」
心臓が変な跳ね方をした。
俺が、あの◯◯さんを?
頑固で、可愛げがなくて、俺のことを不真面目だと断定してくる、あの素直じゃない彼女を?
「だって、私と話してる時も、秀ってばチラチラ隣の子のこと見てるもん。……無自覚?」
「っ、いや、そんな……」
言葉が詰まる。
気付かなかった。
そんなに目で追っていたなんて。
確かに、隣から流れてくるペン先の音や、時折こぼれる小さな溜息が、やけに鮮明に聞こえていた気はするけれど。
「ま、そういうことだから。とにかく秀の好意には応えられないし、勘違いさせても悪いから、もう教室に遊びに行くのもやめるね」
「あ、おい……っ!」
サヤカちゃんは呆気ないほど潔く、ひらひらと手を振って去っていった。
1人残された昇降口。
頭の中は、さっきまで目の前にいたサヤカちゃんの笑顔ではなく、なぜか、◯◯さんの顔でいっぱいになっていた。
「……俺が?まさか……」
試しに、今日はちゃんと挨拶でもしてみようか。
この時の俺は、思ってもみなかった。
「多少無理をしてでも好かれたい」と思っていたはずの俺が、「無理して好かれようとは思わない」と言っていた彼女に惹かれるなんて。
昨日は散々な日だった。
マコちゃんにはデートを秒で断られ、あろうことか隣の席の「頑固ちゃん」こと◯◯さんには、2階の窓から「バッカじゃないの!」と罵倒される始末。
それでも、朝練のために早めに登校した俺は、昇降口でたまたまサヤカちゃんを見つけて、いつもの調子で話しかけた。
「サヤカちゃん、おはよう!朝から会えるなんて、運命感じちゃうね」
「あはは。おはよう、秀。私も運命感じる〜!」
サヤカちゃんはやっぱり可愛い。
愛想もいいし、ノリもいい。
隣の席であんなに眉間に皺を寄せている◯◯さんも、彼女みたいに素直に笑えばいいのに。
なんて、一瞬だけ◯◯さんの顔が脳裏をよぎる。
これだけ笑いかけてくれるんだ、サヤカちゃんならイケるはず。
俺は懲りずに、軽いトーンで誘いをかけた。
「運命ついでに、今度デートしない?相性が良ければ、付き合うのも俺的には大歓迎だよ!」
「え〜?秀と喋るのは楽しいけどさ、付き合うかどうかは別だよ」
「……そ、そんなぁ〜」
昨日に引き続き、連敗記録更新。
おかしい。
俺の何がダメなんだ?
顔か?
それともトークか?
ショックを受ける俺に、サヤカちゃんはどこか見透かしたような、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「てか、私気が付いちゃったんだけどさ。秀って、本当は隣の席の子のことが好きなんじゃない?」
「……は?」
心臓が変な跳ね方をした。
俺が、あの◯◯さんを?
頑固で、可愛げがなくて、俺のことを不真面目だと断定してくる、あの素直じゃない彼女を?
「だって、私と話してる時も、秀ってばチラチラ隣の子のこと見てるもん。……無自覚?」
「っ、いや、そんな……」
言葉が詰まる。
気付かなかった。
そんなに目で追っていたなんて。
確かに、隣から流れてくるペン先の音や、時折こぼれる小さな溜息が、やけに鮮明に聞こえていた気はするけれど。
「ま、そういうことだから。とにかく秀の好意には応えられないし、勘違いさせても悪いから、もう教室に遊びに行くのもやめるね」
「あ、おい……っ!」
サヤカちゃんは呆気ないほど潔く、ひらひらと手を振って去っていった。
1人残された昇降口。
頭の中は、さっきまで目の前にいたサヤカちゃんの笑顔ではなく、なぜか、◯◯さんの顔でいっぱいになっていた。
「……俺が?まさか……」
試しに、今日はちゃんと挨拶でもしてみようか。
この時の俺は、思ってもみなかった。
「多少無理をしてでも好かれたい」と思っていたはずの俺が、「無理して好かれようとは思わない」と言っていた彼女に惹かれるなんて。
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