告白する相手を間違えました
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ーーおまけ(矢巾side)ーー
今日の朝練はロードワークだった。
クタクタになりながらも昇降口に向かうと、下駄箱に手紙が入っていることに気が付いた。
一度も貰うことのない人生だと思っていたのに、まさか俺にも春がやって来るとは。
しかし、いざ手紙を開けてみると、
「矢野コウスケ君へ……」
俺の一つ上の下駄箱のやつの名前が。
こんな間抜けなことをするやつは誰だよ。
手紙の一番下に書いてあった差出人の名前を見ると、そこには俺の片思い相手の名前が書いてあった。
◯◯●●……。
ははは、酷なことをするぜ。
こんな方法で好きな子の好きなやつの名前を知ることになるとは。
思わず手紙をぐちゃっと握ってしまった。
「はー疲れた」
「一限なんだっけ」
俺が下駄箱の前で佇んでいると、サッカー部のやつらが次々に昇降口へ入って来た。
その中の一人が俺に挨拶をしてきた。
「矢巾おはよ」
「おう。おはよう矢野」
そう、俺の一つ上の下駄箱を使っている野郎。
●●ちゃんの好きな相手。
俺は咄嗟に手紙を後ろに隠した。
「ん?なんだそれ?」
「な、何でもない!」
そう言い捨てると、急いで教室へと向かった。
この手紙は絶対にコイツに知られたくない。
ーーーー
放課後になり、生徒たちが教室を出ていく中、机の下でシワシワになった例の手紙をこっそりと読み返した。
そろそろ彼女が待ち合わせ場所に向かっているはず。
今さら矢野に伝えるつもりはない。
かと言って無視をすれば●●ちゃんはいつまでも待つことになる。
俺宛ではないと分かっていて、自分が行ってもいいものなのか。
いや、●●ちゃんは手紙を入れる下駄箱を間違えるほどのうっかりさん。
つまり、宛名を書き忘れたと思わせても不思議ではない。
自分宛てではないと気が付かなかったフリをして、待ち合わせ場所に行こう。
あわよくば……。
そうだ、そうしよう。
俺は荷物を持って体育館裏へと向かった。
今日の朝練はロードワークだった。
クタクタになりながらも昇降口に向かうと、下駄箱に手紙が入っていることに気が付いた。
一度も貰うことのない人生だと思っていたのに、まさか俺にも春がやって来るとは。
しかし、いざ手紙を開けてみると、
「矢野コウスケ君へ……」
俺の一つ上の下駄箱のやつの名前が。
こんな間抜けなことをするやつは誰だよ。
手紙の一番下に書いてあった差出人の名前を見ると、そこには俺の片思い相手の名前が書いてあった。
◯◯●●……。
ははは、酷なことをするぜ。
こんな方法で好きな子の好きなやつの名前を知ることになるとは。
思わず手紙をぐちゃっと握ってしまった。
「はー疲れた」
「一限なんだっけ」
俺が下駄箱の前で佇んでいると、サッカー部のやつらが次々に昇降口へ入って来た。
その中の一人が俺に挨拶をしてきた。
「矢巾おはよ」
「おう。おはよう矢野」
そう、俺の一つ上の下駄箱を使っている野郎。
●●ちゃんの好きな相手。
俺は咄嗟に手紙を後ろに隠した。
「ん?なんだそれ?」
「な、何でもない!」
そう言い捨てると、急いで教室へと向かった。
この手紙は絶対にコイツに知られたくない。
ーーーー
放課後になり、生徒たちが教室を出ていく中、机の下でシワシワになった例の手紙をこっそりと読み返した。
そろそろ彼女が待ち合わせ場所に向かっているはず。
今さら矢野に伝えるつもりはない。
かと言って無視をすれば●●ちゃんはいつまでも待つことになる。
俺宛ではないと分かっていて、自分が行ってもいいものなのか。
いや、●●ちゃんは手紙を入れる下駄箱を間違えるほどのうっかりさん。
つまり、宛名を書き忘れたと思わせても不思議ではない。
自分宛てではないと気が付かなかったフリをして、待ち合わせ場所に行こう。
あわよくば……。
そうだ、そうしよう。
俺は荷物を持って体育館裏へと向かった。
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