キミは何も悪くない
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地獄が始まるのはここからだ。
夜通し泣き続けた瞼は、朝になっても重く腫れあがっていた。
そんな姿のまま、私は登校した。
教室の扉を開け、一歩足を踏み入れた私はいつものクセで、無意識に賢二郎を探してしまった。
彼は自分の席で男友達と楽しそうにお喋りをしていた。
そこに彼がいるのに、私にその笑顔を向けてくれる彼はもういない。
私がそっと目を向けても、彼は視線を合わせることさえしない。
あからさまに私を避けている。
せめてクラスが違えば、こんなに苦しい思いをしなくても済んだのに。
なんで同じクラスなのよ。
これじゃあ、忘れたくても忘れられないじゃない。
私は、息をひそめるように自分の席に座り、必死に賢二郎のいる方へ視線を向けないようにした。
そんな私たちの変化にいち早く気が付いたのは、賢二郎と同じバレー部の川西君だった。
川西君とはクラスが違うけれど、賢二郎と付き合い始めてから、よく話すようになった。
この日も私のクラスに用事があったのか、遊びに来ていたようだ。
「おっはよー、●●ちゃん。暗いぞー!」
その能天気な声に、私は無理やり口角を上げた。
「あはは……。川西君、おはよう……」
「ひょっとして、賢二郎と別れたー?なんてね」
軽口のつもりで放たれたはずのその言葉に、私は返事を返すことができなかった。
一瞬の沈黙が、私の心をそのまま代弁する。
「……」
「え、マジ?」
私は返事の代わりに小さく頷いた。
「そっか……」
川西君は、いつもヘラヘラしている顔を曇らせた。
彼の表情から、私と賢二郎の間で起きたことが、どれほど唐突で不可解なことなのかを物語っている。
「ごめん、変なこと聞いて。で、なんで別れたんだ?」
川西君は賢二郎に聞こえないように、少し声を潜めた。
謝るクセに、グイグイと核心に迫ってくる。
「理由、教えてもらえなかったの」
私が絞り出すような声で言うと、彼の目が見開かれた。
「は?なんだそれ。俺が代わりに聞いてきてやるよ」
川西君はそう言って、賢二郎の席の方へ向かおうとした。
私は、反射的に彼のブレザーの裾を掴み、力を込めて引き止めた。
「待って、川西君!やめて!」
「でも」
「お願い。何も聞かないでほしいの。これ以上賢二郎に嫌われたくない……」
本当は、賢二郎に理由を問いただしてほしかった。
今すぐにでも、彼の口から真実を聞き出したかった。
でも、彼が迷惑な顔をするのが怖かった。
そんな姿を想像しただけで、また心が引き裂かれそうになる。
川西君は、納得いかないというように唇を噛みしめていたけれど、最終的には私の気持ちを尊重してくれた。
「……分かった。でも、ツラくなったら頼れよ」
「ありがとう、川西君……」
その言葉が、沈んでいた私の心を少しだけすくい上げてくれた。
夜通し泣き続けた瞼は、朝になっても重く腫れあがっていた。
そんな姿のまま、私は登校した。
教室の扉を開け、一歩足を踏み入れた私はいつものクセで、無意識に賢二郎を探してしまった。
彼は自分の席で男友達と楽しそうにお喋りをしていた。
そこに彼がいるのに、私にその笑顔を向けてくれる彼はもういない。
私がそっと目を向けても、彼は視線を合わせることさえしない。
あからさまに私を避けている。
せめてクラスが違えば、こんなに苦しい思いをしなくても済んだのに。
なんで同じクラスなのよ。
これじゃあ、忘れたくても忘れられないじゃない。
私は、息をひそめるように自分の席に座り、必死に賢二郎のいる方へ視線を向けないようにした。
そんな私たちの変化にいち早く気が付いたのは、賢二郎と同じバレー部の川西君だった。
川西君とはクラスが違うけれど、賢二郎と付き合い始めてから、よく話すようになった。
この日も私のクラスに用事があったのか、遊びに来ていたようだ。
「おっはよー、●●ちゃん。暗いぞー!」
その能天気な声に、私は無理やり口角を上げた。
「あはは……。川西君、おはよう……」
「ひょっとして、賢二郎と別れたー?なんてね」
軽口のつもりで放たれたはずのその言葉に、私は返事を返すことができなかった。
一瞬の沈黙が、私の心をそのまま代弁する。
「……」
「え、マジ?」
私は返事の代わりに小さく頷いた。
「そっか……」
川西君は、いつもヘラヘラしている顔を曇らせた。
彼の表情から、私と賢二郎の間で起きたことが、どれほど唐突で不可解なことなのかを物語っている。
「ごめん、変なこと聞いて。で、なんで別れたんだ?」
川西君は賢二郎に聞こえないように、少し声を潜めた。
謝るクセに、グイグイと核心に迫ってくる。
「理由、教えてもらえなかったの」
私が絞り出すような声で言うと、彼の目が見開かれた。
「は?なんだそれ。俺が代わりに聞いてきてやるよ」
川西君はそう言って、賢二郎の席の方へ向かおうとした。
私は、反射的に彼のブレザーの裾を掴み、力を込めて引き止めた。
「待って、川西君!やめて!」
「でも」
「お願い。何も聞かないでほしいの。これ以上賢二郎に嫌われたくない……」
本当は、賢二郎に理由を問いただしてほしかった。
今すぐにでも、彼の口から真実を聞き出したかった。
でも、彼が迷惑な顔をするのが怖かった。
そんな姿を想像しただけで、また心が引き裂かれそうになる。
川西君は、納得いかないというように唇を噛みしめていたけれど、最終的には私の気持ちを尊重してくれた。
「……分かった。でも、ツラくなったら頼れよ」
「ありがとう、川西君……」
その言葉が、沈んでいた私の心を少しだけすくい上げてくれた。
