変わるモノ、変わらないモノ
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雄英体育祭当日。
朝から雲ひとつない爽やかな青空が広がっていた。
会場には既にたくさんの人で賑わっている。
中にはテレビや新聞で見たことのあるヒーローまで。
確か、現役プロヒーローがスカウト目的で来ているんだっけ。
私なんてただの観客の1人なのに、なぜか緊張してきた。
痛む心臓を押さえながら、観覧席に座った。
やがて競技が始まる。
障害物走、騎馬戦、どの競技でも鋭児郎は全力だった。
グラウンドにいる誰よりも目立つ髪形の彼。
その表情が眩しくて、目の奥が熱くなる。
「頑張れ!」
声が届いているか分からない。
でも、少しでも力になりたくて、声援を送った。
そして、前半戦を勝ち抜き、鋭児郎は見事後半戦のトーナメントへの進出が決まった。
だけど、その前にお昼休憩。
鋭児郎に連絡を入れると、選手控え室まで来て欲しい、とのこと。
人だかりを掻き分け、ようやくたどり着いた“1-A控室”と書かれた扉をノックする。
ガチャリと開いた中からは、先ほどまで応援していた鋭児郎が。
「来てくれてありがとうな!迷わず来れたか?」
「う、うん。なんとか。それより、鋭児郎、凄く格好良かったよ」
「●●……。応援サンキュー!」
汗で額がきらきらしていて、得意げな顔がたまらなく眩しい。
そう言った瞬間、ピンク色の髪の女子生徒が後ろから元気よく現れた。
「あー!やっぱり●●ちゃんだ!久しぶり~!」
「芦戸さん……」
芦戸さんは私とも中学が同じで、鋭児郎とも昔から仲が良かった子。
その明るさと可愛らしさは、中学時代もずっと変わっていなかった。
そうか、彼女も雄英のヒーロー科だったんだ。
「久しぶりだね」
「てか、切島とまだ付き合ってたんだね!意外〜!」
「意外……かな?」
そんなふうに思われていたなんて……。
返答に困っていると、芦戸さん以外の生徒も集まってきた。
「なになに、切島の彼女?あ、俺、上鳴電気な」
「お前、彼女いたのかよー!そういうことは言えよ、水臭いー!」
「なあなあ、中学の時の切島ってどんなだった?」
金髪の人や両肘がセロハンテープのロールになっている人、頭に紫色の玉が付いた小柄な人。
「え、あ……ぁ……っ」
キラキラ光る視線や明るい声に、私は思わずたじろいでしまう。
早く答えないと。
仲良くしないと。
上手くやらないと。
そう考えるだけで、手のひらがじっと汗ばむ。
助けを求めるようにチラリと鋭児郎を見ると、ようやく察してくれたのか、私と生徒たちの間に割って入った。
「こらこら、あんまし困らせることすんなよな!お前らには後で紹介するから!」
こうして私たちは鋭児郎のクラスメイトから逃げ出すことができ、お昼を共にした。
その後、落ち着いた状態で改めて自己紹介をしてくれた。
「俺、さっきも言ったけど上鳴電気!よろしくな!」
「俺は瀬呂範太」
「峰田だぜぇ!」
みんなヒーローを目指しているだけあってキラキラしたオーラにあふれていて、私には眩しすぎるくらいだった。
この面々の中に入れば、そりゃあ鋭児郎だって変わる。
こんな私とは、全然違う。
……違う人種、志、自信、全てにおいて。
その場では無理して笑ってみせたけれど、この輪の中で私だけが浮いている気がした。
朝から雲ひとつない爽やかな青空が広がっていた。
会場には既にたくさんの人で賑わっている。
中にはテレビや新聞で見たことのあるヒーローまで。
確か、現役プロヒーローがスカウト目的で来ているんだっけ。
私なんてただの観客の1人なのに、なぜか緊張してきた。
痛む心臓を押さえながら、観覧席に座った。
やがて競技が始まる。
障害物走、騎馬戦、どの競技でも鋭児郎は全力だった。
グラウンドにいる誰よりも目立つ髪形の彼。
その表情が眩しくて、目の奥が熱くなる。
「頑張れ!」
声が届いているか分からない。
でも、少しでも力になりたくて、声援を送った。
そして、前半戦を勝ち抜き、鋭児郎は見事後半戦のトーナメントへの進出が決まった。
だけど、その前にお昼休憩。
鋭児郎に連絡を入れると、選手控え室まで来て欲しい、とのこと。
人だかりを掻き分け、ようやくたどり着いた“1-A控室”と書かれた扉をノックする。
ガチャリと開いた中からは、先ほどまで応援していた鋭児郎が。
「来てくれてありがとうな!迷わず来れたか?」
「う、うん。なんとか。それより、鋭児郎、凄く格好良かったよ」
「●●……。応援サンキュー!」
汗で額がきらきらしていて、得意げな顔がたまらなく眩しい。
そう言った瞬間、ピンク色の髪の女子生徒が後ろから元気よく現れた。
「あー!やっぱり●●ちゃんだ!久しぶり~!」
「芦戸さん……」
芦戸さんは私とも中学が同じで、鋭児郎とも昔から仲が良かった子。
その明るさと可愛らしさは、中学時代もずっと変わっていなかった。
そうか、彼女も雄英のヒーロー科だったんだ。
「久しぶりだね」
「てか、切島とまだ付き合ってたんだね!意外〜!」
「意外……かな?」
そんなふうに思われていたなんて……。
返答に困っていると、芦戸さん以外の生徒も集まってきた。
「なになに、切島の彼女?あ、俺、上鳴電気な」
「お前、彼女いたのかよー!そういうことは言えよ、水臭いー!」
「なあなあ、中学の時の切島ってどんなだった?」
金髪の人や両肘がセロハンテープのロールになっている人、頭に紫色の玉が付いた小柄な人。
「え、あ……ぁ……っ」
キラキラ光る視線や明るい声に、私は思わずたじろいでしまう。
早く答えないと。
仲良くしないと。
上手くやらないと。
そう考えるだけで、手のひらがじっと汗ばむ。
助けを求めるようにチラリと鋭児郎を見ると、ようやく察してくれたのか、私と生徒たちの間に割って入った。
「こらこら、あんまし困らせることすんなよな!お前らには後で紹介するから!」
こうして私たちは鋭児郎のクラスメイトから逃げ出すことができ、お昼を共にした。
その後、落ち着いた状態で改めて自己紹介をしてくれた。
「俺、さっきも言ったけど上鳴電気!よろしくな!」
「俺は瀬呂範太」
「峰田だぜぇ!」
みんなヒーローを目指しているだけあってキラキラしたオーラにあふれていて、私には眩しすぎるくらいだった。
この面々の中に入れば、そりゃあ鋭児郎だって変わる。
こんな私とは、全然違う。
……違う人種、志、自信、全てにおいて。
その場では無理して笑ってみせたけれど、この輪の中で私だけが浮いている気がした。
