熟年夫婦初心者
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ーーおまけ②ーー
一静と思いを改めて伝えた日から一週間。
バレー部のオフの日。
「●●、帰るぞ」
教室の入り口で、一静が当たり前のように私の名前を呼んだ。
あの日、「下の名前で呼びたい」と震えながら伝えたら、彼はあっさり「いいよ」と、笑って承諾してくれたのだ。
「うん、待って一静。今すぐまとめるから!」
まだ自分の口から出る彼の名前に慣れず、くすぐったい。
「ねえ、まっつん!今からマッキーとカラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
私が慌てて鞄のジッパーを閉めていると、及川が一静の肩に腕を回して割り込んできた。
何度も見てきた、いつもの光景。
一静はバレーも友達も大切にする人だから、きっと「おう、行くわ」と答えるのだろう。
そう思って、私は物分かりの良い彼女の顔を準備した。
だけど、
「悪い、今日は●●と帰るから」
「……ええーっ!?」
及川の叫び声が教室に響き渡る。
驚いたのは及川だけじゃない。
私も、手に持っていた筆箱を落としそうになるほど目を見開いてしまった。
一静が友達の誘いを断って、私を優先するなんて……。
「もう、しょうがないなぁ。まっつん、今回だけだよ?」
及川がいつもの調子でウインクを飛ばすと、一静はしれっと、でも確かな声で告げた。
「なんで今回だけなんだよ。今後も●●を優先することが多くなるから」
最後の一言を、私の方を見つめて優しく付け加える。
私を優先する。
これからも、ずっと。
その言葉が、私の乾いた心を潤す。
「……まっつん、変わったね。本当に」
及川が心底驚いたように呟く。
私も大きく頷いた。
本当に、あの日からの一静は驚くほど優しくなった。
「支度、できたか?」
「あ、うん。お待たせ!」
「じゃあ、帰るか」
悔しそうに地団駄を踏む及川に手を振り、私は一静の隣に並んだ。
校門を出る頃、どちらからともなく手が触れ合い、自然と指が絡み合う。
もう、絶妙な間隔を開けて歩いていた私たちはいない。
「……一静」
「ん?」
「……ううん、なんでもない。嬉しいなって思っただけ」
繋いだ手に力を込めると、一静は、
「……俺も」
と短く応えてくれた。
一静と思いを改めて伝えた日から一週間。
バレー部のオフの日。
「●●、帰るぞ」
教室の入り口で、一静が当たり前のように私の名前を呼んだ。
あの日、「下の名前で呼びたい」と震えながら伝えたら、彼はあっさり「いいよ」と、笑って承諾してくれたのだ。
「うん、待って一静。今すぐまとめるから!」
まだ自分の口から出る彼の名前に慣れず、くすぐったい。
「ねえ、まっつん!今からマッキーとカラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
私が慌てて鞄のジッパーを閉めていると、及川が一静の肩に腕を回して割り込んできた。
何度も見てきた、いつもの光景。
一静はバレーも友達も大切にする人だから、きっと「おう、行くわ」と答えるのだろう。
そう思って、私は物分かりの良い彼女の顔を準備した。
だけど、
「悪い、今日は●●と帰るから」
「……ええーっ!?」
及川の叫び声が教室に響き渡る。
驚いたのは及川だけじゃない。
私も、手に持っていた筆箱を落としそうになるほど目を見開いてしまった。
一静が友達の誘いを断って、私を優先するなんて……。
「もう、しょうがないなぁ。まっつん、今回だけだよ?」
及川がいつもの調子でウインクを飛ばすと、一静はしれっと、でも確かな声で告げた。
「なんで今回だけなんだよ。今後も●●を優先することが多くなるから」
最後の一言を、私の方を見つめて優しく付け加える。
私を優先する。
これからも、ずっと。
その言葉が、私の乾いた心を潤す。
「……まっつん、変わったね。本当に」
及川が心底驚いたように呟く。
私も大きく頷いた。
本当に、あの日からの一静は驚くほど優しくなった。
「支度、できたか?」
「あ、うん。お待たせ!」
「じゃあ、帰るか」
悔しそうに地団駄を踏む及川に手を振り、私は一静の隣に並んだ。
校門を出る頃、どちらからともなく手が触れ合い、自然と指が絡み合う。
もう、絶妙な間隔を開けて歩いていた私たちはいない。
「……一静」
「ん?」
「……ううん、なんでもない。嬉しいなって思っただけ」
繋いだ手に力を込めると、一静は、
「……俺も」
と短く応えてくれた。
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