巡り合わせ
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今このまま車を降りたら次はいつになるのか分からない。
もしかしたら次なんてないのかもしれない。
私は勇気を振り絞った。
「ねえ、松川……。私、松川に話したいこといっぱいあるよ」
泣きそうな声を押し殺しながらも、気持ちを伝えると、
「……俺もだよ」
松川も静かに答えた。
やっぱり深夜ラーメンが目的じゃなかったんだ。
それならなんで?
どうして何も言ってくれなかったの?
私はシートベルトを外して松川の方を向いた。
「ねえ、なんで連絡くれなかったの?私のことを嫌いになった?」
「違う!」
大きな声とともにこちらに顔を向けたかと思えば、すぐに逸らされた。
「ごめん、ずっと連絡しなくて」
「うん」
「俺の方が◯◯に嫌われたんじゃないかと思って連絡できなかったんだ」
「そんなことっ……」
そんなことないのに。
「◯◯の弱っているところに漬け込んで距離を縮めた。最初はそれでもいいと思っていたんだ。そうでもしてきっかけが欲しかったから」
「……」
「だけど、会っていくうちに◯◯が暗い顔をするようになったから。俺、◯◯に嫌われたんじゃないかって。それなのにしつこく言い寄って」
暗い顔……。
きっと松川への曖昧な関係にモヤモヤしていたせいで、そう見えてしまったのだろう。
「だったらなんでまた連絡なんか……」
「それでも◯◯のことが好きだから」
「……っ」
「◯◯にちゃんと気持ちを伝えて、それでダメだったら今度こそ身を引こうと思って」
ああ、もうなんなんだこの男は。
どれだけ私の心を搔き乱すのだろう。
私は運転席に座る松川に抱きついた。
大きな背中、匂い、体温、それらがより鮮明に感じられた。
「◯◯?」
「バカ……松川って本当にバカだよ……」
「うん、ごめん」
私の背中に松川の腕が回った。
ああ、安心する……。
「……私も、好き」
「えっ?」
松川の腕の中から彼を見上げた。
「だから、私も松川のことが好きって言ってるの」
「……本当に?」
「うん、本当。何回も言わせないで」
私の答えに松川は驚いた顔をしていたが、すぐにいつもの柔らかい表情に戻った。
それから私たちは付き合うことになった。
大切な人を失ってぽっかりと心に穴が開いたようだったけれど、今はもう大丈夫。
私には彼がいてくれるから。
きっと祖母がいなくなっても寂しくないように、と松川を巡り合わせてくれた。
そんな気がした。
ーーFinーー
もしかしたら次なんてないのかもしれない。
私は勇気を振り絞った。
「ねえ、松川……。私、松川に話したいこといっぱいあるよ」
泣きそうな声を押し殺しながらも、気持ちを伝えると、
「……俺もだよ」
松川も静かに答えた。
やっぱり深夜ラーメンが目的じゃなかったんだ。
それならなんで?
どうして何も言ってくれなかったの?
私はシートベルトを外して松川の方を向いた。
「ねえ、なんで連絡くれなかったの?私のことを嫌いになった?」
「違う!」
大きな声とともにこちらに顔を向けたかと思えば、すぐに逸らされた。
「ごめん、ずっと連絡しなくて」
「うん」
「俺の方が◯◯に嫌われたんじゃないかと思って連絡できなかったんだ」
「そんなことっ……」
そんなことないのに。
「◯◯の弱っているところに漬け込んで距離を縮めた。最初はそれでもいいと思っていたんだ。そうでもしてきっかけが欲しかったから」
「……」
「だけど、会っていくうちに◯◯が暗い顔をするようになったから。俺、◯◯に嫌われたんじゃないかって。それなのにしつこく言い寄って」
暗い顔……。
きっと松川への曖昧な関係にモヤモヤしていたせいで、そう見えてしまったのだろう。
「だったらなんでまた連絡なんか……」
「それでも◯◯のことが好きだから」
「……っ」
「◯◯にちゃんと気持ちを伝えて、それでダメだったら今度こそ身を引こうと思って」
ああ、もうなんなんだこの男は。
どれだけ私の心を搔き乱すのだろう。
私は運転席に座る松川に抱きついた。
大きな背中、匂い、体温、それらがより鮮明に感じられた。
「◯◯?」
「バカ……松川って本当にバカだよ……」
「うん、ごめん」
私の背中に松川の腕が回った。
ああ、安心する……。
「……私も、好き」
「えっ?」
松川の腕の中から彼を見上げた。
「だから、私も松川のことが好きって言ってるの」
「……本当に?」
「うん、本当。何回も言わせないで」
私の答えに松川は驚いた顔をしていたが、すぐにいつもの柔らかい表情に戻った。
それから私たちは付き合うことになった。
大切な人を失ってぽっかりと心に穴が開いたようだったけれど、今はもう大丈夫。
私には彼がいてくれるから。
きっと祖母がいなくなっても寂しくないように、と松川を巡り合わせてくれた。
そんな気がした。
ーーFinーー
