巡り合わせ
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側近で会えそうな時間が仕事終わりの遅い時間しかなかった。
今日は私の職場の近くで仕事はない、と松川は言っていたけれど、遅いからという理由で迎えに来てくれる。
職場を出てすぐのガードレールにもたれて待つ。
ほどなくしてクラクションが鳴らされた。
松川だ。
「お疲れさま」
「うん。お疲れ」
軽く挨拶を交わしてから助手席に乗り込む。
「腹減ってるか?」
「まあ……そりゃあ、ね」
「じゃあ、先に腹ごしらえするか」
「うん……」
どこへ向かうのだろうか。
呼び出しておいて何も話さない松川に、聞く勇気もない私。
向かっている最中、終始無言だった。
着いたお店とは24時間営業しているラーメン屋だった。
まさかこんな形であのときの約束が果たされるとは。
店内は半個室のカウンター席。
注文も伝票に記入、店員もボタン1つで呼び出し、水もセルフで汲みに行く。
隣にはパーテーション越しに松川がいる。
簡単に取り外せる薄い壁だけれど、それをしない。
せっかく2人で来ているのに、なんだか1人ぼっちの気分。
やがて、隣からは黙々とラーメンを啜る音が聞こえてきた。
私も食べちゃおう。
普段食べるのは早い方ではないけど、あまりの気まずさに早く食べ終わった。
そのせいで、味はよく分からなかった。
もったいない。
会計は松川がしてくれた。
「ごめん、出す。いくらだった?」
お店の外に出てから財布を取り出そうと鞄に手を入れると、
「いいよ」
阻止するように松川の手が一瞬だけ重なった。
「……じゃあ、ありがとう。ごちそうさま」
「ん」
お店に着いて初めての会話がこんなのとか……。
また無言の時間が流れながら、車まで戻った。
エンジンがかかると車の中が静かになる。
車はゆっくりと動き出す。
このまま帰るのかな。
サイドミラーで髪型を直すフリをして松川を見ると、彼は運転に集中していた。
こんなときでも彼のことが格好良いと思ってしまう。
……。
…………。
そのまま私のアパートの前に到着。
「着いた」
「うん」
「……」
「……」
本当にこのままお別れ?
律儀に深夜ラーメンの約束を守るために呼び出したの?
私は中々車を降りられずにいた。
松川も降りるよう催促しない。
今日は私の職場の近くで仕事はない、と松川は言っていたけれど、遅いからという理由で迎えに来てくれる。
職場を出てすぐのガードレールにもたれて待つ。
ほどなくしてクラクションが鳴らされた。
松川だ。
「お疲れさま」
「うん。お疲れ」
軽く挨拶を交わしてから助手席に乗り込む。
「腹減ってるか?」
「まあ……そりゃあ、ね」
「じゃあ、先に腹ごしらえするか」
「うん……」
どこへ向かうのだろうか。
呼び出しておいて何も話さない松川に、聞く勇気もない私。
向かっている最中、終始無言だった。
着いたお店とは24時間営業しているラーメン屋だった。
まさかこんな形であのときの約束が果たされるとは。
店内は半個室のカウンター席。
注文も伝票に記入、店員もボタン1つで呼び出し、水もセルフで汲みに行く。
隣にはパーテーション越しに松川がいる。
簡単に取り外せる薄い壁だけれど、それをしない。
せっかく2人で来ているのに、なんだか1人ぼっちの気分。
やがて、隣からは黙々とラーメンを啜る音が聞こえてきた。
私も食べちゃおう。
普段食べるのは早い方ではないけど、あまりの気まずさに早く食べ終わった。
そのせいで、味はよく分からなかった。
もったいない。
会計は松川がしてくれた。
「ごめん、出す。いくらだった?」
お店の外に出てから財布を取り出そうと鞄に手を入れると、
「いいよ」
阻止するように松川の手が一瞬だけ重なった。
「……じゃあ、ありがとう。ごちそうさま」
「ん」
お店に着いて初めての会話がこんなのとか……。
また無言の時間が流れながら、車まで戻った。
エンジンがかかると車の中が静かになる。
車はゆっくりと動き出す。
このまま帰るのかな。
サイドミラーで髪型を直すフリをして松川を見ると、彼は運転に集中していた。
こんなときでも彼のことが格好良いと思ってしまう。
……。
…………。
そのまま私のアパートの前に到着。
「着いた」
「うん」
「……」
「……」
本当にこのままお別れ?
律儀に深夜ラーメンの約束を守るために呼び出したの?
私は中々車を降りられずにいた。
松川も降りるよう催促しない。
