見つめ合い
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〜見つめ合い〜
体育祭で普通科なのに奮闘した心操人使君。
同じ学年だけれどクラスが違うため、それまで彼の存在を知らなかった。
あんな生徒がいたとは。
そんな彼に触発されて、私もヒーロー科を目指したくなった。
私は勇気を振り絞って話しかけた。
それがきっかけで、今では休み時間に教室にお邪魔して雑談をするほどの仲に。
「世の中のヒーローって戦闘だけじゃなくて、サポートに特化したヒーローもいるよね」
「ああ」
今日も今日とてC組に遊びに来て持論を語る。
心操君の前の席に座り、体は心操君の机に突っ伏す。
そんな私をよそに心操君は教科書を読む。
頭上からはページをパラパラとめくる音が聞こえてくる。
「それなのに、入学試験ってサポートタイプの個性に不遇だよね」
「それは一理ある」
受験の段階でヒーロー科を諦めていた私は試験を受けていないけれど、どうやらシュミレーションで敵を倒さないといけないらしく、戦闘タイプではない心操君はそれで落ちたらしい。
「私の個性はサポートに最適なのに!」
私の個性は『停止』。
目が合った物体の動きを止めることができる。
しかし、個性までは止めることができない。
それと全盲や盲目の人にも効果はない。
ただし、心操君のように話しかけないといけないような個性は、停止で口の動きを止めることができるため、阻止することができる。
「だけど、◯◯って目を見て話すのが苦手じゃん。現に今だって」
「……っ」
心操君は読んでいた教科書をパタンと閉じて、私の顔を覗き込んできた。
その顔を私はフイッと逸らす。
そう、私は異性の目を見て話すのが苦手なのだ。
致命的な弱点。
机に突っ伏す気怠げな素振りも、実際は目を見て話せないだけ。
そのため、瞬きをして個性が解除されるよりも、照れて目を逸らして解除される方が多い。
「相変わらずだな」
「うるさいな〜」
同性ならちゃんと目を見て話せるし。
「俺、授業後に相澤先生に特訓に付き合ってもらっているんだけど、◯◯も来るか?」
確か相澤先生の個性『抹消』も私と同様に見るタイプの物だ。
何か参考になるかもしれない。
「行ってみようかな」
「よし、決まり。授業終わったら声かけるよ」
「はーい。じゃあ、そろそろホームルーム始まるから戻るね」
私は約束を取り付けて教室を後にした。
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