あやとりかけとり
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「あのさ……今日、この後暇か?」
ホームルームが終わり、放課後の騒がしい教室で帰り支度をしていると、隣から低く落ち着いた声がした。
驚いて振り向くと、鞄を肩に掛けた心操君が立っていた。
クラス内ではお互いの交友関係を気にして、せいぜい朝の挨拶を交わす程度。
昼休み以外で彼から話しかけてくるなんて珍しい。
「あ……うん、暇だけど……」
「なら、さ……ちょっと出かけないか?」
「えっ!?」
教室内で思わず素っ頓狂な声を上げてしまい、私は慌てて口を押さえた。
心操君はバツが悪そうに少し顔を背け、髪を掻く。
「別に大層なとこじゃねぇよ。……ゲーセンとか、映画とか。◯◯さんの行きたいところでもいい」
これって……もしかして、放課後デート……?!
胸がドクンと大きく跳ね上がり、顔が一気に熱くなる。
行きたい場所……。
彼の喜ぶ顔が見たくて、私の口からは迷わずその言葉が飛び出していた。
「じゃあ……猫カフェに行きたい!心操君、猫好きって言ってたから!」
「ああ、いいな。行こう」
私の提案に、心操君の瞳がパッと輝いた。
普段のポーカーフェイスが一瞬で崩れたその素直な反応に、胸がキュンとなる。
……。
…………。
街から少し離れたところにある、隠れ家のような猫カフェ。
店内に入ると、温かい木目調の空間に、たくさんの猫たちが思い思いに寛いでいた。
「うわぁ……可愛い……!」
「……すごいな、ここ」
入店した瞬間から、心操君の視線は猫たちに釘付けだった。
普段の鋭い目つきはどこへやら。
まるで子供に戻ったように目を丸くしている。
ソファに2人で並んで座ると、1匹の茶トラ柄の猫がトコトコと近付いてきた。
そして、迷うことなく心操君の膝の上へと飛び乗ったのだ。
「っ……!お、おい……」
急な出来事に身体をガチガチに硬直させる心操君。
焦っている彼が可笑しくて、私は思わずクスッと笑ってしまった。
「心操君、懐かれてるね。撫でてみたら?」
「あ、ああ……」
恐る恐る、大きな手を伸ばす心操君。
彼の手が茶トラの背中を撫でると、猫は気持ちよさそうに目を細め、喉を鳴らした。
「……可愛いな」
ポツリと漏らした彼の顔を見ると、これ以上ないほど穏やかな笑顔を浮かべていた。
中庭で見せる姿よりも、もっと無防備で、もっと優しい顔。
思わず、アナタの方が可愛いよ、と言いたくなる。
やっぱり、私、心操君のことが大好きだ。
彼の笑顔の眩しさに、心臓が射抜かれる。
「あやとりの『猫』とは大違いだね」
恥ずかしさを隠すため、冗談めかして言えば、「当たり前だろ」と笑い返す彼。
ねこじゃらしを振る心操君の真剣な横顔や、猫に指先を舐められてくすぐったそうにしている姿。
そのひとつひとつが愛おしくて、あっという間に夢のような時間が過ぎていった。
ホームルームが終わり、放課後の騒がしい教室で帰り支度をしていると、隣から低く落ち着いた声がした。
驚いて振り向くと、鞄を肩に掛けた心操君が立っていた。
クラス内ではお互いの交友関係を気にして、せいぜい朝の挨拶を交わす程度。
昼休み以外で彼から話しかけてくるなんて珍しい。
「あ……うん、暇だけど……」
「なら、さ……ちょっと出かけないか?」
「えっ!?」
教室内で思わず素っ頓狂な声を上げてしまい、私は慌てて口を押さえた。
心操君はバツが悪そうに少し顔を背け、髪を掻く。
「別に大層なとこじゃねぇよ。……ゲーセンとか、映画とか。◯◯さんの行きたいところでもいい」
これって……もしかして、放課後デート……?!
胸がドクンと大きく跳ね上がり、顔が一気に熱くなる。
行きたい場所……。
彼の喜ぶ顔が見たくて、私の口からは迷わずその言葉が飛び出していた。
「じゃあ……猫カフェに行きたい!心操君、猫好きって言ってたから!」
「ああ、いいな。行こう」
私の提案に、心操君の瞳がパッと輝いた。
普段のポーカーフェイスが一瞬で崩れたその素直な反応に、胸がキュンとなる。
……。
…………。
街から少し離れたところにある、隠れ家のような猫カフェ。
店内に入ると、温かい木目調の空間に、たくさんの猫たちが思い思いに寛いでいた。
「うわぁ……可愛い……!」
「……すごいな、ここ」
入店した瞬間から、心操君の視線は猫たちに釘付けだった。
普段の鋭い目つきはどこへやら。
まるで子供に戻ったように目を丸くしている。
ソファに2人で並んで座ると、1匹の茶トラ柄の猫がトコトコと近付いてきた。
そして、迷うことなく心操君の膝の上へと飛び乗ったのだ。
「っ……!お、おい……」
急な出来事に身体をガチガチに硬直させる心操君。
焦っている彼が可笑しくて、私は思わずクスッと笑ってしまった。
「心操君、懐かれてるね。撫でてみたら?」
「あ、ああ……」
恐る恐る、大きな手を伸ばす心操君。
彼の手が茶トラの背中を撫でると、猫は気持ちよさそうに目を細め、喉を鳴らした。
「……可愛いな」
ポツリと漏らした彼の顔を見ると、これ以上ないほど穏やかな笑顔を浮かべていた。
中庭で見せる姿よりも、もっと無防備で、もっと優しい顔。
思わず、アナタの方が可愛いよ、と言いたくなる。
やっぱり、私、心操君のことが大好きだ。
彼の笑顔の眩しさに、心臓が射抜かれる。
「あやとりの『猫』とは大違いだね」
恥ずかしさを隠すため、冗談めかして言えば、「当たり前だろ」と笑い返す彼。
ねこじゃらしを振る心操君の真剣な横顔や、猫に指先を舐められてくすぐったそうにしている姿。
そのひとつひとつが愛おしくて、あっという間に夢のような時間が過ぎていった。
