やっと会えた
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ーーおまけ(心操side)ーー
帰りの会が終わり、いつものようにタロウの席へ向かう。
けれど、アイツは椅子から立ち上がろうとしなかった。
泣き出しそうな、それでいて何かを恐れるような顔で、俺に一通の封筒を差し出してきた。
「これ、母ちゃんが人使の母ちゃんに渡してくれって」
「……うん、分かった」
「それから、今日から一緒に帰れなくなった……」
「習い事でも始めたのか?」
「そんなんじゃなくて、母ちゃんが……。ごめん、理由は言えないけどそういうことだから!またなっ!」
逃げるように教室を飛び出していく背中を見送る。
察しはつく。
大方、俺の個性のせいだろう。
真っ直ぐ家に帰る気になれず、俺はわざと学区外にある少し離れた公園まで歩いた。
公園には既に同じくらいの年頃の子どもたちが遊んでいた。
ブランコを漕いでいたり、砂遊びをしていたり、1人で壁に向かってボールを投げている女の子もいた。
俺は彼女から目を逸らし、端の方にあるベンチに腰を下ろした。
タロウは母さんに渡してくれって言っていたけれど、俺はビリッと封筒の口を破って中身を確認した。
難しい言葉や漢字だらけで半分も理解できなかったけれど、予想通り俺の個性が危険だから息子に関わるな、と言う注意喚起の内容。
言われなくても、関わらねーよ。
「はぁ〜」
無意識に、重いため息が漏れた。
ムシャクシャして、俺はその紙をこれ以上ないほど固く丸めると、近くのゴミ箱へ投げ捨てた。
一生、この個性のせいで友達ができないんだろうか。
もし仲良くなれたとしても、個性を知った瞬間に、みんなタロウみたいに離れていく。
俺のことを全く知らなくて、俺の力に偏見を持たないヤツ。
……そんなヤツが、この広い世界のどこかにいるんだろうか。
ふと、またボールが壁にぶつかる乾いた音がした。
さっきの女の子だ。
あの子も、俺と同じように1人。
……あの子なら、どうだろう。
学区外のここなら、俺の個性を知っているヤツはいない。
もし今、あの子に話しかけて「混ぜて」と言えたら、何かが変わるんだろうか。
「……なんてね」
自嘲気味に呟く。
そんな度胸もないクセに。
そもそも、俺なんかが話しかけたら、あの子だって怖がるに決まっている。
俺はもう一度あの子の背中を盗み見てから、逃げるように公園を後にした。
帰りの会が終わり、いつものようにタロウの席へ向かう。
けれど、アイツは椅子から立ち上がろうとしなかった。
泣き出しそうな、それでいて何かを恐れるような顔で、俺に一通の封筒を差し出してきた。
「これ、母ちゃんが人使の母ちゃんに渡してくれって」
「……うん、分かった」
「それから、今日から一緒に帰れなくなった……」
「習い事でも始めたのか?」
「そんなんじゃなくて、母ちゃんが……。ごめん、理由は言えないけどそういうことだから!またなっ!」
逃げるように教室を飛び出していく背中を見送る。
察しはつく。
大方、俺の個性のせいだろう。
真っ直ぐ家に帰る気になれず、俺はわざと学区外にある少し離れた公園まで歩いた。
公園には既に同じくらいの年頃の子どもたちが遊んでいた。
ブランコを漕いでいたり、砂遊びをしていたり、1人で壁に向かってボールを投げている女の子もいた。
俺は彼女から目を逸らし、端の方にあるベンチに腰を下ろした。
タロウは母さんに渡してくれって言っていたけれど、俺はビリッと封筒の口を破って中身を確認した。
難しい言葉や漢字だらけで半分も理解できなかったけれど、予想通り俺の個性が危険だから息子に関わるな、と言う注意喚起の内容。
言われなくても、関わらねーよ。
「はぁ〜」
無意識に、重いため息が漏れた。
ムシャクシャして、俺はその紙をこれ以上ないほど固く丸めると、近くのゴミ箱へ投げ捨てた。
一生、この個性のせいで友達ができないんだろうか。
もし仲良くなれたとしても、個性を知った瞬間に、みんなタロウみたいに離れていく。
俺のことを全く知らなくて、俺の力に偏見を持たないヤツ。
……そんなヤツが、この広い世界のどこかにいるんだろうか。
ふと、またボールが壁にぶつかる乾いた音がした。
さっきの女の子だ。
あの子も、俺と同じように1人。
……あの子なら、どうだろう。
学区外のここなら、俺の個性を知っているヤツはいない。
もし今、あの子に話しかけて「混ぜて」と言えたら、何かが変わるんだろうか。
「……なんてね」
自嘲気味に呟く。
そんな度胸もないクセに。
そもそも、俺なんかが話しかけたら、あの子だって怖がるに決まっている。
俺はもう一度あの子の背中を盗み見てから、逃げるように公園を後にした。
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