見つめ合い
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あれから何度やっても会話をしようとするとテンパってしまって天気の話しかできなかった。
これでは駄目だと思い、今日は秘策を考えてきた。
そしてやってきた昼休憩の時間。
「心操君、今日もよろしく!」
「ああ」
心操君は相変わらず嫌な顔をせずに付き合ってくれる。
「早速なんだけど、私を洗脳してくれない?」
「え……」
「目を逸らさずに会話する感覚を掴みたいの」
そう、私が考えた秘策とは心操君の個性『洗脳』を利用した成功体験。
思い返せば目を見ることができたのもコツを掴んだことが大きいと思っている。
だから、今回も成功体験をすることでコツを掴むって戦法。
「そう言うことなら……」
「よろしく」
「スーッ………◯◯」
心操君は一呼吸置いてから私の名前を呼んだ。
「はい」
返事をした途端、フッと頭にモヤがかかったような感覚。
しっかりと私を見つめてくる心操君の目を逸らしたいのに体が言うことを聞いてくれない。
これが洗脳か……。
不思議な気分。
心操君はスマホで5分のタイマーをセットした。
「それじゃあ、◯◯……そうだな……」
話題を考えているのか、少し悩んだ素振りを見せてからほどなく、話し始めた。
「相澤先生と見つめ合ってどう思った?」
「……目つきが悪すぎて怖かった」
「ふっ……」
少しだけ笑いが溢れた心操君。
こんな言葉、先生に聞かれては絶対にマズいことなのに、口が勝手に動く。
実際に思ったのは事実だけれど、これは心操君が私に言わせている言葉。
もちろん視線は逸らさずにしっかりと心操君を見つたまま。
「なら、俺と見つめ合ったときはどう思った?」
「紫色の瞳が綺麗だと思った。この目なら見つめられても良いかなって」
「!?」
心操君の三白眼の目が更に大きく見開いた。
自分で言わせておいて、なんで驚いているんだろう。
それにしても、またもや私が思っていたことを言わせるなんて。
私と心操君って実は思考回路や感受性が似ているのかもしれない。
そして洗脳されて分かったことがあるけれど、体温までは洗脳できない。
だって、私の体が恥ずかしさのあまり上昇しているのが伝わってきたから。
手で口を押さえている心操君は、何故か次の質問をしてこない。
「……」
「……」
ピピピーッ ピピピーッ
そして、無言のままタイマーが5分経ったことを知らせた。
その音でハッとした心操君は私のおでこを小突いて洗脳を解いた。
この程度の衝撃で覚めるのか。
「会話の感覚、掴めた?」
「うーん、1回じゃなんとも言えないから、またやってもらってもいい?」
「分かった」
本当は少しだけ掴めた気がする。
言わされているとはいえ、私も思ったことだから。
それを口にするという感覚。
これを繰り返していけば、本当に自分の意志で目を見て話せるようになるかもしれない。
だけど、洗脳なしでそれが実現してしまったら?
心操君と練習する時間が終わってしまう。
それがどこか寂しく思った。
※このときの心操君は個性伸ばしの特訓のお陰で、洗脳した者を喋らせることもできるし、頭を使った命令も通ります。
これでは駄目だと思い、今日は秘策を考えてきた。
そしてやってきた昼休憩の時間。
「心操君、今日もよろしく!」
「ああ」
心操君は相変わらず嫌な顔をせずに付き合ってくれる。
「早速なんだけど、私を洗脳してくれない?」
「え……」
「目を逸らさずに会話する感覚を掴みたいの」
そう、私が考えた秘策とは心操君の個性『洗脳』を利用した成功体験。
思い返せば目を見ることができたのもコツを掴んだことが大きいと思っている。
だから、今回も成功体験をすることでコツを掴むって戦法。
「そう言うことなら……」
「よろしく」
「スーッ………◯◯」
心操君は一呼吸置いてから私の名前を呼んだ。
「はい」
返事をした途端、フッと頭にモヤがかかったような感覚。
しっかりと私を見つめてくる心操君の目を逸らしたいのに体が言うことを聞いてくれない。
これが洗脳か……。
不思議な気分。
心操君はスマホで5分のタイマーをセットした。
「それじゃあ、◯◯……そうだな……」
話題を考えているのか、少し悩んだ素振りを見せてからほどなく、話し始めた。
「相澤先生と見つめ合ってどう思った?」
「……目つきが悪すぎて怖かった」
「ふっ……」
少しだけ笑いが溢れた心操君。
こんな言葉、先生に聞かれては絶対にマズいことなのに、口が勝手に動く。
実際に思ったのは事実だけれど、これは心操君が私に言わせている言葉。
もちろん視線は逸らさずにしっかりと心操君を見つたまま。
「なら、俺と見つめ合ったときはどう思った?」
「紫色の瞳が綺麗だと思った。この目なら見つめられても良いかなって」
「!?」
心操君の三白眼の目が更に大きく見開いた。
自分で言わせておいて、なんで驚いているんだろう。
それにしても、またもや私が思っていたことを言わせるなんて。
私と心操君って実は思考回路や感受性が似ているのかもしれない。
そして洗脳されて分かったことがあるけれど、体温までは洗脳できない。
だって、私の体が恥ずかしさのあまり上昇しているのが伝わってきたから。
手で口を押さえている心操君は、何故か次の質問をしてこない。
「……」
「……」
ピピピーッ ピピピーッ
そして、無言のままタイマーが5分経ったことを知らせた。
その音でハッとした心操君は私のおでこを小突いて洗脳を解いた。
この程度の衝撃で覚めるのか。
「会話の感覚、掴めた?」
「うーん、1回じゃなんとも言えないから、またやってもらってもいい?」
「分かった」
本当は少しだけ掴めた気がする。
言わされているとはいえ、私も思ったことだから。
それを口にするという感覚。
これを繰り返していけば、本当に自分の意志で目を見て話せるようになるかもしれない。
だけど、洗脳なしでそれが実現してしまったら?
心操君と練習する時間が終わってしまう。
それがどこか寂しく思った。
※このときの心操君は個性伸ばしの特訓のお陰で、洗脳した者を喋らせることもできるし、頭を使った命令も通ります。