見てくれるその日まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ビルを出ると金曜日だからか、タクシー乗り場に男女の恋人らしき人たちで列ができていた。
飲みに行くのか、はたまた家かホテルに直行。
そんな下世話なことを考えていると、知った顔の男性が綺麗な女性とタクシー乗り場の列に並んでいた。
「コースケ……」
残業じゃなかったの?
いや、たまたま残業がなくなった可能性もある。
それで、たまたま綺麗な人に食事に誘われて、たまたま腰に手を回して……。
そう、たまたまに決まっている。
自分に言い聞かせていると、誰にも聞かれていないと思っていたひとり言を聞いていた人がいた。
「コースケって◯◯さんの彼氏さんの名前ですよね」
「赤葦君……」
「職場で2度も目撃されるなんて、警戒心なさすぎですね」
ぐうの音も出ない。
今まで遭遇しなかったことが奇跡だったのではないのか、と思うくらいに出くわす。
しかも今回は昨日と違ってバッチリ顔が確認できるため、言い逃れできない。
2人は話が盛り上がっているのかこちらに気が付かない様子。
そして、そのまま到着したタクシーに乗り込みホテル街へと消えていった。
「どうします?」
「どうって……」
「あれはどう見ても黒確定です。俺なら◯◯さんの傷を癒すことができますけど」
このときの私は自棄になっていたんだと思う。
そうでなければ浮気されたとは言え、コースケと同じことをするなんてありえないから。
「癒してよ、傷……」
「仰せのままに」
妖艶な笑みを浮かべる赤葦君に連れられて、私たちもタクシーへ乗り込んだ。
飲みに行くのか、はたまた家かホテルに直行。
そんな下世話なことを考えていると、知った顔の男性が綺麗な女性とタクシー乗り場の列に並んでいた。
「コースケ……」
残業じゃなかったの?
いや、たまたま残業がなくなった可能性もある。
それで、たまたま綺麗な人に食事に誘われて、たまたま腰に手を回して……。
そう、たまたまに決まっている。
自分に言い聞かせていると、誰にも聞かれていないと思っていたひとり言を聞いていた人がいた。
「コースケって◯◯さんの彼氏さんの名前ですよね」
「赤葦君……」
「職場で2度も目撃されるなんて、警戒心なさすぎですね」
ぐうの音も出ない。
今まで遭遇しなかったことが奇跡だったのではないのか、と思うくらいに出くわす。
しかも今回は昨日と違ってバッチリ顔が確認できるため、言い逃れできない。
2人は話が盛り上がっているのかこちらに気が付かない様子。
そして、そのまま到着したタクシーに乗り込みホテル街へと消えていった。
「どうします?」
「どうって……」
「あれはどう見ても黒確定です。俺なら◯◯さんの傷を癒すことができますけど」
このときの私は自棄になっていたんだと思う。
そうでなければ浮気されたとは言え、コースケと同じことをするなんてありえないから。
「癒してよ、傷……」
「仰せのままに」
妖艶な笑みを浮かべる赤葦君に連れられて、私たちもタクシーへ乗り込んだ。