見てくれるその日まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨夜、酔っているとは言えあんなことがあったから、出社するのが気まずい。
「おはようございます」
挨拶をしながらおそるおそる自分のデスクへと向かうと、先に出社していた赤葦君と目が合ってしまった。
そして、おもむろに彼は立ち上がった。
「◯◯さん、おはようございます」
「おはよう……」
「出社早々に申し訳ないのですが、この作家さん────」
「あー……その人はね────」
「分かりました、ありがとうございます」
用が済んだら軽く礼をして、またデスクへと向き直った赤葦君。
……え、それだけ?
至って普通すぎて、なんだか拍子抜けしてしまった。
昨夜のことなんて何でもないような態度。
私ばかり意識しているみたいでバカみたい。
仕事に集中しよう。
軽く両頬を手でパチンと叩き、パソコンの電源を点けた。
ーーーー
何事もなく一日が終わった。
もしかして、昨日私が見たコースケも見間違いなんじゃないか、そう思うほどに。
私はプライベートのスマホを取り出し、コースケにメッセージを送った。
“今仕事終わったんだけど、この後ご飯でもどう?”
返事は意外にも早く返ってきた。
“すまん!俺の方が珍しく残業になった!また今度行こうな!”
残業なら私も急ぎじゃない仕事をしながら待っているのに。
だけど、せっかく残業せずに帰れるんだ。
ここは素直に帰り支度を始めた。
「お疲れ様で〜す」
オフィスを出て、エレベーターに乗り込む。
1Fのボタンを押してから閉めるのボタンを押す。
すると、閉まる直前に誰かがエレベーターの扉の隙間に手を差し込んできた。
「!?」
危ないな、誰だよ。
「間に合った……」
扉がゆっくりと開くと、手の持ち主が息を切らしながら顔を出した。
「え、赤葦君?!」
何も走ってまで乗らなくても、エレベーターなら他にもあるのに。
そう思いながら急いで開けるボタンを押した。
「すみません……」
「いや、いいけど。危ないからね」
「はい、気を付けます」
ひょっとして私を追いかけて来たのかな?
と、思ったけれど、結局1Fに着くまでお互い無言だった。
「おはようございます」
挨拶をしながらおそるおそる自分のデスクへと向かうと、先に出社していた赤葦君と目が合ってしまった。
そして、おもむろに彼は立ち上がった。
「◯◯さん、おはようございます」
「おはよう……」
「出社早々に申し訳ないのですが、この作家さん────」
「あー……その人はね────」
「分かりました、ありがとうございます」
用が済んだら軽く礼をして、またデスクへと向き直った赤葦君。
……え、それだけ?
至って普通すぎて、なんだか拍子抜けしてしまった。
昨夜のことなんて何でもないような態度。
私ばかり意識しているみたいでバカみたい。
仕事に集中しよう。
軽く両頬を手でパチンと叩き、パソコンの電源を点けた。
ーーーー
何事もなく一日が終わった。
もしかして、昨日私が見たコースケも見間違いなんじゃないか、そう思うほどに。
私はプライベートのスマホを取り出し、コースケにメッセージを送った。
“今仕事終わったんだけど、この後ご飯でもどう?”
返事は意外にも早く返ってきた。
“すまん!俺の方が珍しく残業になった!また今度行こうな!”
残業なら私も急ぎじゃない仕事をしながら待っているのに。
だけど、せっかく残業せずに帰れるんだ。
ここは素直に帰り支度を始めた。
「お疲れ様で〜す」
オフィスを出て、エレベーターに乗り込む。
1Fのボタンを押してから閉めるのボタンを押す。
すると、閉まる直前に誰かがエレベーターの扉の隙間に手を差し込んできた。
「!?」
危ないな、誰だよ。
「間に合った……」
扉がゆっくりと開くと、手の持ち主が息を切らしながら顔を出した。
「え、赤葦君?!」
何も走ってまで乗らなくても、エレベーターなら他にもあるのに。
そう思いながら急いで開けるボタンを押した。
「すみません……」
「いや、いいけど。危ないからね」
「はい、気を付けます」
ひょっとして私を追いかけて来たのかな?
と、思ったけれど、結局1Fに着くまでお互い無言だった。