いくつあってもいい
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赤葦君の誕生日当日。
学校に着いてから、私は何度も鞄の中身を確認した。
中にあるはずのプレゼントが、どこかに消えてしまうんじゃないのかという不安があったから。
鞄の中にはお行儀よくラッピングされたプレゼントが入っている。
だけど、教室だと人目が多過ぎて、とてもじゃないけど渡せない。
なんとか2人きりになるタイミングを見計らっていると、赤葦君は1人で教室を出ていった。
今だ!
逸る気持ちを抑えきれず、私も急いで教室を飛び出した。
廊下を数歩進んだところ で赤葦君を呼び止めようとしたけど、急に心臓がバクバクして声が出なくなった。
そうこうしているうちに、廊下の向こうから大きな声が聞こえてくる。
あの声の持ち主は、赤葦君とよく一緒にいる……。
「なあなあ、あかーし!聞いてよー!」
「なんですか、木兎さん」
そうだ、木兎先輩だ。
先輩は大股で赤葦君に駆け寄り、屈託のない笑顔で話し始めた。
それに応える赤葦君はどこか困ったような顔をしていたけれど、どこか優しい眼差しでもあった。
2人の楽しそうな会話が私の足を遠退ける。
私は俯きながら教室へと引き返した。
タイミングを逃してしまった。
でも、今日は始まったばかりだ。
次こそ渡せばいい。
私はプレゼントの入った鞄をぎゅっと抱き締めた。
……。
…………。
お手洗いから教室へ戻ると、何やら赤葦君の席の周りに人集りができていた。
賑やかな声が響いている。
「なんだよ、赤葦。今日誕生日だったのか?」
「マジか、誕生日おめでとう!」
「すぐに渡せるの、これくらいしかないけど、よかったら食べて」
次々に、クラスメイトたちが赤葦君の机にお菓子を置いていく。
彼の机はチョコレートや飴、自販機のジュースなどで埋め尽くされていった。
赤葦君は困ったような、でもどこか嬉しそうな笑顔を浮かべながら、机の上のプレゼントたちを見つめていた。
「みんな、ありがとう」
そう言って、1人1人に丁寧にお礼を言った。
私はというと、その輪の少し後ろに立っていた。
この流れに便乗して、私もプレゼントを渡したい。
だけど、みんな即席で持ち合わせていたお菓子を渡しているのに、私だけ気合の入ったラッピング済みのプレゼント。
やっぱり、変かな……。
そんな気持ちからか、みんなの中へ混ざろうとする足が止まる。
そして、私はその輪を通りすぎ、自分の席へと戻った。
やがて、クラスメイトも1人、また1人と席に戻っていく。
教室は元の静けさを取り戻し、赤葦君は机の上のお菓子を眺めていた。
私は、その様子を少し離れた場所から見ていることしかできなかった。
学校に着いてから、私は何度も鞄の中身を確認した。
中にあるはずのプレゼントが、どこかに消えてしまうんじゃないのかという不安があったから。
鞄の中にはお行儀よくラッピングされたプレゼントが入っている。
だけど、教室だと人目が多過ぎて、とてもじゃないけど渡せない。
なんとか2人きりになるタイミングを見計らっていると、赤葦君は1人で教室を出ていった。
今だ!
逸る気持ちを抑えきれず、私も急いで教室を飛び出した。
廊下を数歩進んだところ で赤葦君を呼び止めようとしたけど、急に心臓がバクバクして声が出なくなった。
そうこうしているうちに、廊下の向こうから大きな声が聞こえてくる。
あの声の持ち主は、赤葦君とよく一緒にいる……。
「なあなあ、あかーし!聞いてよー!」
「なんですか、木兎さん」
そうだ、木兎先輩だ。
先輩は大股で赤葦君に駆け寄り、屈託のない笑顔で話し始めた。
それに応える赤葦君はどこか困ったような顔をしていたけれど、どこか優しい眼差しでもあった。
2人の楽しそうな会話が私の足を遠退ける。
私は俯きながら教室へと引き返した。
タイミングを逃してしまった。
でも、今日は始まったばかりだ。
次こそ渡せばいい。
私はプレゼントの入った鞄をぎゅっと抱き締めた。
……。
…………。
お手洗いから教室へ戻ると、何やら赤葦君の席の周りに人集りができていた。
賑やかな声が響いている。
「なんだよ、赤葦。今日誕生日だったのか?」
「マジか、誕生日おめでとう!」
「すぐに渡せるの、これくらいしかないけど、よかったら食べて」
次々に、クラスメイトたちが赤葦君の机にお菓子を置いていく。
彼の机はチョコレートや飴、自販機のジュースなどで埋め尽くされていった。
赤葦君は困ったような、でもどこか嬉しそうな笑顔を浮かべながら、机の上のプレゼントたちを見つめていた。
「みんな、ありがとう」
そう言って、1人1人に丁寧にお礼を言った。
私はというと、その輪の少し後ろに立っていた。
この流れに便乗して、私もプレゼントを渡したい。
だけど、みんな即席で持ち合わせていたお菓子を渡しているのに、私だけ気合の入ったラッピング済みのプレゼント。
やっぱり、変かな……。
そんな気持ちからか、みんなの中へ混ざろうとする足が止まる。
そして、私はその輪を通りすぎ、自分の席へと戻った。
やがて、クラスメイトも1人、また1人と席に戻っていく。
教室は元の静けさを取り戻し、赤葦君は机の上のお菓子を眺めていた。
私は、その様子を少し離れた場所から見ていることしかできなかった。
