可愛い人
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それ以降もときたま赤葦さんが不破先生のことを可愛いと言っているのを聞いた。
この間、赤葦さんと山田さんが休憩中に話をしていたとき。
「赤葦も不破先生のところに行ったんだってな?」
「ええ」
「あの先生、距離近くないか?年柄にもなく猫なで声で話してくるし。これで漫画が面白くなければ目も当てられないよ」
「不破先生は本当に可愛い人ですね」
「赤葦、お前マジかよ……」
私も山田さんと同意見なのに、赤葦さんには不破先生が本当に可愛いく見えているようだ。
先輩としては良い人だけど、女性の趣味がちょっと……。
いや、私が赤葦さんのことをどうこう言える立場ではない。
そんなに不破先生のことが苦手なら、早く仕事ができるようになって、不破先生以外の担当を持てるように頑張ればいいんだ。
もう赤葦さんと不破先生のやり取りを見たくない。
ああ、私、赤葦さんのことを尊敬以上の目で見ていたんだ。
気付いたときには既に失恋していたとか、ツラい。
ーーーー
不破先生のところへ訪れると、前までは山田君はーっと言っていたのが、最近は専ら赤葦君はーに変わった。
正規担当の山田さんならまだしも、赤葦さんは私が頼んで付き添ってもらっただけでイレギュラーな人。
担当変更しない限り、ここには来ないのに。
「ねえ、ぺーぺー」
いつの間にか私のあだ名はぺーぺーになっているようだ。
「はい」
「アナタ、この仕事に就いてどのくらいになるの?」
「2ヶ月です」
「はっ」
鼻で笑わなくても。
誰しもが新人時代があったはずなのに。
「いい?編集者ってのは原稿に携わるだけじゃなくて、漫画家の心身のケアもしなければならないのよ?」
「はぁ」
「山田君、もしくは赤葦君が来てくれるだけで、私は癒されるの。簡単じゃない?」
こっちも、原稿を取りに来る以外の仕事がたまっている。
こんなところで時間を潰したくない。
不破先生の理屈は意味が分からなかったが、下手なことを言って機嫌を損ねさせるより、適当に合わせた方がスムーズに進む。
「そうですね」
「分かればいいのよ。次回お願いね」
適当に合わせたせいで不味いことになった。
山田さん、絶対に嫌がるだろうな。
関係ない赤葦さんには迷惑かけたくないし。
でも、不破先生のことを可愛いって言っている赤葦さんなら、1回くらい……。
いやいや、私の尻拭いをさせる訳にはいかない。
打ち合わせが終わった後、重い足取りで会社へ戻った。
この間、赤葦さんと山田さんが休憩中に話をしていたとき。
「赤葦も不破先生のところに行ったんだってな?」
「ええ」
「あの先生、距離近くないか?年柄にもなく猫なで声で話してくるし。これで漫画が面白くなければ目も当てられないよ」
「不破先生は本当に可愛い人ですね」
「赤葦、お前マジかよ……」
私も山田さんと同意見なのに、赤葦さんには不破先生が本当に可愛いく見えているようだ。
先輩としては良い人だけど、女性の趣味がちょっと……。
いや、私が赤葦さんのことをどうこう言える立場ではない。
そんなに不破先生のことが苦手なら、早く仕事ができるようになって、不破先生以外の担当を持てるように頑張ればいいんだ。
もう赤葦さんと不破先生のやり取りを見たくない。
ああ、私、赤葦さんのことを尊敬以上の目で見ていたんだ。
気付いたときには既に失恋していたとか、ツラい。
ーーーー
不破先生のところへ訪れると、前までは山田君はーっと言っていたのが、最近は専ら赤葦君はーに変わった。
正規担当の山田さんならまだしも、赤葦さんは私が頼んで付き添ってもらっただけでイレギュラーな人。
担当変更しない限り、ここには来ないのに。
「ねえ、ぺーぺー」
いつの間にか私のあだ名はぺーぺーになっているようだ。
「はい」
「アナタ、この仕事に就いてどのくらいになるの?」
「2ヶ月です」
「はっ」
鼻で笑わなくても。
誰しもが新人時代があったはずなのに。
「いい?編集者ってのは原稿に携わるだけじゃなくて、漫画家の心身のケアもしなければならないのよ?」
「はぁ」
「山田君、もしくは赤葦君が来てくれるだけで、私は癒されるの。簡単じゃない?」
こっちも、原稿を取りに来る以外の仕事がたまっている。
こんなところで時間を潰したくない。
不破先生の理屈は意味が分からなかったが、下手なことを言って機嫌を損ねさせるより、適当に合わせた方がスムーズに進む。
「そうですね」
「分かればいいのよ。次回お願いね」
適当に合わせたせいで不味いことになった。
山田さん、絶対に嫌がるだろうな。
関係ない赤葦さんには迷惑かけたくないし。
でも、不破先生のことを可愛いって言っている赤葦さんなら、1回くらい……。
いやいや、私の尻拭いをさせる訳にはいかない。
打ち合わせが終わった後、重い足取りで会社へ戻った。