スボラでも愛して
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~ズボラでも愛して~
残業がなくなったので、いつもより早く会社を出ることができた。まっすぐ帰らず、最近会えていなかった彼氏の家に行くことに。
急に行ったら、ユウタ驚くかな。
ドアノブに手を掛けると鍵が掛かっていたけど、扉の向こうから話し声が聞こえてくる。
大方テレビのつけっぱなしで寝てしまったのだろう。
私は持っていた合鍵で鍵を開けた。
「ユウタいる?」
リビングの扉を開ければ、お付き合いをしている彼氏のユウタと知らない女の子が合体していた。
「ちょ、●●!今日残業なんじゃ」
「最低っ!」
合鍵をユウタに投げつけて、部屋を飛び出た。
思い返せば玄関に知らない女物の靴が置いてあった気がした。
ーーーー
帰りたくないな。
コンビニで缶ビールをしこたま購入し、近所の公園のベンチで一人寂しくやけ酒をすることに。
「うっ……ユウタのバカ……」
空きっ腹にビールを流し込んだせいか、酔いは直ぐに回ってきた。
普段は泣き上戸じゃないのに、涙が出るなんておかしいな。
ひとしきり泣いた後、急にやってきた睡魔。
このまま寝たいな。でも、明日も仕事だし。
頭では寝てはいけないと分かっているけど、無意識で船を漕ぐ。
そのとき、
「お姉さん、ここで寝ると危ないですよ」
「ん……」
誰かに話しかけられた。
重たい目蓋を開くと、高校生らしき背の高い少年が。
グレーのジャケットに青のネクタイ、黒のスラックス。
梟谷学園の制服だっけ。
ナンパかと思ったけど学生ならこんなおばさんを相手にしないよね。
それならカツアゲか。
「あいにく、このビールを買ったから所持金はゼロよ」
「は?」
え、カツアゲじゃないの?
見当違いなことを言ったかしら。
少年は眉間に皺を寄せた。
「親切心ですけど」
「放っておいてくれないかな。少年には分からないことが、大人の世界にはあんのよ」
そんなことを話ながら意識が遠退いた。
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