ひと冬の恋
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エレベーターを待ちながら、私は国見君に疑問をぶつけた。
「あの2人、本当に付き合っているのかな?」
本当だとしたら後でちゃんと祝福しないと。
それなのに、国見君は考える間もなく即答した。
「嘘に決まってんだろ」
「あ……そうなんだ……」
まんまと挑発に乗ってしまったわけだ。
いや、乗ったのは私だけか。
それならなぜ国見君は嘘だと見抜いていたのにあの場を離れたの?
分からない……。
考えているうちにエレベーターはやってきた。
「エレベーター来たぞ」
「うん……」
乗り込んだ後、各々降りる階のボタンを押すと、エレベーターは静かに動き出した。
私が6階で、国見君が7階。
「……」
「……」
2人だけしかいない閉鎖空間に沈黙が流れる。
この感じ、スキー場の休憩所で2人きりになったときみたいだ。
少し緊張してきた。
すると、やっぱりあの時みたいに国見君の方から話し掛けてくれた。
「なあ……明日帰るんだよな?」
「……うん」
確か国見君たちも明日帰るんだよね?
「来年もまたボードやりに来るか?」
「分からない」
「そっか……」
本心ではやりたい。
だけど、今回は卒業旅行と言う名目で親にお金を出して貰えた。
だから来年は分からない。
それまでにバイトをしてお金を貯めれば可能かもしれないけれど。
高校の勉強が不安の中、バイトをする余裕があるのかも分からない。
分からないことだらけだ。
やっと打ち解けてきたと思ったのに、もうお別れだなんて。
せめてスマホがあれば離れていても連絡が取れるのに。
……あれ?
私、国見君と離れるのが寂しいの?
昨日会ったばかりなのに。
「ほら、●●が降りる階に着いたぞ」
「あ、うん」
あんなにゆっくりエレベーターは動いていたと思ったのに、別れが寂しいと自覚した途端早く感じるなんて。
国見君はエレベーターの開くボタンを押してくれているのに、中々一歩を踏み出せない。
「……」
「おい」
だけど、再度声を掛けられたら、もう降りるしかない。
「ごめん、すぐ降りるね!」
慌ててエレベーターから降りたけれど、今度は国見君の方が中々扉を閉めない。
「国見君?」
「……から……」
呼びかけると、国見君は何やらボソッと呟いた。
「え?」
聞き返すと、今度ははっきり、そして私の目をしっかりと捉えて言った。
「さようならは言わねぇ!」
「!?」
国見君も私と同じ気持ちなの?
それなら……。
「私も!……私も言わない!」
「おう……」
「だから、またね!」
「おう、また……」
涙は見せない。
笑顔でお別れ。
そして、今度こそ扉は閉まった。
明日の朝、私たちは地元へ帰る。
だけど、どんなに大変でも春からバイトを始めてお金を貯めるんだ。
そして、また長野に……。
上っていくエレベーターを見つめながら、私はそう心に決めた。
「あの2人、本当に付き合っているのかな?」
本当だとしたら後でちゃんと祝福しないと。
それなのに、国見君は考える間もなく即答した。
「嘘に決まってんだろ」
「あ……そうなんだ……」
まんまと挑発に乗ってしまったわけだ。
いや、乗ったのは私だけか。
それならなぜ国見君は嘘だと見抜いていたのにあの場を離れたの?
分からない……。
考えているうちにエレベーターはやってきた。
「エレベーター来たぞ」
「うん……」
乗り込んだ後、各々降りる階のボタンを押すと、エレベーターは静かに動き出した。
私が6階で、国見君が7階。
「……」
「……」
2人だけしかいない閉鎖空間に沈黙が流れる。
この感じ、スキー場の休憩所で2人きりになったときみたいだ。
少し緊張してきた。
すると、やっぱりあの時みたいに国見君の方から話し掛けてくれた。
「なあ……明日帰るんだよな?」
「……うん」
確か国見君たちも明日帰るんだよね?
「来年もまたボードやりに来るか?」
「分からない」
「そっか……」
本心ではやりたい。
だけど、今回は卒業旅行と言う名目で親にお金を出して貰えた。
だから来年は分からない。
それまでにバイトをしてお金を貯めれば可能かもしれないけれど。
高校の勉強が不安の中、バイトをする余裕があるのかも分からない。
分からないことだらけだ。
やっと打ち解けてきたと思ったのに、もうお別れだなんて。
せめてスマホがあれば離れていても連絡が取れるのに。
……あれ?
私、国見君と離れるのが寂しいの?
昨日会ったばかりなのに。
「ほら、●●が降りる階に着いたぞ」
「あ、うん」
あんなにゆっくりエレベーターは動いていたと思ったのに、別れが寂しいと自覚した途端早く感じるなんて。
国見君はエレベーターの開くボタンを押してくれているのに、中々一歩を踏み出せない。
「……」
「おい」
だけど、再度声を掛けられたら、もう降りるしかない。
「ごめん、すぐ降りるね!」
慌ててエレベーターから降りたけれど、今度は国見君の方が中々扉を閉めない。
「国見君?」
「……から……」
呼びかけると、国見君は何やらボソッと呟いた。
「え?」
聞き返すと、今度ははっきり、そして私の目をしっかりと捉えて言った。
「さようならは言わねぇ!」
「!?」
国見君も私と同じ気持ちなの?
それなら……。
「私も!……私も言わない!」
「おう……」
「だから、またね!」
「おう、また……」
涙は見せない。
笑顔でお別れ。
そして、今度こそ扉は閉まった。
明日の朝、私たちは地元へ帰る。
だけど、どんなに大変でも春からバイトを始めてお金を貯めるんだ。
そして、また長野に……。
上っていくエレベーターを見つめながら、私はそう心に決めた。
