ひと冬の恋
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ほどなくして休憩所に着いた。
昨日は利用しなかったから分からなかったけれど、まさかこんな近くにあったとは。
休憩所には私たち以外にもたくさんの利用者がいた。
冷たくなった帽子とグローブ、ゴーグルを外していると、
「そこに座って待ってろ」
国見君は空いている席を指差して、どこかへ行ってしまった。
ひとまず言われた通りに座って待っていると、彼は温かいココアを私の分も買ってきてくれた。
昨日も思ったけど、国見君は甘い物が好きなのかな?
「ありがとう……。あ、お金……!」
慌てて財布を取り出そうとすると、 国見君はそれを手で制した。
「別にいい。それより友達と連絡は取れたか?」
「あ、いや……実はスマホ持っていなくて……」
休憩所には公衆電話も備え付けてあるけれど、逸れるとは思っていなかったから、サナの連絡先を控えていなかった。
本当に情けない。
そう思っていると、国見君のポケットからなにやら一定の音が聞こえてきた。
音の正体はスマホだった。
それを取り出し、画面を確認する国見君。
チラリと見えた画面には金田一と書かれていた。
「もしもし……ああ、うん……そうか……こっちも大丈夫……じゃあ、また後で」
それだけ話すと電話を切った国見君は私の方へと向き直した。
「金田一、アンタの連れと合流したって」
「そっか……」
よかった、サナも無事だったんだ。
「まあ、でも雪が弱まるまでしばらくここで待機だな」
そう言って国見君はココアを一口飲んだ。
それにつられて私も口に運ぶ。
……。
…………。
ココアはすっかり飲み干してしまい、手持ち無沙汰。
だけど、国見君からは話し掛けるなオーラが出ているような気がして仕方がならない。
そんなとき、意外にも国見君の方から話を振ってきた。
「あのさ、邪魔とか下手とか言って悪かった」
「えっ……」
まさか謝られるとは思わなかった。
だって邪魔だったのも下手なのも事実だから。
予想外のことに狼狽える私を見て、彼は気にせず話を続けた。
「金田一の言ったこと、本当なんだ」
金田一君が言ったこととは、ソリが合わないチームメイトと高校が離れて八つ当たりした、と言うことだろう。
私は黙って聞くことにした。
「アイツ……ソリが合わないって言ったチームメイト、性格はクソだけど実力はあるヤツなんだ」
「……」
「初めは離れることに清々したけど、段々アイツにお前が下手だからって見限られた気がして……」
「……」
スラスラと話していた国見君は言葉を詰まらせ、俯いた。
そんなに言いにくいことなんだろうか。
だけど、彼は意を決したように私を見た。
その顔はとても切なげで、苦しそう。
そんな顔に胸が締め付けられて、目が離せなかった。
「悔しくて、認めたくなかったんだ。それなのにアンタにも同じことをして……悪かった」
国見君が頭を下げた。
急いで上げるように言おうとしたけれど、少しだけ意地悪をしたくなった。
「許してあげてもいいけど」
「けど?」
「私のこと、アンタじゃなくてちゃんと名前で呼んでくれたら許す」
私の言葉に国見君は意表を突かれた顔をしていた。
だけど、この考えは譲れない。
「……」
「……」
しばらく黙っていた国見君は諦めたように口を開いた。
「●●……ごめん」
「うん、いいよ!許す!」
私は満足気に返事をして、国見君に笑顔を向ける。
すると、彼も少し笑った気がした。
昨日は利用しなかったから分からなかったけれど、まさかこんな近くにあったとは。
休憩所には私たち以外にもたくさんの利用者がいた。
冷たくなった帽子とグローブ、ゴーグルを外していると、
「そこに座って待ってろ」
国見君は空いている席を指差して、どこかへ行ってしまった。
ひとまず言われた通りに座って待っていると、彼は温かいココアを私の分も買ってきてくれた。
昨日も思ったけど、国見君は甘い物が好きなのかな?
「ありがとう……。あ、お金……!」
慌てて財布を取り出そうとすると、 国見君はそれを手で制した。
「別にいい。それより友達と連絡は取れたか?」
「あ、いや……実はスマホ持っていなくて……」
休憩所には公衆電話も備え付けてあるけれど、逸れるとは思っていなかったから、サナの連絡先を控えていなかった。
本当に情けない。
そう思っていると、国見君のポケットからなにやら一定の音が聞こえてきた。
音の正体はスマホだった。
それを取り出し、画面を確認する国見君。
チラリと見えた画面には金田一と書かれていた。
「もしもし……ああ、うん……そうか……こっちも大丈夫……じゃあ、また後で」
それだけ話すと電話を切った国見君は私の方へと向き直した。
「金田一、アンタの連れと合流したって」
「そっか……」
よかった、サナも無事だったんだ。
「まあ、でも雪が弱まるまでしばらくここで待機だな」
そう言って国見君はココアを一口飲んだ。
それにつられて私も口に運ぶ。
……。
…………。
ココアはすっかり飲み干してしまい、手持ち無沙汰。
だけど、国見君からは話し掛けるなオーラが出ているような気がして仕方がならない。
そんなとき、意外にも国見君の方から話を振ってきた。
「あのさ、邪魔とか下手とか言って悪かった」
「えっ……」
まさか謝られるとは思わなかった。
だって邪魔だったのも下手なのも事実だから。
予想外のことに狼狽える私を見て、彼は気にせず話を続けた。
「金田一の言ったこと、本当なんだ」
金田一君が言ったこととは、ソリが合わないチームメイトと高校が離れて八つ当たりした、と言うことだろう。
私は黙って聞くことにした。
「アイツ……ソリが合わないって言ったチームメイト、性格はクソだけど実力はあるヤツなんだ」
「……」
「初めは離れることに清々したけど、段々アイツにお前が下手だからって見限られた気がして……」
「……」
スラスラと話していた国見君は言葉を詰まらせ、俯いた。
そんなに言いにくいことなんだろうか。
だけど、彼は意を決したように私を見た。
その顔はとても切なげで、苦しそう。
そんな顔に胸が締め付けられて、目が離せなかった。
「悔しくて、認めたくなかったんだ。それなのにアンタにも同じことをして……悪かった」
国見君が頭を下げた。
急いで上げるように言おうとしたけれど、少しだけ意地悪をしたくなった。
「許してあげてもいいけど」
「けど?」
「私のこと、アンタじゃなくてちゃんと名前で呼んでくれたら許す」
私の言葉に国見君は意表を突かれた顔をしていた。
だけど、この考えは譲れない。
「……」
「……」
しばらく黙っていた国見君は諦めたように口を開いた。
「●●……ごめん」
「うん、いいよ!許す!」
私は満足気に返事をして、国見君に笑顔を向ける。
すると、彼も少し笑った気がした。
