太陽とひまわり
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授業が始まって10分と経たないうちに、やはり日向君は集中力が持たないようだった。
呆れながら横目で隣を見ると、彼の船を漕ぐ頭は、次第にガクン、と大きく揺れ、ついにそのまま机に突っ伏した。
静かに始まったいびきが、先生の解説の合間に小さく聞こえてくる。
また寝てる……。
私はため息をこらえ、視線を黒板に戻した。
こういうことをしているから、出された課題ができないんだ。
もう次から、何度頼まれてもノートを写させてやらない。
そう心に決めていると、先生の大きな声が、静かな教室の空気を一瞬で切り裂いた。
「じゃあ、この問題を日向!」
生徒たちの視線は、一斉に、机に突っ伏したままの彼の背中に突き刺さった。
「おい、日向!」
先生の苛立ちを含んだ声が響く。
私は咄嗟に日向君の肩を小突いた。
「うっ……」
日向君は短い呻き声を上げ、ハッと顔を上げた。
顔にはくっきりとシャーペンの跡がついている。
「日向!寝るなよ!」
先生は、もはや隠そうともしない苛立ちを滲ませて、黒板の数式を指差している。
日向君は寝ぼけ眼をゴシゴシとこすり、黒板に目をやったけれど、状況が把握できていない様子。
「……えっと」
次に彼は自分のノートへと目をやった。
だけど、授業が始まってすぐに眠りについた彼のノートは真っ白。
ついでに顔面も蒼白。
この絶体絶命のピンチにどう対応するのか、私は静かに見つめていた。
そして、焦りからか、彼は全く見当違いな単語を口にした。
「20……g/mol ?」
途端に、いくつかの席からプッと吹き出す声が漏れた。
「おいおい、今は化学じゃなくて数学の時間だぞ?しっかりしろ」
先生は盛大なため息を吐き、静かに首を振った。
「もういい、代わりに……◯◯、答えろ」
「あ、はい」
私は小さく肩を竦め、しょんぼりしながら座り込む日向君を横目に、問題を答えた。
正解を告げると、
「うん、そうだな。座れ」
先生はそのまま黒板の問題の解説を始めた。
日向君は、申し訳なさそうに深く俯いている。
その横顔がなんだかいつもより、ずっと小さく見えた。
彼のそんな姿を見て、私の胸の奥にほんの少しだけ罪悪感が沸いた。
やっぱり、答えを教えてあげればよかったのかな。
呆れながら横目で隣を見ると、彼の船を漕ぐ頭は、次第にガクン、と大きく揺れ、ついにそのまま机に突っ伏した。
静かに始まったいびきが、先生の解説の合間に小さく聞こえてくる。
また寝てる……。
私はため息をこらえ、視線を黒板に戻した。
こういうことをしているから、出された課題ができないんだ。
もう次から、何度頼まれてもノートを写させてやらない。
そう心に決めていると、先生の大きな声が、静かな教室の空気を一瞬で切り裂いた。
「じゃあ、この問題を日向!」
生徒たちの視線は、一斉に、机に突っ伏したままの彼の背中に突き刺さった。
「おい、日向!」
先生の苛立ちを含んだ声が響く。
私は咄嗟に日向君の肩を小突いた。
「うっ……」
日向君は短い呻き声を上げ、ハッと顔を上げた。
顔にはくっきりとシャーペンの跡がついている。
「日向!寝るなよ!」
先生は、もはや隠そうともしない苛立ちを滲ませて、黒板の数式を指差している。
日向君は寝ぼけ眼をゴシゴシとこすり、黒板に目をやったけれど、状況が把握できていない様子。
「……えっと」
次に彼は自分のノートへと目をやった。
だけど、授業が始まってすぐに眠りについた彼のノートは真っ白。
ついでに顔面も蒼白。
この絶体絶命のピンチにどう対応するのか、私は静かに見つめていた。
そして、焦りからか、彼は全く見当違いな単語を口にした。
「20……
途端に、いくつかの席からプッと吹き出す声が漏れた。
「おいおい、今は化学じゃなくて数学の時間だぞ?しっかりしろ」
先生は盛大なため息を吐き、静かに首を振った。
「もういい、代わりに……◯◯、答えろ」
「あ、はい」
私は小さく肩を竦め、しょんぼりしながら座り込む日向君を横目に、問題を答えた。
正解を告げると、
「うん、そうだな。座れ」
先生はそのまま黒板の問題の解説を始めた。
日向君は、申し訳なさそうに深く俯いている。
その横顔がなんだかいつもより、ずっと小さく見えた。
彼のそんな姿を見て、私の胸の奥にほんの少しだけ罪悪感が沸いた。
やっぱり、答えを教えてあげればよかったのかな。
