可愛いにも格好良いにもなれるキミ
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次の日の休み時間から翔陽が私にバレーを教えてくれるようになった。
「レシーブはサッと行ってスッと構えてポンッと!」
ただ、その教え方が上手だとはお世辞にも言えない。
「サッと?スッ?擬音語が多くて分かんないよ」
一生懸命に教えようとしてくれる様は嬉しいし、可愛らしくも感じるけれど、伝わらなければ意味がない。
翔陽は、
「おっかしいな。俺はこうやってリベロの先輩に教わったんだけど」
とブツブツ呟いている。
リベロと言うのはポジションのことだよね。
一体どんな先輩なのか。
きっと翔陽みたいに感覚で動くタイプだろう。
そう言えば……先日応援に行った試合でそんな先輩がいたような気がする。
翔陽に似て小柄で元気のある……。
いや、今はそんな話はどうでもいい。
「ねえ、教えてくれるのは嬉しいんだけど、翔陽はバスケの練習しなくてもいいの?」
現に体育館でうちのクラスの男子がバスケの練習をしている。
すると翔陽はニカッと笑って答えた。
「体育でバスケの授業やってるし、昔も……いや何でもない!」
「昔も……、何よ。隠されると気になる」
翔陽は、しまった!という顔をして、しばらく目を泳がせていたけれど、やがて諦めたように口を開いた。
「俺、中学でもバレー部だったんだけど、部員が俺しかいなくて……」
昔からバレーをしていたのは聞いたことがあったけれど、まさか部員がいなかっただなんて。
「それで、バスケ部とかサッカー部の友達にバレーの練習を付き合わせる代わりに、俺もバスケとかサッカーの練習に付き合ってた」
「うん、それってそんなに隠す必要のある話だった?」
「だって格好悪いだろ!」
「!?」
声を荒げる翔陽に思わず驚いてしまった。
「●●に練習付き合って貰ったり、今だって偉そうに教えているくせに、蓋を開けてみれば弱小中出身だったんだから……」
翔陽は格好悪いと言うけれど、私はそうは思わない。
だって、
「過去があったからこその今の翔陽でしょ?強豪だったら今よりも技術は身についていたかもしれないけれど、こうして休み時間まで練習しようと努力する翔陽はいなかったかもしれない」
自分で話していてありえないと思ってしまった。
だって翔陽は勝利に貪欲だから。
そのためなら努力を惜しまない。
そんな翔陽が強豪にいたら怠惰のような人間になるとは思えなかった。
ただ、今は翔陽に格好悪いだなんて思わせないことが大切。
だから私は、 翔陽に微笑む。
これは本心だ。
すると翔陽は照れたように笑って、
「ありがとう」
と言った。
「レシーブはサッと行ってスッと構えてポンッと!」
ただ、その教え方が上手だとはお世辞にも言えない。
「サッと?スッ?擬音語が多くて分かんないよ」
一生懸命に教えようとしてくれる様は嬉しいし、可愛らしくも感じるけれど、伝わらなければ意味がない。
翔陽は、
「おっかしいな。俺はこうやってリベロの先輩に教わったんだけど」
とブツブツ呟いている。
リベロと言うのはポジションのことだよね。
一体どんな先輩なのか。
きっと翔陽みたいに感覚で動くタイプだろう。
そう言えば……先日応援に行った試合でそんな先輩がいたような気がする。
翔陽に似て小柄で元気のある……。
いや、今はそんな話はどうでもいい。
「ねえ、教えてくれるのは嬉しいんだけど、翔陽はバスケの練習しなくてもいいの?」
現に体育館でうちのクラスの男子がバスケの練習をしている。
すると翔陽はニカッと笑って答えた。
「体育でバスケの授業やってるし、昔も……いや何でもない!」
「昔も……、何よ。隠されると気になる」
翔陽は、しまった!という顔をして、しばらく目を泳がせていたけれど、やがて諦めたように口を開いた。
「俺、中学でもバレー部だったんだけど、部員が俺しかいなくて……」
昔からバレーをしていたのは聞いたことがあったけれど、まさか部員がいなかっただなんて。
「それで、バスケ部とかサッカー部の友達にバレーの練習を付き合わせる代わりに、俺もバスケとかサッカーの練習に付き合ってた」
「うん、それってそんなに隠す必要のある話だった?」
「だって格好悪いだろ!」
「!?」
声を荒げる翔陽に思わず驚いてしまった。
「●●に練習付き合って貰ったり、今だって偉そうに教えているくせに、蓋を開けてみれば弱小中出身だったんだから……」
翔陽は格好悪いと言うけれど、私はそうは思わない。
だって、
「過去があったからこその今の翔陽でしょ?強豪だったら今よりも技術は身についていたかもしれないけれど、こうして休み時間まで練習しようと努力する翔陽はいなかったかもしれない」
自分で話していてありえないと思ってしまった。
だって翔陽は勝利に貪欲だから。
そのためなら努力を惜しまない。
そんな翔陽が強豪にいたら怠惰のような人間になるとは思えなかった。
ただ、今は翔陽に格好悪いだなんて思わせないことが大切。
だから私は、 翔陽に微笑む。
これは本心だ。
すると翔陽は照れたように笑って、
「ありがとう」
と言った。
