可愛いにも格好良いにもなれるキミ
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〜可愛いにも格好良いにもなれるキミ〜
「しょーよー!もう休み時間終わるよー!」
「もう少し!」
烏野高校に入って1番最初に出来た友達は女の子ではなく、男の子の日向翔陽だった。
それは元々の知り合いだとか、気が合うからだとか、私が可愛いからだとかではない。
翔陽の化け物みたいなコミュニケーション能力のおかげだ。
クラスに同じ中学出身の子がおらず、かと言ってクラスの子に話しかける勇気もない私は入学早々孤立していた。
そんな私を見兼ねてか、はたまたただの気まぐれか、翔陽が話しかけてくれた。
それが彼と仲良くなったきっかけ。
今では翔陽を通して女の子の友達ができたけれど、やっぱり1番最初に仲良くなった彼とは今でも最優先で一緒にいる。
そして今は、昼休みの時間を利用して翔陽のバレーボールの練習に付き合っている。
ほんの少しの時間、ボールを投げるだけでいいから、そう言われたのに、結局時間いっぱいまで付き合う羽目に。
嫌じゃないけれど、さすがに疲れる。
それに次の授業って確か……。
「ほら、岡田先生遅刻に煩いから戻るよ!」
「あっ、そうだった!」
岡田先生の名前を出すと、ようやく練習を止めてくれた。
だけど、今から教室に向かって間に合うのか。
いや、翔陽の足なら間に合うだろう。
それなら私は?
翔陽より足が遅い私には難しいかもしれない。
何で付き合わされた私が1人だけ怒られないといけないんだ。
理不尽極まりない。
だけど、どうせ間に合わないなら頑張って走るだけ無駄だ。
私は走る速度を落とした。
すると、それに気が付いた翔陽は、
「ほら、間に合わねぇぞ!」
私の元まで引き返して、腕を掴む。
「ちょっ……!」
「行くぞ!」
翔陽に無理やり腕を引っ張られ、嫌でも足が動いてしまう。
まるで身体が軽くなったみたい。
初めて階段を2段跳ばしで駆け上がる様は、さながらパルクールのよう。
少し大袈裟かもだけど。
こうしてチャイムが鳴る前に教室の前に着いた。
「なんとか間に合ったな」
「ハァ……ハァ……速いって……ハァ……」
息を切らす私とは違い、翔陽はケロっとしている。
本当に体力お化けなんたから。
翔陽が掴んだせいで、仄かに赤くなった自分の腕を見つめる。
小柄なのに意外と力強いんだな。
……。
…………。
って、何考えているんだろう。
別に小柄って言っても私よりも大きいし、彼は男なんだ。
力だってあるに決まっている。
このドキドキだって走ったせいで心臓が煩いだけ。
そう自分に言い聞かせて教室に入った。
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