〜第一章〜 偽りの性別
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あれから10年以上が経ち、今でもミリオとは仲良くやっている。
何でも話せる仲。
ただ一つ、性別を偽っていること以外は。
そのうち言える日が来るはず、なんて思いながらもタイミングが分からず、ズルズルと年月ばかりが過ぎて今に至る。
だから、個性を使いこなせるようになった今ではあえてミリオとは男の姿になって会っている。
幸い、学校は違うから女子高生の本来の姿は見られずに済んでいる。
「お!◯◯!遅いぞー!」
下の名前は相変わらず教えていない。
「ごめん、ごめん」
今日はミリオに誘われてショッピング。
色んなお店が入っている大型ショッピングモールでの買い物。
女の子の姿ならデートに見えるんだろうな、なんてお店のショーウィンドウに映った自分の姿を見ながら思った。
これだけ長い間一緒に過ごしているんだ、当然ミリオに惹かれないわけがない。
こんなにも明るくて、別け隔てなく接してくれて、私をいつも笑わせてくれて、太陽みたいな彼。
だけど、ミリオにとって私はただの男友達の一人に過ぎない。
切ない。
「今日は何を買いたいの?」
「服を見たくてね!」
「いつも直ぐに脱いじゃうのに?」
「もうそんなヘマは滅多にしないよ!」
滅多にってことはたまにするんだ。
「ふふっ、やっぱりミリオは面白いね」
「今、笑うところだったかなー?」
なんて首を傾げるミリオ。
「あっ!ここの服屋に入ってみたい!」
「おっけー」
はしゃぐように入店したミリオの後を私は遅れて付いて行った。
「これと、こっちならどっちがいい?」
そう言って二着の服を持って私に聞いてきた。
ミリオよ、それは彼女が彼氏にする定番な質問だよ。
まあ、女性と違って片方を選んだとしても、なんで?とか文句は言わないだろうけど。
だから、
「今日のパンツにはこっちの方が似合うんじゃない?」
と、当たり障りのない返しをした。
当たり障りのないと言いつつも、私の好みで選んだけども。
「分かった!◯◯の選んだ方にするよ!」
ミリオは会計へと向かった。
あんなに嬉しそうにして。
もしかして、デートに着ていく服を選んでいるのかな?
相手は誰だろう。
ミリオの好きな人?片思いの人?
それとも気になっている人?
その人と私が選んだ服を着て遊びに行くの?
ちょっと……いや、かなり嫌かも。
そんなことを考えているなんて知らず、会計を済ませてショップバッグを手にしたミリオが来た。
「お待たせ!」
「ううん。せっかくだし、パンツも見てみる?選ぶよ」
「本当に?助かる!」
本心を隠して良い人振る私も大概だ。
何でも話せる仲。
ただ一つ、性別を偽っていること以外は。
そのうち言える日が来るはず、なんて思いながらもタイミングが分からず、ズルズルと年月ばかりが過ぎて今に至る。
だから、個性を使いこなせるようになった今ではあえてミリオとは男の姿になって会っている。
幸い、学校は違うから女子高生の本来の姿は見られずに済んでいる。
「お!◯◯!遅いぞー!」
下の名前は相変わらず教えていない。
「ごめん、ごめん」
今日はミリオに誘われてショッピング。
色んなお店が入っている大型ショッピングモールでの買い物。
女の子の姿ならデートに見えるんだろうな、なんてお店のショーウィンドウに映った自分の姿を見ながら思った。
これだけ長い間一緒に過ごしているんだ、当然ミリオに惹かれないわけがない。
こんなにも明るくて、別け隔てなく接してくれて、私をいつも笑わせてくれて、太陽みたいな彼。
だけど、ミリオにとって私はただの男友達の一人に過ぎない。
切ない。
「今日は何を買いたいの?」
「服を見たくてね!」
「いつも直ぐに脱いじゃうのに?」
「もうそんなヘマは滅多にしないよ!」
滅多にってことはたまにするんだ。
「ふふっ、やっぱりミリオは面白いね」
「今、笑うところだったかなー?」
なんて首を傾げるミリオ。
「あっ!ここの服屋に入ってみたい!」
「おっけー」
はしゃぐように入店したミリオの後を私は遅れて付いて行った。
「これと、こっちならどっちがいい?」
そう言って二着の服を持って私に聞いてきた。
ミリオよ、それは彼女が彼氏にする定番な質問だよ。
まあ、女性と違って片方を選んだとしても、なんで?とか文句は言わないだろうけど。
だから、
「今日のパンツにはこっちの方が似合うんじゃない?」
と、当たり障りのない返しをした。
当たり障りのないと言いつつも、私の好みで選んだけども。
「分かった!◯◯の選んだ方にするよ!」
ミリオは会計へと向かった。
あんなに嬉しそうにして。
もしかして、デートに着ていく服を選んでいるのかな?
相手は誰だろう。
ミリオの好きな人?片思いの人?
それとも気になっている人?
その人と私が選んだ服を着て遊びに行くの?
ちょっと……いや、かなり嫌かも。
そんなことを考えているなんて知らず、会計を済ませてショップバッグを手にしたミリオが来た。
「お待たせ!」
「ううん。せっかくだし、パンツも見てみる?選ぶよ」
「本当に?助かる!」
本心を隠して良い人振る私も大概だ。