〜第二章〜 ズボラでも見捨てないで
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ーー赤葦sideーー
●●さんと喧嘩をしてから数日、彼女と連絡が取れないでいた。
最近は大学に部活、バイトに加え自動車学校にも通い出した。
そのせいか、心身ともに余裕がなかったのは認める。
免許を取ったら●●さんを1番に助手席に乗せる、なんて約束も俺が一方的にしたもの。
そう、全ては俺の独りよがり。
勝手に約束して、勝手に追い込まれて、勝手に余裕をなくして……。
そんな余裕のなさと意地が合わさり、つい拒絶するようなことをしてしまった。
だけど、それでも今回ばかりは謝りたくなかった。
「……あ」
考え事をしていたら、いつの間にかいつも●●さんの家に行く途中にあるスーパーに寄っていた。
そしてカゴの中にはいくつもの食材が。
染み付いた習慣と言うものは中々取れないらしい。
今からこの食材を戻すのも気が引けたため、そのままレジへ持っていくことにした。
……。
…………。
買い物を終えた後、●●さんの家の前へ。
扉を前に深呼吸をし、インターフォンを押す。
合鍵は持っているけれど、なんとなく使いにくかったから。
「……」
少し待ってみたけれど反応がない。
この時間はやっぱりまだ仕事中か。
無理をして体を壊さないといいけど……。
引き返そうとした時、部屋の中からうめき声が聞こえた気がした。
「●●さん?」
もしかして本当に体調を崩しているのかもしれない。
なんとなく合鍵を使いにくい、なんて言っている場合ではない。
急いで鞄から取り出した鍵を差し込んで回し、ドアを開けた。
中は暗くてよく見えないが、玄関に●●さんの仕事用の靴はある。
「●●さん?」
名前を呼んでみても反応がない。
取り敢えず靴を脱いで部屋に上がると、ごみ袋がなかった。
この間来たときはたくさん転がっていたのに。
「片付けたんだ……」
喜ばしいことだけれど、感心している場合ではない。
寝室に足を運ぶと、●●さんがベッドに横たわっていた。
「●●さん、大丈夫ですか!?」
顔を見ると、額に汗が浮かんでいる。
呼吸も荒いし、熱があるのかもしれない。
「京治君……ハァ……ハァ……なんで……」
「そんなことより、ちゃんと水分は取っていますか?」
●●さんは力なく首を横に振った。
「待っていてください。直ぐに用意しますから」
キッチンへと向かい、棚からコップを取り出すと、ふとシンクに目がいった。
そこには空になったタッパーが。
俺が作り置きのおかずを入れておいたタッパーだ。
ごみ箱にも三角コーナーにも中身は捨てられていない。
……と、なると。
水を入れたコップを手に彼女の元へと戻った。
「●●さん……あのおかず全部食べたんですか?」
「うん……」
●●さんの体調不良の原因は俺の作り置きのせいだ。
きっと傷んだおかずを食べて食中りを起こしている。
「捨ててくれたら良かったのに……」
「そんな事できないよ。だって京治君が心を込めて作ってくれたんだから。……なんて、傷むまで放置しちゃった私が言えた義理じゃないけど」
「●●さん……」
ふわっと優しく微笑む彼女の顔を見た瞬間、心が締め付けられるように痛んだ。
愛しさが込み上げる。
「京治君……ごめん……」
謝りたいのは俺の方なのに、何故か●●さんは謝ってきた。
だけど、その理由は直ぐに分かった。
「気持ち悪い……」
●●さんの顔は真っ青になっていた。
「お手洗いまで行けますか?それとも何か袋……」
とは言ったものの、袋を探すくらいならトイレへ連れて行った方が早い。
「すみません、抱き抱えますね」
俺は●●さんの返事も聞かずに彼女を抱き抱えた。
「……うぅ……っ……」
今にも吐きそうな●●さん。
「我慢できなければ、そのまま吐いてもらってもいいですから」
なんとか間に合いトイレへ運び込むと、便器の前に●●さんを屈ませた。
そして、苦しそうにえづいている彼女の背中をさする。
だけど、中々吐こうとはしなかった。
「こんな、ところ……み、……見られたくない……っっ」
そう言うことか。
●●さんの気持ちは分かるけど、我慢させるワケにもいかない。
「そんなことで幻滅なんてしませんから。今は自分の体調を1番に考えてください」
「でも……」
「吐かないと、無理にでも手を口に突っ込んで吐かせます」
「!?」
●●さんは目を見開いて驚いた。
だけど、俺は冗談ではなく本気だ。
それを聞いて観念したのか、彼女は胃の中の物を吐き出した。
●●さんと喧嘩をしてから数日、彼女と連絡が取れないでいた。
最近は大学に部活、バイトに加え自動車学校にも通い出した。
そのせいか、心身ともに余裕がなかったのは認める。
免許を取ったら●●さんを1番に助手席に乗せる、なんて約束も俺が一方的にしたもの。
そう、全ては俺の独りよがり。
勝手に約束して、勝手に追い込まれて、勝手に余裕をなくして……。
そんな余裕のなさと意地が合わさり、つい拒絶するようなことをしてしまった。
だけど、それでも今回ばかりは謝りたくなかった。
「……あ」
考え事をしていたら、いつの間にかいつも●●さんの家に行く途中にあるスーパーに寄っていた。
そしてカゴの中にはいくつもの食材が。
染み付いた習慣と言うものは中々取れないらしい。
今からこの食材を戻すのも気が引けたため、そのままレジへ持っていくことにした。
……。
…………。
買い物を終えた後、●●さんの家の前へ。
扉を前に深呼吸をし、インターフォンを押す。
合鍵は持っているけれど、なんとなく使いにくかったから。
「……」
少し待ってみたけれど反応がない。
この時間はやっぱりまだ仕事中か。
無理をして体を壊さないといいけど……。
引き返そうとした時、部屋の中からうめき声が聞こえた気がした。
「●●さん?」
もしかして本当に体調を崩しているのかもしれない。
なんとなく合鍵を使いにくい、なんて言っている場合ではない。
急いで鞄から取り出した鍵を差し込んで回し、ドアを開けた。
中は暗くてよく見えないが、玄関に●●さんの仕事用の靴はある。
「●●さん?」
名前を呼んでみても反応がない。
取り敢えず靴を脱いで部屋に上がると、ごみ袋がなかった。
この間来たときはたくさん転がっていたのに。
「片付けたんだ……」
喜ばしいことだけれど、感心している場合ではない。
寝室に足を運ぶと、●●さんがベッドに横たわっていた。
「●●さん、大丈夫ですか!?」
顔を見ると、額に汗が浮かんでいる。
呼吸も荒いし、熱があるのかもしれない。
「京治君……ハァ……ハァ……なんで……」
「そんなことより、ちゃんと水分は取っていますか?」
●●さんは力なく首を横に振った。
「待っていてください。直ぐに用意しますから」
キッチンへと向かい、棚からコップを取り出すと、ふとシンクに目がいった。
そこには空になったタッパーが。
俺が作り置きのおかずを入れておいたタッパーだ。
ごみ箱にも三角コーナーにも中身は捨てられていない。
……と、なると。
水を入れたコップを手に彼女の元へと戻った。
「●●さん……あのおかず全部食べたんですか?」
「うん……」
●●さんの体調不良の原因は俺の作り置きのせいだ。
きっと傷んだおかずを食べて食中りを起こしている。
「捨ててくれたら良かったのに……」
「そんな事できないよ。だって京治君が心を込めて作ってくれたんだから。……なんて、傷むまで放置しちゃった私が言えた義理じゃないけど」
「●●さん……」
ふわっと優しく微笑む彼女の顔を見た瞬間、心が締め付けられるように痛んだ。
愛しさが込み上げる。
「京治君……ごめん……」
謝りたいのは俺の方なのに、何故か●●さんは謝ってきた。
だけど、その理由は直ぐに分かった。
「気持ち悪い……」
●●さんの顔は真っ青になっていた。
「お手洗いまで行けますか?それとも何か袋……」
とは言ったものの、袋を探すくらいならトイレへ連れて行った方が早い。
「すみません、抱き抱えますね」
俺は●●さんの返事も聞かずに彼女を抱き抱えた。
「……うぅ……っ……」
今にも吐きそうな●●さん。
「我慢できなければ、そのまま吐いてもらってもいいですから」
なんとか間に合いトイレへ運び込むと、便器の前に●●さんを屈ませた。
そして、苦しそうにえづいている彼女の背中をさする。
だけど、中々吐こうとはしなかった。
「こんな、ところ……み、……見られたくない……っっ」
そう言うことか。
●●さんの気持ちは分かるけど、我慢させるワケにもいかない。
「そんなことで幻滅なんてしませんから。今は自分の体調を1番に考えてください」
「でも……」
「吐かないと、無理にでも手を口に突っ込んで吐かせます」
「!?」
●●さんは目を見開いて驚いた。
だけど、俺は冗談ではなく本気だ。
それを聞いて観念したのか、彼女は胃の中の物を吐き出した。
