〜第一章〜 ズボラでも愛して
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「美味しい〜」
私は感動とともに、思わず声に出してしまった。
最後にまともに自炊したのはいつだろうか。
結局、赤葦君が買ってきてくれた食材で、私ではなく彼に朝食を作ってもらうことになった。
「大袈裟な。ただの目玉焼きトーストですよ」
そんなことを言うけれど、焼き目のついたトーストには、愛らしいタコさんウインナーが添えられ、新鮮なサラダと淹れたてのコーヒーまで付いてきた。
完璧なワンプレートだ。
「大袈裟なんかじゃないよ!1人暮らししてから、こういうの全然食べなくなったから、本当に美味しい!」
「それならよかったです」
赤葦君はニコッと笑った。
その屈託のない笑顔に、胃袋だけではなく、心まで掴まれそうになる。
危ない危ない、相手は高校生……。
私は慌てて自分に言い聞かせた。
朝食を終え、美味しい余韻とともに一息ついていると、赤葦君が言った。
「では、俺はそろそろ……」
帰るのかと思いきや、彼は鞄からおもむろに分厚い参考書とノートを取り出した。
「え、勉強するの?」
「最初に伝えたじゃないですか、勉強もできて一石二鳥だと」
掃除にご飯まで作ってもらって、今さら「帰れ」なんて言えるほど、薄情になれなかった。
「なら、ここのテーブル使って」
「ありがとうございます」
小さなローテーブルと座椅子を赤葦君に譲り、私は彼の邪魔にならないようにベッドへ横になり、動画サービスのサブスクで映画を観ることにした。
ゆっくりしたい日だったから、むしろ都合がいい。
映画を観ながらも、ときたま赤葦君を盗み見すると、彼は私の視線に気付かないほど真面目に勉強をしていた。
これほどの集中力なら、カフェでも図書館でも、どこでも勉強が捗りそうなのに……。
……。
…………。
「ん〜っ」
映画を1本観終わり、私は大きく背伸びをした。
赤葦君の進捗具合はどうかな……。
チラりと彼の方に視線を移すと、広げられたノートに文字が飛び込んできた。
「うわー、懐かしい。その勉強、したなー」
綺麗に書かれたノートには、高校時代に習った懐かしの単語や複雑な数式が書かれていた。
「●●さんは、どんな学生でしたか」
彼は手を止めて、私に尋ねた。
「どんなって言われても、そこそこ勉強して、部活もそれなりにやって。当たり障りのない感じだったかな。赤葦君は?」
「俺は……」
「あ、待って!当ててあげる。赤葦君って、会って間もない私の世話をあれこれ焼いてくれるから、学校でも相当の変人扱いされてるでしょ」
「ははは、そうですね」
彼は楽しそうに笑った。
この間は大人びて見えた赤葦君だけど、今は年相応の少年に見えた。
雑談もほどほどに、彼は再び勉強を再開した。
……。
…………。
彼が参考書を閉じる頃には、窓の外はすっかり夕焼け空になっていた。
「長居してしまってすみません。お邪魔しました」
「いやいや、こちらこそありがとうね。また来ていいから」
私は玄関で赤葦君を見送ると、彼は軽く会釈をしてから帰っていった。
座椅子、もう1台買おうかな……。
そう思いながら部屋に戻ると、何だかいつもより広く感じた。
片付いているせいか、それとも1人になったからか。
「……あれ」
ふと、リビングのサイドボードの上に目が行った。
そこには、私とユウタが楽しそうに写った写真立てが飾られている。
「捨ててくれて良かったのに」
私はそう呟き、まだ余裕のあるごみ袋に、それを静かに入れた。
私は感動とともに、思わず声に出してしまった。
最後にまともに自炊したのはいつだろうか。
結局、赤葦君が買ってきてくれた食材で、私ではなく彼に朝食を作ってもらうことになった。
「大袈裟な。ただの目玉焼きトーストですよ」
そんなことを言うけれど、焼き目のついたトーストには、愛らしいタコさんウインナーが添えられ、新鮮なサラダと淹れたてのコーヒーまで付いてきた。
完璧なワンプレートだ。
「大袈裟なんかじゃないよ!1人暮らししてから、こういうの全然食べなくなったから、本当に美味しい!」
「それならよかったです」
赤葦君はニコッと笑った。
その屈託のない笑顔に、胃袋だけではなく、心まで掴まれそうになる。
危ない危ない、相手は高校生……。
私は慌てて自分に言い聞かせた。
朝食を終え、美味しい余韻とともに一息ついていると、赤葦君が言った。
「では、俺はそろそろ……」
帰るのかと思いきや、彼は鞄からおもむろに分厚い参考書とノートを取り出した。
「え、勉強するの?」
「最初に伝えたじゃないですか、勉強もできて一石二鳥だと」
掃除にご飯まで作ってもらって、今さら「帰れ」なんて言えるほど、薄情になれなかった。
「なら、ここのテーブル使って」
「ありがとうございます」
小さなローテーブルと座椅子を赤葦君に譲り、私は彼の邪魔にならないようにベッドへ横になり、動画サービスのサブスクで映画を観ることにした。
ゆっくりしたい日だったから、むしろ都合がいい。
映画を観ながらも、ときたま赤葦君を盗み見すると、彼は私の視線に気付かないほど真面目に勉強をしていた。
これほどの集中力なら、カフェでも図書館でも、どこでも勉強が捗りそうなのに……。
……。
…………。
「ん〜っ」
映画を1本観終わり、私は大きく背伸びをした。
赤葦君の進捗具合はどうかな……。
チラりと彼の方に視線を移すと、広げられたノートに文字が飛び込んできた。
「うわー、懐かしい。その勉強、したなー」
綺麗に書かれたノートには、高校時代に習った懐かしの単語や複雑な数式が書かれていた。
「●●さんは、どんな学生でしたか」
彼は手を止めて、私に尋ねた。
「どんなって言われても、そこそこ勉強して、部活もそれなりにやって。当たり障りのない感じだったかな。赤葦君は?」
「俺は……」
「あ、待って!当ててあげる。赤葦君って、会って間もない私の世話をあれこれ焼いてくれるから、学校でも相当の変人扱いされてるでしょ」
「ははは、そうですね」
彼は楽しそうに笑った。
この間は大人びて見えた赤葦君だけど、今は年相応の少年に見えた。
雑談もほどほどに、彼は再び勉強を再開した。
……。
…………。
彼が参考書を閉じる頃には、窓の外はすっかり夕焼け空になっていた。
「長居してしまってすみません。お邪魔しました」
「いやいや、こちらこそありがとうね。また来ていいから」
私は玄関で赤葦君を見送ると、彼は軽く会釈をしてから帰っていった。
座椅子、もう1台買おうかな……。
そう思いながら部屋に戻ると、何だかいつもより広く感じた。
片付いているせいか、それとも1人になったからか。
「……あれ」
ふと、リビングのサイドボードの上に目が行った。
そこには、私とユウタが楽しそうに写った写真立てが飾られている。
「捨ててくれて良かったのに」
私はそう呟き、まだ余裕のあるごみ袋に、それを静かに入れた。
