〜第一章〜 ズボラでも愛して
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向かう途中で雨がやむことを願ったけれど、そんな都合の良いことはなく、家に着く頃には一層激しさを増していた。
「赤葦君、少し待ってて」
「はい」
私は赤葦君を外で待たせ、慌てて家へと入った。
本当は、傘だけでなく中へ入って、シャワーでも浴びていってもらいたい。
だけど、とてもじゃないけれど、こんな散らかり放題の家には上げられない。
ましてや相手は未成年。
少し仲良くなったからといって、部屋に連れ込むのは、いけない。
大人の私がしっかりしないと。
そんなことより、早く傘とタオルを持っていかないと。
「えーっと、傘は玄関に置いてあるけど、タオルはどこだっけ……」
服の山を蹴散らし、タオルの山を漁る。
これは使用済みのバスタオル。こっちは……もはや何に使ったか思い出せない雑巾のようなもの。
部屋が汚すぎて、綺麗なタオルを探すのにひどく手間取った。
ようやく見つけた、洗濯したてのタオルを手に取り、私は急いでドアを開けた。
「お待たせ!」
ドアの外で待っていた赤葦君は、両腕を擦って寒さに耐えているようだった。
濡れた髪から滴る水滴が、彼の形の良い頬を静かに伝っている。
待たせすぎて本当に申し訳ない。
「はい、傘とタオル。良かったら使って」
「ありがとうございます」
男子高校生が使うには、少しファンシーで可愛らしい花柄のデザインの傘だけれど、ないよりかはマシだろう。
彼はそれらを受け取ると、すぐにタオルで濡れた髪を拭き始めた。
その仕草が、妙に色っぽくて、一瞬、胸がドキリとした。
……いやいや、私は何を考えているんだ。
邪念を振り払うように、私は軽く頭を振った。
「返すのはいつでもいいからね。なんだったら適当に玄関先に置いておいてくれてもいいし」
どうせ、安物の傘とタオルだ。
最悪盗まれても、また買えばいい。
それなのに、赤葦君はしばらくその花柄の傘をじっと見つめてから、口を開いた。
「明日は仕事、お休みですか?」
「え、うん。そうだけど」
「午前中に返しにいきます。失礼します」
そう言うと、彼は深々と頭を下げ、傘を差して雨の降る夜の闇の中を帰って行った。
やっぱりあの傘は、彼には可愛すぎる。
そんなことよりも、返しに来る?
「……部屋の掃除、しないと!」
だけど、一日の疲れと、雨に濡れた身体の冷たさがそれを許さない。
今日はもう疲れたから、明日の朝でいいか。
そもそも、玄関先で受け取れば、中を見られる問題はないよね。
びちゃびちゃになったビジネスバッグを床に投げ捨て、シワだらけのスーツを脱ぎ散らかし、私はお風呂場へ向かった。
温かいシャワーを浴びながらも、考えるのは赤葦君のことばかりだった。
無事に帰れたかな。
風邪、引かないといいけど。
「赤葦君、少し待ってて」
「はい」
私は赤葦君を外で待たせ、慌てて家へと入った。
本当は、傘だけでなく中へ入って、シャワーでも浴びていってもらいたい。
だけど、とてもじゃないけれど、こんな散らかり放題の家には上げられない。
ましてや相手は未成年。
少し仲良くなったからといって、部屋に連れ込むのは、いけない。
大人の私がしっかりしないと。
そんなことより、早く傘とタオルを持っていかないと。
「えーっと、傘は玄関に置いてあるけど、タオルはどこだっけ……」
服の山を蹴散らし、タオルの山を漁る。
これは使用済みのバスタオル。こっちは……もはや何に使ったか思い出せない雑巾のようなもの。
部屋が汚すぎて、綺麗なタオルを探すのにひどく手間取った。
ようやく見つけた、洗濯したてのタオルを手に取り、私は急いでドアを開けた。
「お待たせ!」
ドアの外で待っていた赤葦君は、両腕を擦って寒さに耐えているようだった。
濡れた髪から滴る水滴が、彼の形の良い頬を静かに伝っている。
待たせすぎて本当に申し訳ない。
「はい、傘とタオル。良かったら使って」
「ありがとうございます」
男子高校生が使うには、少しファンシーで可愛らしい花柄のデザインの傘だけれど、ないよりかはマシだろう。
彼はそれらを受け取ると、すぐにタオルで濡れた髪を拭き始めた。
その仕草が、妙に色っぽくて、一瞬、胸がドキリとした。
……いやいや、私は何を考えているんだ。
邪念を振り払うように、私は軽く頭を振った。
「返すのはいつでもいいからね。なんだったら適当に玄関先に置いておいてくれてもいいし」
どうせ、安物の傘とタオルだ。
最悪盗まれても、また買えばいい。
それなのに、赤葦君はしばらくその花柄の傘をじっと見つめてから、口を開いた。
「明日は仕事、お休みですか?」
「え、うん。そうだけど」
「午前中に返しにいきます。失礼します」
そう言うと、彼は深々と頭を下げ、傘を差して雨の降る夜の闇の中を帰って行った。
やっぱりあの傘は、彼には可愛すぎる。
そんなことよりも、返しに来る?
「……部屋の掃除、しないと!」
だけど、一日の疲れと、雨に濡れた身体の冷たさがそれを許さない。
今日はもう疲れたから、明日の朝でいいか。
そもそも、玄関先で受け取れば、中を見られる問題はないよね。
びちゃびちゃになったビジネスバッグを床に投げ捨て、シワだらけのスーツを脱ぎ散らかし、私はお風呂場へ向かった。
温かいシャワーを浴びながらも、考えるのは赤葦君のことばかりだった。
無事に帰れたかな。
風邪、引かないといいけど。
