男の子のお姫様
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演劇の余韻を感じる間もなく、次の出し物の準備が始まった。
パンフレットによると次は映画作成をしたクラスの出し物らしい。
浩輔君のクラスは速やかに舞台から履けて、観客席側へと降りてきた。
浩輔君は見てくれていた友達らしき生徒と楽しそうに話をしている。
私も一言話したい。
「カオリ、ちょっと………」
「いいよ、行ってきなよ。私はまた弟の教室に行ってからかってくるから」
私の視線の先にいる浩輔君に気づいたのか、カオリは気を利かせてくれた。
「ごめんね、ありがとう!」
私は浩輔君の元へと向かった。
「浩輔君!」
「●●さん……来てたんですね」
「何だ、彼女か?それなら俺はもう行くわ」
さっきまで浩輔君と話していた男子生徒はまたな、と去っていった。
「勝手に来てごめんね。嫌そうだったのに」
「……次のクラスの出し物があるので、場所移動しましょうか」
「あ、うん」
浩輔君に手を引かれた。
途中、ヒールに慣れていないのか、ガラスの靴が脱げてしまった浩輔君。
「うわぁっ」
なんだか、劇中と同じ展開にクスっと笑えてしまった。
「履かなくていいの?」
「次の公演までにヒールを折るといけないので、このままでいいです」
なんて言って、使われていない教室へと入った。
入口には1-Aの札が。
そうか、浩輔君のクラスは演劇だから教室は荷物置きになっているのね。
普段、ここで浩輔君は勉強しているのか……。
「ねえ、浩輔君の席はどこ?」
「え、あーそこです」
指差された席へ腰掛ける私。
浩輔君も隣の席へと座ってくれた。
数年前まで私も高校生だったのに、なんだか随分前のことのように思えた。
感傷に浸っていると、
「こんな姿を見られたくなかったから、来てほしくなかったのに」
と言ってきた。
「●●さんに女装した姿を見られたくなかったです。もっと格好良い姿を……」
「学校の部活PR動画の浩輔君、格好良かったよ!」
「アレ、見たんですね」
「だって、浩輔君のこと知りたかったから」
「言ってくれれば何でも教えたのに」
「それなら、なんで最近避けていたの?」
「………好きだから避けていました」
好きだから……?
本当に?嬉しい。
気持ちが高揚した私は浩輔君が持っていたガラスの靴を取り上げた。
背丈は私とさほど変わらないのに、靴は大きいんだね。
足が大きい人って将来背が高くなるって言うけれど、浩輔君はどうかな?
劇中の王子様のように浩輔君の前に跪いた私はガラスの靴を履かせた。
「ぴったりだ!あなたは私の運命の人だ。どうか私と結婚してくださいませんか」
「●●さん……」
「違うでしょう?」
演劇と同じセリフを言うように促した。
「えっと……王子様、嬉しいわ。私もあなたと結婚したいです」
「二人はキスを落としました………ほら」
「え、だってアレは振りだったし」
「それなら、王子役の私がリードしないとね」
「え、ちょっ」
なんて戸惑っているけれど、しっかりと目を閉じて受け入れる準備をしている浩輔君。
ちゅっ
唇ではなく、おでこにキスをした。
「王子様とシンデレラは結ばれ、幸せに暮らしました。めでたしめでたし」
「え、おでこ……」
万が一私が浩輔君に最初に抱いていた感情のように、浩輔君も私のことを姉みたいで好き、と思っている可能性があったから。
だから、
「もし浩輔君も私のことを異性として好きなら、返事は唇にして欲しいな」
「そ、そんな」
「ささ、私は友達を待たせているし、浩輔君も次の公演の準備があるんじゃない?」
今度は私が浩輔君の手を引いて教室を出た。
ーーFinーー
パンフレットによると次は映画作成をしたクラスの出し物らしい。
浩輔君のクラスは速やかに舞台から履けて、観客席側へと降りてきた。
浩輔君は見てくれていた友達らしき生徒と楽しそうに話をしている。
私も一言話したい。
「カオリ、ちょっと………」
「いいよ、行ってきなよ。私はまた弟の教室に行ってからかってくるから」
私の視線の先にいる浩輔君に気づいたのか、カオリは気を利かせてくれた。
「ごめんね、ありがとう!」
私は浩輔君の元へと向かった。
「浩輔君!」
「●●さん……来てたんですね」
「何だ、彼女か?それなら俺はもう行くわ」
さっきまで浩輔君と話していた男子生徒はまたな、と去っていった。
「勝手に来てごめんね。嫌そうだったのに」
「……次のクラスの出し物があるので、場所移動しましょうか」
「あ、うん」
浩輔君に手を引かれた。
途中、ヒールに慣れていないのか、ガラスの靴が脱げてしまった浩輔君。
「うわぁっ」
なんだか、劇中と同じ展開にクスっと笑えてしまった。
「履かなくていいの?」
「次の公演までにヒールを折るといけないので、このままでいいです」
なんて言って、使われていない教室へと入った。
入口には1-Aの札が。
そうか、浩輔君のクラスは演劇だから教室は荷物置きになっているのね。
普段、ここで浩輔君は勉強しているのか……。
「ねえ、浩輔君の席はどこ?」
「え、あーそこです」
指差された席へ腰掛ける私。
浩輔君も隣の席へと座ってくれた。
数年前まで私も高校生だったのに、なんだか随分前のことのように思えた。
感傷に浸っていると、
「こんな姿を見られたくなかったから、来てほしくなかったのに」
と言ってきた。
「●●さんに女装した姿を見られたくなかったです。もっと格好良い姿を……」
「学校の部活PR動画の浩輔君、格好良かったよ!」
「アレ、見たんですね」
「だって、浩輔君のこと知りたかったから」
「言ってくれれば何でも教えたのに」
「それなら、なんで最近避けていたの?」
「………好きだから避けていました」
好きだから……?
本当に?嬉しい。
気持ちが高揚した私は浩輔君が持っていたガラスの靴を取り上げた。
背丈は私とさほど変わらないのに、靴は大きいんだね。
足が大きい人って将来背が高くなるって言うけれど、浩輔君はどうかな?
劇中の王子様のように浩輔君の前に跪いた私はガラスの靴を履かせた。
「ぴったりだ!あなたは私の運命の人だ。どうか私と結婚してくださいませんか」
「●●さん……」
「違うでしょう?」
演劇と同じセリフを言うように促した。
「えっと……王子様、嬉しいわ。私もあなたと結婚したいです」
「二人はキスを落としました………ほら」
「え、だってアレは振りだったし」
「それなら、王子役の私がリードしないとね」
「え、ちょっ」
なんて戸惑っているけれど、しっかりと目を閉じて受け入れる準備をしている浩輔君。
ちゅっ
唇ではなく、おでこにキスをした。
「王子様とシンデレラは結ばれ、幸せに暮らしました。めでたしめでたし」
「え、おでこ……」
万が一私が浩輔君に最初に抱いていた感情のように、浩輔君も私のことを姉みたいで好き、と思っている可能性があったから。
だから、
「もし浩輔君も私のことを異性として好きなら、返事は唇にして欲しいな」
「そ、そんな」
「ささ、私は友達を待たせているし、浩輔君も次の公演の準備があるんじゃない?」
今度は私が浩輔君の手を引いて教室を出た。
ーーFinーー
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