男の子のお姫様
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ついに訪れた文化祭当日。
校門をくぐると、生徒たちが客寄せに必死で賑わっていた。
「焼きそばいかがですかー!美味しいよ!」
「フランクフルト、焼きたてだよ、お姉さん!」
運動着の袖を肩まで捲り上げ、首にはタオル。
額に汗を浮かべた男子生徒たちが、大きな鉄板を前にせっせと腕を振るっている。
香ばしいソースの香りが風に乗って鼻をくすぐり、いかにも学祭といった活気に包まれる。
そんな喧騒をすり抜けながら、入り口で貰ったパンフレットを眺め、カオリが隣で尋ねてきた。
「どこか見たいところある?」
「……演劇が見たい。1-Aのやつ」
私は迷わず、目的地を告げる。
「おっけー。あー、でも上映時間、まだ先だね」
「そっか……」
少しだけ落胆した私に、カオリが代案を出した。
「じゃあ、私の弟のクラス行こうよ」
カオリの弟のクラスが企画していたのは、いわゆる男女逆転カフェ。
「えーっと、弟のクラスは……あった!ここ!」
一歩足を踏み入れると、そこには異様な光景が広がっていた。
女子生徒は燕尾服に身を包んでいるけれど、圧倒的に数が多いのは、フリルやレースをあしらったメイド服を着こなした男子生徒たち。
屈強な体格の生徒が大半で、一言で言えばむさ苦しい。
カオリの弟君もその例外ではない。
「ちょっ、アンタその格好……!似合わなすぎてウケるんだけど!」
「うっせぇな姉貴!早く注文決めろよ!」
爆笑するカオリと、真っ赤になってメニューを差し出す弟君。
そのやり取りを微笑ましく眺めながらも、私の頭の中には、別の人物が同じ服を着ている姿が浮かんでいた。
浩輔君なら、きっとこのメイド服も可愛く着こなしちゃうんだろうな……。
1人で妄想をし、顔が熱くなるのを感じた。
「格好はアレだけど、このケーキ、意外と美味しいね」
「本当だね、工業生が作ったとは思えないくらい」
2人でケーキを味わっていると、不意に教室の入り口から声が響いた。
「ちょっと宣伝失礼しますねー!」
入ってきたのは、豪華なドレスに身を包んだ男子生徒。
手には手持ち看板があり、そこには大きくシンデレラの文字。
「1-A組は体育館で演劇をします!もうすぐ開演なので、ぜひ来てくださいね!」
彼は一礼して、風のように去っていった。
「1-Aって、●●が行きたいって言ってたクラスだよね?さっきの子がシンデレラかな?演劇もここみたいに、男女入れ替えるっぽいね」
「う、うーん。そうかも……」
シンデレラ……。
ヒロイン、意地悪な継母、義理の姉たち、そして魔法使い。
登場人物の多くは女性だ。
あの手の甲を埋め尽くしていたお経のようなセリフの量……。
もし、この演劇も配役を入れ替えているのだとしたら、浩輔君が「来てほしくない」と言っていた理由が、ようやく腑に落ちた気がした。
「食べ終わった?良い席確保したいから、もう行くよ!」
「あ、ちょっと待って……!」
私は残っていた飲み物を一気に飲み干すと、急ぎ足で体育館へと向かうカオリの背中を追った。
校門をくぐると、生徒たちが客寄せに必死で賑わっていた。
「焼きそばいかがですかー!美味しいよ!」
「フランクフルト、焼きたてだよ、お姉さん!」
運動着の袖を肩まで捲り上げ、首にはタオル。
額に汗を浮かべた男子生徒たちが、大きな鉄板を前にせっせと腕を振るっている。
香ばしいソースの香りが風に乗って鼻をくすぐり、いかにも学祭といった活気に包まれる。
そんな喧騒をすり抜けながら、入り口で貰ったパンフレットを眺め、カオリが隣で尋ねてきた。
「どこか見たいところある?」
「……演劇が見たい。1-Aのやつ」
私は迷わず、目的地を告げる。
「おっけー。あー、でも上映時間、まだ先だね」
「そっか……」
少しだけ落胆した私に、カオリが代案を出した。
「じゃあ、私の弟のクラス行こうよ」
カオリの弟のクラスが企画していたのは、いわゆる男女逆転カフェ。
「えーっと、弟のクラスは……あった!ここ!」
一歩足を踏み入れると、そこには異様な光景が広がっていた。
女子生徒は燕尾服に身を包んでいるけれど、圧倒的に数が多いのは、フリルやレースをあしらったメイド服を着こなした男子生徒たち。
屈強な体格の生徒が大半で、一言で言えばむさ苦しい。
カオリの弟君もその例外ではない。
「ちょっ、アンタその格好……!似合わなすぎてウケるんだけど!」
「うっせぇな姉貴!早く注文決めろよ!」
爆笑するカオリと、真っ赤になってメニューを差し出す弟君。
そのやり取りを微笑ましく眺めながらも、私の頭の中には、別の人物が同じ服を着ている姿が浮かんでいた。
浩輔君なら、きっとこのメイド服も可愛く着こなしちゃうんだろうな……。
1人で妄想をし、顔が熱くなるのを感じた。
「格好はアレだけど、このケーキ、意外と美味しいね」
「本当だね、工業生が作ったとは思えないくらい」
2人でケーキを味わっていると、不意に教室の入り口から声が響いた。
「ちょっと宣伝失礼しますねー!」
入ってきたのは、豪華なドレスに身を包んだ男子生徒。
手には手持ち看板があり、そこには大きくシンデレラの文字。
「1-A組は体育館で演劇をします!もうすぐ開演なので、ぜひ来てくださいね!」
彼は一礼して、風のように去っていった。
「1-Aって、●●が行きたいって言ってたクラスだよね?さっきの子がシンデレラかな?演劇もここみたいに、男女入れ替えるっぽいね」
「う、うーん。そうかも……」
シンデレラ……。
ヒロイン、意地悪な継母、義理の姉たち、そして魔法使い。
登場人物の多くは女性だ。
あの手の甲を埋め尽くしていたお経のようなセリフの量……。
もし、この演劇も配役を入れ替えているのだとしたら、浩輔君が「来てほしくない」と言っていた理由が、ようやく腑に落ちた気がした。
「食べ終わった?良い席確保したいから、もう行くよ!」
「あ、ちょっと待って……!」
私は残っていた飲み物を一気に飲み干すと、急ぎ足で体育館へと向かうカオリの背中を追った。
