男の子のお姫様
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やってきた約束の日。時刻はおやつ時。
浩輔君はどんな私服だろう。
楽しみに待っていると、
「●●さん!」
現れた浩輔君の格好は緑のブレザーにオレンジのネクタイ、そしてグレーのスラックスだった。
「制服………今日授業だったの?」
部活はないって言っていたし、休日だから勝手に学校は休みだと思っていた。
「あ、いえ。文化祭が近いのでさっきまで学校で準備をしていました」
文化祭かー。
行ってみたいけど、部外者って行ってもいいんだっけ?
そんなことを考えながら、目的地のお店へと向かった。
「ここです」
今流行りのパンケーキのお店。
店員さんに案内されて席へ着く。
周りは女性客が多かったけど、格好こそ制服の浩輔君も可愛いらしいお顔をしているので、全く違和感がなかった。
「何にしますか?」
「んーとね…………あっ」
メニュー表を持つ浩輔君の手の甲に、マジックペンで書かれた文字に気が付いた。
持ち物リストの様な可愛い量ではなく、例えるならお経。
汗のせいか全体的に滲んでしまっているけど、それはおそらく何かのセリフに見えた。
私は指を差しながら浩輔君に尋ねた。
「これ、何が書いてあるの?」
「ああっ」
焦るように手の甲をもう片方の手で覆って隠した浩輔君。
そんなに見られたくなかったのかな?
「ごめんね、文字までは読んでいないから」
と、弁明した。
「文化祭で僕のクラスは演劇をやることになって、そのカンペです」
なるほど。
工業高校だから勝手に機械制作の展示をやるものばかりだと思っていたけど、演劇とか普通科の学校とそんなに変わらないんだ。
「浩輔君は何の役をやるの?」
「えっ!………言いたくないです」
言えない役………もしかして“木”とか“村人B”の役?
いやいや、それならあんなお経みたいなカンペにはならないはず。
主役級とみた。
「隠されると気になるなー。文化祭行っちゃおうかな」
「来てほしくないですけど、僕に拒否する権利はないので……」
そんなあからさまに拒否されるとは思っていなかったから、ズキッと心が痛んだ。
だって、今日に至るまでも文面は堅いけれど、楽しくメッセージのやり取りだってしていたのに。
気まずさを引きずりながらも、注文を済ませた。
運ばれてきたパンケーキは、生クリームたっぷりで様々なベリーが散りばめられていた。
「凄いボリューム……写真撮ってもいいかな?」
「はい」
私は浩輔君に断りを入れてからスマホを取り出し、何枚かパンケーキの写真を撮った。
撮り終わっても、しばらくスマホを構えたままの私。
画面越しにパンケーキを頬張る浩輔君を眺めていたから。
可愛い。
気付かれないようにこっそりと1枚だけその姿を写真に収めた。
それからようやくパンケーキに手を付けようとすると、
「あ、口元に生クリーム付いているよ」
浩輔君の口元に白いクリームが付いていることに気が付いた。
「えっ」
舌で生クリームを舐め取ろうとしているけど届いていない。
「ここだよ」
私はナプキンで拭ってあげた。
「すみません」
そう言って頬を赤らめる浩輔君。
こんな弟が欲しかった、と最初こそ思っていたけれど、なんだか彼氏みたいだなーと思ってしまった。
浩輔君はどんな私服だろう。
楽しみに待っていると、
「●●さん!」
現れた浩輔君の格好は緑のブレザーにオレンジのネクタイ、そしてグレーのスラックスだった。
「制服………今日授業だったの?」
部活はないって言っていたし、休日だから勝手に学校は休みだと思っていた。
「あ、いえ。文化祭が近いのでさっきまで学校で準備をしていました」
文化祭かー。
行ってみたいけど、部外者って行ってもいいんだっけ?
そんなことを考えながら、目的地のお店へと向かった。
「ここです」
今流行りのパンケーキのお店。
店員さんに案内されて席へ着く。
周りは女性客が多かったけど、格好こそ制服の浩輔君も可愛いらしいお顔をしているので、全く違和感がなかった。
「何にしますか?」
「んーとね…………あっ」
メニュー表を持つ浩輔君の手の甲に、マジックペンで書かれた文字に気が付いた。
持ち物リストの様な可愛い量ではなく、例えるならお経。
汗のせいか全体的に滲んでしまっているけど、それはおそらく何かのセリフに見えた。
私は指を差しながら浩輔君に尋ねた。
「これ、何が書いてあるの?」
「ああっ」
焦るように手の甲をもう片方の手で覆って隠した浩輔君。
そんなに見られたくなかったのかな?
「ごめんね、文字までは読んでいないから」
と、弁明した。
「文化祭で僕のクラスは演劇をやることになって、そのカンペです」
なるほど。
工業高校だから勝手に機械制作の展示をやるものばかりだと思っていたけど、演劇とか普通科の学校とそんなに変わらないんだ。
「浩輔君は何の役をやるの?」
「えっ!………言いたくないです」
言えない役………もしかして“木”とか“村人B”の役?
いやいや、それならあんなお経みたいなカンペにはならないはず。
主役級とみた。
「隠されると気になるなー。文化祭行っちゃおうかな」
「来てほしくないですけど、僕に拒否する権利はないので……」
そんなあからさまに拒否されるとは思っていなかったから、ズキッと心が痛んだ。
だって、今日に至るまでも文面は堅いけれど、楽しくメッセージのやり取りだってしていたのに。
気まずさを引きずりながらも、注文を済ませた。
運ばれてきたパンケーキは、生クリームたっぷりで様々なベリーが散りばめられていた。
「凄いボリューム……写真撮ってもいいかな?」
「はい」
私は浩輔君に断りを入れてからスマホを取り出し、何枚かパンケーキの写真を撮った。
撮り終わっても、しばらくスマホを構えたままの私。
画面越しにパンケーキを頬張る浩輔君を眺めていたから。
可愛い。
気付かれないようにこっそりと1枚だけその姿を写真に収めた。
それからようやくパンケーキに手を付けようとすると、
「あ、口元に生クリーム付いているよ」
浩輔君の口元に白いクリームが付いていることに気が付いた。
「えっ」
舌で生クリームを舐め取ろうとしているけど届いていない。
「ここだよ」
私はナプキンで拭ってあげた。
「すみません」
そう言って頬を赤らめる浩輔君。
こんな弟が欲しかった、と最初こそ思っていたけれど、なんだか彼氏みたいだなーと思ってしまった。