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ーー作並sideーー
最近お気に入りの場所ができた。
それは図書室だ。
他にも利用する生徒はいるけれど、お目当ての本を借りると直ぐ様出ていく。
実質貸切状態。
落ち着ける場所。
工業高校の図書室なだけあって専門書も多い。
将来は建築関係の仕事に就きたいと思っているからありがたい。
もちろん読書だけでなく勉強もする。
特に期末テストを控えているこの時期は、一段と図書室に足を運んでいる気がする。
図書室で勉強すると賢くなった気分になるけれど、現実はそうもいかず。
「うぅ〜ん」
分からない問題にぶち当たり、ペンが動かない。
頭を抱えていると、
「勉強教えようか?」
「えっ?!人がいた!!」
後ろから急に話しかけられたため、思わず大きな声を出してしまった。
振り向くと作業服を着た短髪の男子生徒がいた。
背丈は僕とさほど変わらないか少し低いくらい。
「そんなに驚かなくても……」
彼は少し困ったように言った。
「あ……すみません」
大袈裟に驚いてしまって申し訳ない気持ちになった。
でも、だって僕しかいないと思っていたから。
「えっと……」
ひとまず学年を確認するためにスリッパの色を見ると、3年生だった。
念の為に敬語を使っておいて良かった。
次に作業服の胸元に刺繍されている名前。
……◯◯先輩か。
てか、なんで制服じゃなくて作業服なんだろう。
3年生になると格好も自由なのか。
そんなことを考えていると、先輩直々に自己紹介をしてくれた。
「3年の◯◯。キミは?」
「1年の作並浩輔です」
「浩輔ね。で、勉強教えようか?苦戦しているように見えたから」
思っても見なかった提案。
「いいんですか?!あ、でも、◯◯先輩も自分の勉強がありますよね?迷惑なんじゃ……」
正直助かるけれど、3年生って言ったら受験勉強か就職活動で忙しい時期。
こんな初めて話す僕なんかのために時間を使わせるのは申し訳ない。
それなのに、
「迷惑だったら声掛けていないって。それに、自分の復習にもなるし」
「それならお言葉に甘えて。◯◯先輩、よろしくお願いします」
部活以外の話せる先輩ができて嬉しかった。
「早速なんですけど、ここが分からなくて……」
「どれどれ」
そう言って近付いた◯◯先輩からはほのかに良い匂いがした。
香水とはまた違った匂い。
作業服って油とかグリスとか臭いにおいがする印象だったのに。
そのせいか相手は男なのに、なぜか心臓がドキドキした。
「◯◯先輩近いです」
落ち着かせるために距離を取ろうとしたのに、
「そんなことないよ。それに、このくらい近付かないと問題が見えないし」
なんて言って、全く離れてくれない。
工業高校生活が長くなると男同士でも距離が近くなるのか。
入学して数ヶ月の自分にはまだ慣れない世界のようだ。
最近お気に入りの場所ができた。
それは図書室だ。
他にも利用する生徒はいるけれど、お目当ての本を借りると直ぐ様出ていく。
実質貸切状態。
落ち着ける場所。
工業高校の図書室なだけあって専門書も多い。
将来は建築関係の仕事に就きたいと思っているからありがたい。
もちろん読書だけでなく勉強もする。
特に期末テストを控えているこの時期は、一段と図書室に足を運んでいる気がする。
図書室で勉強すると賢くなった気分になるけれど、現実はそうもいかず。
「うぅ〜ん」
分からない問題にぶち当たり、ペンが動かない。
頭を抱えていると、
「勉強教えようか?」
「えっ?!人がいた!!」
後ろから急に話しかけられたため、思わず大きな声を出してしまった。
振り向くと作業服を着た短髪の男子生徒がいた。
背丈は僕とさほど変わらないか少し低いくらい。
「そんなに驚かなくても……」
彼は少し困ったように言った。
「あ……すみません」
大袈裟に驚いてしまって申し訳ない気持ちになった。
でも、だって僕しかいないと思っていたから。
「えっと……」
ひとまず学年を確認するためにスリッパの色を見ると、3年生だった。
念の為に敬語を使っておいて良かった。
次に作業服の胸元に刺繍されている名前。
……◯◯先輩か。
てか、なんで制服じゃなくて作業服なんだろう。
3年生になると格好も自由なのか。
そんなことを考えていると、先輩直々に自己紹介をしてくれた。
「3年の◯◯。キミは?」
「1年の作並浩輔です」
「浩輔ね。で、勉強教えようか?苦戦しているように見えたから」
思っても見なかった提案。
「いいんですか?!あ、でも、◯◯先輩も自分の勉強がありますよね?迷惑なんじゃ……」
正直助かるけれど、3年生って言ったら受験勉強か就職活動で忙しい時期。
こんな初めて話す僕なんかのために時間を使わせるのは申し訳ない。
それなのに、
「迷惑だったら声掛けていないって。それに、自分の復習にもなるし」
「それならお言葉に甘えて。◯◯先輩、よろしくお願いします」
部活以外の話せる先輩ができて嬉しかった。
「早速なんですけど、ここが分からなくて……」
「どれどれ」
そう言って近付いた◯◯先輩からはほのかに良い匂いがした。
香水とはまた違った匂い。
作業服って油とかグリスとか臭いにおいがする印象だったのに。
そのせいか相手は男なのに、なぜか心臓がドキドキした。
「◯◯先輩近いです」
落ち着かせるために距離を取ろうとしたのに、
「そんなことないよ。それに、このくらい近付かないと問題が見えないし」
なんて言って、全く離れてくれない。
工業高校生活が長くなると男同士でも距離が近くなるのか。
入学して数ヶ月の自分にはまだ慣れない世界のようだ。